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百話厭説  作者:
10/20

010.母の顔

 ──なあ、大沢、って覚えてる?

 そうそう、中学で一緒だった。

 高校別になってから全然会ってなかったんだけど、こないだ駅前でばったり会ってさ。「久しぶりー」なんつって。


 で、あいつ女の人と一緒で。

 ──違う違う、おばさんだよ。

 まあその時は俺もちょっと急いでたから「後で連絡するわー」つって別れたのね。


 それで、夜帰ってから久しぶりに連絡したんよ。んで「最近どうしてんの?」とか、昔話とかして盛り上がってたらさ、あいつが「でも久しぶりに会ったのに母ちゃんと一緒の時とかキツいわー」って言うの。俺「は? 何言ってんの?」って返しちゃって。


 だってさ、俺が見たそのおばさん、大沢の母ちゃんじゃなかったんだよ。

 俺、あいつと小学校も一緒だったから何度もあいつの母ちゃん見てるけど、全く別人だったのね。整形とかそういうレベルじゃなくて。もう人間とキリンくらい見た目違ったのよ。


 で「あ、もしかして離婚再婚とかあったんかな?」て気付いて、ちょっとヤベえって思ったんだけど、あいつがさ「母ちゃんが『ユウジ君カッコよくなったね』って言ってたぞ」とか、笑いながら言うのよ。それって、初対面の言い方じゃないじゃん?


 何かちょっと闇深そうだったからさ、その話はもう触れないようにして、まあ「予定合ったらまた遊ぼうぜ」とか言って終わったのね。


 それでさ、昨日また駅前であいつ見かけたんだけどさ。


 また知らないおばさんと仲良さそうに歩いてんの。


 しかもさ、その知らないおばさんの方から俺に「あ、ユウジ君」て声かけて来たのよ。


 ……マジでさ、これ、どういう事だと思う?

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