9/12
何よりも大切なとき
ほろ酔い気分で 月を見上げていた
妙に儚く見えた いつしか僕の隣には君がいた
二人肩を寄せ合って 明るい月を眺めた
「今宵の月は綺麗ですね」
僕の言葉 小さく頷く君
永遠に続かせたい 何気ない幸せな生活
手招きしている 月の兎だって
それに気付いたときに 君は月に帰って行くと思った
美しい月と君は 雲に隠されてしまい
「次の満月も君と一緒に見たい」
僕の願い 静かに微笑む君
肯定も否定もしない君に 急に不安が込み上げてきた
「君は美しいから、心配だよ。実は竹から生まれていて、月に帰っちゃうんじゃないかって」
僕の言葉 可愛く微笑む君
永遠に続かせたい 何気ない幸せな生活
何よりも大切なとき