そして願いは叶う②
「凉おそいよー」
「お前が早いんだよ!」
「凉イラついてる?ごめんねぇ。」
「謝り方もイラつくな…。」
「じゃあ行こうか!!」
「話を聞けっ!!」
22時頃に踏切に集まった私たちは少々もめた後、その近くの小高い丘を登っていた。案の定、沙希はライトを持ってきていない。辺りは暗く、私のライトだけが頼りだ。
「凉…怖いよぉ。」
「なんできたし?」
「流星群見たかったから!」
「ところで何でまたわざわざ外で?」
「流れ星に願い事をしたら願いは叶うっていうじゃない?」
「まさかその為…?」
「うんっ!!」
はぁ…将来が思いやられる。もうお互い高3ですよ?受験生ですよ?まぁついて行く私も私なんだけど…。
「ほら、もう着いたよ♪」
「意外と早かったな。」
どうやら沙希の天然ぶりを嘆いていたら丘の上に着いたようだ。
「確かにここならよく見えそうだな…。
「でしょでしょ!?」
「…ねぇ、流星まだかな?」
「まだだろ。」
「…まだ?」
「まだだろ。」
「……まだ?」
「うるさいっ!少しは静かに待ってられないのっ!?」
「…はぁい。」
「それでよろしい。」
と叱りはしたものの私も内心落ち着かなかった。正直な所早く流星群を見たかったのだ。
「ねぇ沙希…」
そう言って横を向くと沙希は何かを祈っていた。
「…?」
「よしっ!お祈り終了っ!!凉も早くやんなよ?」
「って流れ星見つけてたのかいっ!」
「凉の目が悪いんだよぉ。」
「うぬぅ…。」
それから数分の間、私たちは流れ星を探した。流星群という割には大量に降るわけではなく単発のが連続して降っているようだ。私も探してはいるのだが、何故か沙希の方が先に見つけてしまう。