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百話厭説  作者:
4/20

004.avici

 ──昨日、急にオヤジから電話かかってきてさあ。2、3年ぶりくらいかなあ。そう、いきなりよ。


 で、まあ面倒いけど一応出たのよ。ほら、オレこう見えて親孝行なとこもあるからさ。


 それで出たらさ、何か、オヤジ泣いてんのよ。その時点で若干ていうかかなり引いてたんだけど。何言うかと思ったらさ「夢を見た」って言うのね。「はぁ?」ってなるじゃん? だから「ふざけんな」って切ろうかと思ったらさ、泣きながらオヤジが言うのよ「2千年後のお前の夢を見たんだ」って。


 流石のオレもさ、何かちょっとヤベえって思って。いや、そりゃオレもお前の立場なら笑うけどさ。自分のオヤジで考えてみろよ。自分のオヤジが電話越しに「2千年後のお前の夢を見た」って号泣してんだぜ? 笑えないって。むしろちょっと怖かったから。


 でさ、俺が黙ってたら聞いてくるの。「お前、何か悪いことしてないか? 大丈夫か?」って。


 ……まあ、ご存知の通りじゃん?


 だから「別に」とか「何言ってんだよ」とか適当に返したんだけど、オヤジめっちゃ真剣な声でさ「本当なんだな?」とか念押してくるからさ。オレ「うるせぇな!」って電話切ったのよ。


 まあ話としてはそれだけなんだけど。昔からさ、オヤジ、けっこう勘がいいっていうか何ていうか、そういうところあるからさ……。


 は? 大丈夫だよ。ビビってねえよ。

 ほら、そろそろ行こうぜ。仕事だ、仕事。

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