レイ・ブラウス
「あははっ!おかしな顔~」
倒れたトラックからヒョッコリと出てきた千夜。
そして、警戒している私の顔を無邪気に笑う千夜。
でも…目が笑ってない。
「…あんた…何て事するの!!ウウッ!アアア…」
ポロポロ流れる涙。
「どうしてどうして…あんた何で殺したの?」
泣きながら聞く私に対し、ニヤニヤする千夜。
「だって~お母さんが殺せって言うから~」
「お母さん!?」
…酷い…お母さん…私のこと死んでほしかったの?…
「まぁ、そうなるのは仕方無いよね!だってお姉ちゃんが-…」
「待って!言わないで!」
…それから何があったっけ?
そんなことを思うと、
「マリンサンブラックキャッスルニツキマシタ」
…着いたのね…ここがブラックキャッスル-…
黄色い馬車は、ブラックキャッスルの門の前に止まった。
…あら?陸がないじゃない!なら…
「バンダモ-レ!陸を作れ!」
…あれ?これからどうするのでしたっけ?
すると、体が宙に浮き、下に落ちた。
い、いやぁぁ!おっ落ちるぅぅ!
「バンダモ-レ!陸を作れ!」
「闇の王子レイ・ブラウスが命じる!ブラックキャッスル門の前に陸を作れ!」
すると、ドスン!と音が聞こえるのと同時に共に体は砂に落ちた。
服は砂だらけになったけど無傷だから別にいっか!
また服なんて買えばいいもんね!
その砂は、海の砂のような感じで人間一人ぐらいは収まるくらいの大きさだった。
「じゃあ、中に入ろっか!」
「は、はい…」