表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都市伝説 Reboot  作者: UGM
2/20

ランニング

タッタッタッ

タッタッタッ


またかとAは飛び起きた

ここのところ毎晩毎晩深夜に誰かが走ってるような音が聞こえる


Aは試しに大枚をはたいて用意した監視カメラで音の聞こえる辺りを一晩録画してみた

すると 人の影が走る姿が 


「うっわ なんだこりゃ」


その影はしばらくすると消えた


第2話「ランニング」


ポルターガイストのような霊障はないものの 走る音がうるさい


タッタッタッ

タッタッタッ



「俺が気にしすぎなのか実際うるさいのか くっそ どのみち我慢できねぇ!」


このランニング野郎を祓うため そこそこ高名の霊能者を呼ぶことに

出現地点にくるなり いきなり霊能者が騒ぎ出した


「ぬあああああああ! なんて邪悪な霊だ! 直ちに祓わないと

まるでトミノの地獄を音読したような事になる!!」


分かりづらい例えで霊能者はAに訴えかける


「どういう事ですか 悪いことがあるんですか?」


「凶事じゃ 凶事が起こる 祓いましょう! 10万円で!!」


「じゅ 10万円? それはちとばかしお高くないですか?」


「バカ言いなさい! このまま呪殺されたいのですか!? ええ!!?」


物凄い剣幕

霊能者の謎の勢いに押され Aは金を払ってしまう


その後 霊能者は意味不明な経文を唱え 数珠を振り回したり 何やら叫んだ後


終わりました と一言残し 去ってしまった


「な なんだったんだ・・・」


ともあれ幽霊は祓われ 穏やかな夜が来るはず・・・だった


深夜


タッタッタッ

タッタッタッ


「祓われてねーじゃん! あのインチキオヤジ!」


タッタッタッ

タッタッタッ


再度 監視カメラを仕掛ける  やはり同じ影が映っていた

「お前どうすれば消えてくれるんだ・・・」


そこでAは考えた


翌日 深夜

おおよそランニング音が聞こえてくる辺りに立つA


やがていつものように音が聞こえてくる

タッタッタッ

タッタッタッ


ちょうど自分の近くに来たところでAも走りだす


「うおおおおおおおお!俺が勝ったら消えてくれよおおお!!!」


タッタッタッ

タッタッタッ


ダダダダダダダダ


Aは走った 必死に走った

全力で走った満足感と疲労感でその日はぐっすり寝ることができた





翌日 深夜

タッタッタッ

タッタッタッ


「どうすればいいんだ・・・」



げっそりとし まるで自分が幽霊かと言わんばかりの青い顔

あまりにも悲惨なその姿を見て友人であるBが寄ってきた


「どうした 随分げっそりしてるな」


「お前か・・・」


オカルトに詳しくはなさそうだが 何かヒントは得られないかと

AはBにランニング影の事を話した


「幽霊ねぇ 毎晩走ってんの?」


「ああ もううんざりだ 地味な音だけど響くんだよ」


「うーん そういう霊って何か未練とか残してるんじゃないかな

ランナーなら・・・そうだね 出るはずだったレースに出れなかったとか ねぇ」


「そんなの幽霊の勝手な都合じゃないか!」


「まあそう言われりゃそうだがね うーん 効果があるかどうかは分からないけど 一つ試してみるかな」



同日 深夜

「この辺かい? 音が聞こえるのは」


ゴールテープを手に 立つ男二人


やがてAの耳に いつもの音が聞こえてくる


タッタッタッ

タッタッタッ


「!」


「ちょうど僕らのところで来たとこで合図してくれ

 テープしっかり持ってくれよ」


タッタッタッ

タッタッタッ


音が近づく


タッタッタッ

タッタッタッ


・・・

「来た!」


「ゴーール!!」


思いっきりBが叫ぶ


すると その地点で音がピタリと止んだ


「止んだ! B! 止んだぞ!」


しばらくして かすかに男の声が聞こえた


ありがとう と



「B どういうことだ?」


「彼はゴールしたがってたんだよ だからゴールを切らせた これで 彼のレースは終わったんだ」



それから 深夜にランニングする音が聞こえることは無かった








結構昔からある都市伝説だったような気がします

噂ではランニングマンが建物の壁を突き抜けてきたとか

それはさすがにビビリますねw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ