第十六話 お絵描きは楽しいけれど
「どうだネコ、カッコイイだろう?」
「……うん、まあ、カッコイイよ。でもさ――――」
「ん? ああ、勝手にシャツ借りたの怒ってるのか?」
違うよ……服ならいつも勝手に着てるじゃん。そうじゃなくて――――
「帽子に穴ああああああああ!!!!!」
ふっさふさのお耳がぴょこんと出てらっしゃる。遠慮なくガッツリいったな……
「え? だって押さえつけられたら気持ち悪いし、聞こえないだろ?」
わかる、わかるけど――――
「その帽子、お気に入りだったのに……」
「……ごめん、一度被ってみたかったんだよ」
「……去年、麦わら帽子にも穴開けてたよね?」
「あはは……そんなこともあったな」
もう……帽子はひだにゃん専用にしよう。そうしよう。
「ほら、気を取り直して絵の紹介しようぜ」
「むう……釈然としないけど、久しぶりの更新だしね」
今回の依頼は、以前もいただいた塗り絵用線画です。
猫耳の少女がアイスを持っているイラスト、ということで描いたのがこちら。
「おお、可愛いじゃないか!」
「私、普段ちゃんと線画描かないから、なるべく塗りやすいようにシンプルさを心がけてみたんだけどね」
やっぱり線画がしっかりしていないと塗りで苦労することになるからね。線画の段階でしっかりと雰囲気が伝わるようにレベルアップしなければならないと思う。
だからこういう依頼をいただけて本当にありがたかった。
「そういえばファンタジー中編作品のヒロイン絵も描いているんだろ?」
「うん、主人公のカインとメインヒロインのイヴァリスを除いたらまだ四人だけだけどね」
「四人だけって……相変わらずヒロイン無駄に多いなっ!?」
「あはは、ヒロイン描きたくて小説書いてる部分もあるからね」
せっかくなので拙作「回帰の剣」ヒロインイラストも紹介しますね。
リリアン(主人公の双子の妹)
イザベル(天才薬師)
ヴァレリア(天才魔法士)
アストラ(サルヴァリアの王女)
「連載終わったのにまだ描くのか?」
「う~ん、今回赤髪のヒロインが多くてさ、差別化出来るか悩んでるけど、一応描くつもり。時間はかかりそうだけどね」
それよりも――――
「ねえひだにゃん、お絵描きってめっちゃ楽しいけどさ、とても辛いね」
思うように描けない、いくら描いても上達している実感が湧かない、むしろどんどん下手になってる気がする。
「上手い人と比べても仕方ないってわかってるんだけど……やっぱり落ち込むよ」
「まあ、小説と違って一目で比べられるからある意味残酷だよな。でも……描くのは続けるんだろ?」
「そうだね」
どんなに辛くても、それ以上に描くのが好きだから。
なんかずっと分厚い壁にぶつかり続けてる気がするけど、なんか間違ってる気がするけど、続けることはたぶん間違いじゃない。
これまでもそうだったように、これからも描けるまで続ければ良い。
ゆっくりだけど――――見た目では変化が無いくらい少しずつでも前へ向かって!!