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百話厭説  作者:
3/20

003.知らない人

 ──そうなんです。部屋の暗がりをじっと見ていたり、こう……はい、指差して……「おかあさん、あのおんなのひとだれ?」なんて言って……私、本当に驚いてしまって……。


 ふた月程前でしょうか。最初に、何だか少しおかしいかも、と感じたのは。私が家事をしていて、ふと気付いた時に「あれ? あの子は何処に行ったの?」なんて家の中を探すと──探すと言っても狭い家の中ですが──子供部屋の中で電気も点けずにいるんです。そして暗い中で一人、誰かとお話してたようなんです。初めは単純に、一人でおままごとしてるのかなって思って「電気点けなきゃダメよー」なんて声かけて、電気点けて家事に戻ったんです。もう別にずっと見てないといけないって年齢でもないですから。だけど、それが二度三度続いてくると、これはもしかして『イマジナリーフレンド』ってやつなのかしら、と思って。


 心配になって自分なりに色々調べてみたのですが、イマジナリーフレンドって、決して悪いものでは無いんですよね? ……ああ、先生、ありがとうございます……。そう、それで、あまり口出しするのも良くないと聞いたものですから、とりあえずは見守ろうと思ったんです。心配ですけれど……。


 それからひと月程経った時の事です。相変わらず娘は、ふと気が付くとイマジナリーフレンドと、二人で、暗い部屋の中で何かおしゃべりしているようでした。ある日、気になって、何を話しているか、こっそり聞いてみたんです。そうしたら……、娘が私に気が付いて、《《私の方を指差しながら》》──、


「おかあさん、あのおんなのひとだれ?」


 って……、暗がりの方へ喋りかけたんです。


 あの、先生。娘は『誰』と話しているんでしょうか?

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