ポケベル
それは 少し昔の話
今のようにスマートフォン・・・どころかフィーチャーフォンすらも普及する前
ポケットベルというものが流行っていた
電子メールも無い時代 番号のみでメッセージをやりとりする機器である(後にカタカナを送信できる機器も出た)
ポケベル語といい
4649 よろしく!
14106 愛してる など番号の語呂合わせでメッセージを表現するものも出てきた
これは そんなポケベルが流行っていた時代
第5話「ポケベル」
ある女子高校生は毎日のようにポケベルで友人とやりとりしていた
そんなある日 彼女のもとに謎の番号が
ディスプレイには
「5」 の文字のみ
翌日 友人に送ってないか? と尋ねるも
友人たちは心当たりが無いと言うのみ
誰かのご送信かもしれない しかし自分のポケベル番号を知ってるのは友人のみ
「変なの」
不安は尽きないが 偶然の出来事 と自分を納得させるしか無かった
その夜 またもポケベルが番号を受信した
「6」
「何なの!?」
機械の故障かと考えた彼女は 電話会社に問い合わせる
が 故障では無いようだった
次の日の夜 また番号が
「4」
毎日送られ続ける謎の番号 彼女は不安で一杯だった が
誰に相談すればいいか分からない
「一体何のつもりよ・・・」
そして次の日の夜も
「2」
その次の日は
「1」
そして
「9」
不思議なことに その次の日からは番号がこなくなった
2日経っても3日経っても 番号は来ない
そのことを友人に話すと 友人はこう言った
「ねぇ 試しにさぁ その番号並べてみない なんか意味がありそうでチョー面白そーじゃん?」
そこで 番号を思い出し 並べてみる
5 6 4 2 1 9
並べ終えた瞬間 友人は何かに気づいたように青ざめる
「ね ねぇ これコロシニイクって読めない? マジチョーヤバくね?」
「そ そうだね・・・」
その後 友人と別れ 彼女は帰路につく
友人の一言で彼女の不安は一層増すことに
そんな夜 彼女の自宅の電話がなった
「A美~ あんたに電話だって~」
「こんな時間に? 誰よ?」
不審に思いながら電話を取る
「もしもし?」
「・・・」
相手は無言だった
「もしかしてポケベルに番号送ってたのってあなた?
迷惑だからやめてくれる!?」
「1324115711402259533」
低い男の声でザーザーとノイズ混じりに番号のようなものが語られる
「え? 何?」
ツーツー
電話が切れる
「何なの・・・」
翌日
「あの子ったらいつまで寝てるのかしら ご飯よ~」
娘が起きてこないことを心配し 母親が起こしに行く
ガチャッ
「キャアアアアア!」
女子高生は死んでいた 血まみれで
壁には赤い文字でこうあった
224185
完
ポケベルを思い出し そういやこんな都市伝説があったなと
後半部分の長い番号はポケベル入力方式の変換表見れば分かるかも
ちなみに私は職場でポケベル使ってます 鳴った時近くの内線電話探すの大変!
当時の人も同じようにポケベルがなったらみんな公衆電話を探していたわけですね 似たようなもんです