第十五話 もうすぐ連載開始一周年なのです(*´▽`*)
「なんだよ? そんな顔したって団子やらないからな!!」
「はあ……せっかく桜が満開で綺麗なのにひだにゃんが食べてばっかりだから呆れていただけだよ」
「昔っから言うだろ、花より団子ってな」
「なんかもっともらしい格言みたいに言うな!! でもまあ……桜味の限定スイーツは抗えないよね」
桜の淡い色が好きだ。荒んだ心の傷にはこれくらいが丁度良い。蕾が膨らみ始めるとワクワクする。満開の桜は魔法だ。散り始めると少し寂しいけれどこんなに美しいと思えるものなどそうはない。
願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃
人生に絶望し、全てが灰色に見えていた頃、それでも桜だけは色褪せることはなかった。
桜を見るまでは死ねない。そうやってこれまで生きてきた。
でも……また来年見たくなっちゃうんだよね。感傷的になるから後何回見れるかなとか考えないけど。
「これで花粉さえ無ければ最高なのにな!!」
「言うな……せっかく意識から消しているんだから思い出させないで!!!」
「ところでねこ、来月の5月5日でこの連載一周年だな」
「うん、早くてびっくりだよ……」
「そういや始めた時、三年で結果出したいみたいなこと言ってたけど、そのあたりどうなんだ?」
三年あればそれなりに上手くなるのでは? ええ、そう思っていましたよ少しはね。
「あれはさ、若気の至りというか追い詰められてというか……なんというか自分を奮い立たせるために具体的な目標があったほうがいいかなって」
「言い訳から入るあたりずいぶん弱気だな。あと二年もあるんだし、そこそこ上手くなるんじゃね?」
「うっ……あと二年でどうにかなるとは思えませぬ……」
たぶんなんでもそうかもしれないけど、イラストもゲームと同じである程度経験値がたまらないとレベルアップしない。最初はガンガン上がるけど、どんどん必要な経験値が膨大になってきて上達している感覚が無くなってゆくんだよね……。
「でもさ、一年続けて来れたんだろ? それだけでお前は凄いんだ、もっと誇っていいんじゃないか」
「ひだにゃん、ありがとう」
そうだよね……続けていればいつかレベルアップする時が来る。
「なあ、ねこ、二年後の未来、知りたいなら私のにゃ眼の力で見てやろうか?」
「にゃ眼!? そんな設定あったっけ!?」
「にゃふふ、右目の金眼ゴールデンタイムはあらゆる過去を、左目の緑眼グリーンディスティニーは未来を見通すのだ」
まさか…ひだにゃんのオッドアイにそんな秘密があったなんて!!(棒読み)
「ううん、大丈夫だよ、未来はわからないからこそ輝くものだし」
「ふーん、まあいいけどな。それより今回の依頼はどんなイラストなんだ?」
「今回の依頼は制服を着た黒髪の女子高生が桜の木に寄り添っている全身図だよ」
「ああ、ねこが苦手な全身絵だな」
「うん……まあそうなんだけどね。頑張って描いたのがこちら」
こちらがベースの黒髪バージョン。
そして――――髪と瞳が桜色バージョンがこちら。
というわけで、今回は桜尽くし回でした。
それではまた、桜の咲くころ――――もしくは新しいイラストを描いたらお会いしましょう!
ひだまりのねこでした、またね!!