第2話 命の価値
今回少しだけ重たい回です。短めに書いたのですが苦手な人は次の話から読んでも大丈夫なので次の話が出るまでお待ちくださいませ。
絶対に必要な内容なので申し訳ないですがお付き合い下さい。
2話:命の価値
6時頃に起床したぴーすけは朝食を済ませ冒険者ギルドに向かった
「おはようございます、ピースケ様依頼の受注ですか?」
『いえちょっと聞きたいことがありまして、武器とか防具っていいお店ありますか?』
「新人冒険者向けの武器屋で宜しければギルドを出て右に真っ直ぐ行くとゲルドの武器屋と言う名前の武器屋があります」
『分かりました!ありがとうございました』
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武器屋に入ると長剣に短剣などメジャーなものから、こんなのどう持ち上げるのかという程の大剣も売っていた
「にいちゃん新人冒険者か?」
『は、はい!』
片目に傷のあるいかにもヤ〇ザのような身長2mはある屈強な男が店の奥から出てきて声をかけてきた。恐らく店の人だろうが怖すぎる。
『2日前に冒険者になったばかりです』
「体格的にほとんどの剣はまず無理だな」
ファンタジー好きとしては剣に憧れていたが怖くて反論なんてできないので黙って聞く。
「短剣かダガーか。。にいちゃん予算はどれくらいだ?」
『大銀貨1枚を考えてます』
「結構もってるじゃねぇか。ならダガーと革製の防具を合わせて大銀貨1枚でどうだ?」
プロがそう言うならそれが一番なんだろう。ここは素直にそうしよう。
『それでお願いします』
代金を支払いダガーと革製の急所を守る防具を身につけると厳つい男が訝しげな目で私を見ていた。
「。。にいちゃん珍しいな、大体の新人冒険者は憧れや過剰な自信から身の丈に合わない武器をつかいたがるが」
『素人の自分よりプロの意見のほうが確実ですからね、もしかしたら命を預けるかもしれないものに素人の私の意見なんて言えないですよ』
「にいちゃんは長生きしそうだな、また来てくれよ」
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昨日と同じ北の門を抜け今日は森に入らずに平原を進んでいく。
『ここを真っ直ぐのはずだな。今更だけど無理そうなら帰るか』
そう、今日はホーンラビットの討伐依頼を受けていた。
ホーンラビットは北の門を出て平原を進み20分程進んだ辺りにいるらしい
『お、ラッキー、ぴーすけはヒール草を手に入れた、ふふっw』
道すがらメガネを使い薬草を採取しながら歩いていると少し離れた場所に20cm程の角の生えた白いウサギがいた。
【ホーンラビット⋯Fランク.Lv4】
『これ生き物にもつかえんの?!』
1度安全な場所まで下がり鑑定を発動させてから自分の手のひらを見るとウィンドウが開いた。
ぴーすけ⋯Fランク.Lv36
職業···配信者
スキル···《条件を満たしていません》
『初期レベルで36?!ホーンラビット余裕じゃん!スキル未開放でもいけるでしょ』
ホーンラビットの元にもどりダガーを構える
「シャ-!」
ホーンラビットがこちらを威嚇してすごい勢いで飛んできた、しかし私はそれなりに冷静だった、何故かと言うと
『え?思ってたより遅くね?』
野球ボールを打つような感覚で飛んできたホーンラビットの首の辺りにダガーを振ると、生々しい感触の後グロテスクな姿になったうさぎが転がった
『めっちゃ楽じゃん怪我くらいするとおもってたのにビビって損したー』
その後追加で2体を軽く狩り財布にしまってギルドに戻った。
銀貨3枚を受け取り宿に帰る。
美味しい晩御飯を食べてベッドに腰をかけた時にふと考えた。今日生き物を自分の手で殺した、それも今思い返すまで達成感や興奮で罪悪感なんて少しもなかった。現代日本で生きていた私がである。
「にいちゃんは長生きしそうだな」
武器屋の男の言葉を思い返し、より強く思った。この世界の命の価値は私の考えるよりとても軽いのではないかと。
死んでしまうという事柄がすごく身近にあることへの恐怖心が今更になってぴーすけの思考を深い沼に落とす。
ぴーすけが眠りについたのはそれから数時間後のことだった。
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《スキルの解放条件の1つを満たしました。残り4つで配信者のスキルを1つ解放できます》
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寝ているぴーすけの頭の中でそんな言葉が響くのであった。
重たい回とわかってここまで読んでくれたそこのあなた。とてもうれしいですありがとうございます。
明日からもできる限りあげていくのでご愛読お願い致します。評価も頂けるとうれしいです。
提供元のぴーすけさんのことも是非よろしくお願いします。コメント欄に私もいます。
提供元『こものどらごん ぴーすけ』
https://youtube.com/@komonodoragon?si=YDnbAxpfWIaXnUd8