9.赤髪緑目の意外といないキャラデザ魔女っ子、意外といないどころか絶対当てはめない衣装を2人に着せる
隠れていない伏せ字第二弾
「えー…それじゃあはじめまして!私はロゼリア・アサヒ」
「俺はゼノン・ツキヤ」
「私たちはこの森を進んだところにある村に住んでるの。ハルカナ村って言って、子どもは私たちしかいないけど、その村にいる限り安全は保証されているし、何なら多分この未発達の時代のどこの国よりも異次元の進んだ村になる予定。なぜなら私たちが天才だから!」
「子どもの戯言だと思ってるかもしれねーけど、俺たちはこの世界の人間とはちょっと違うからな。アレン達が今までこの村のある森にいながら俺たちの村に辿り着けなかったのは、俺とロゼが知らない奴らから侵略されないように認識阻害と結界魔法を張ってたからだし、アレン達が基本いた森の中で平穏無事な生活、なんならすげー美味しい食料を得られていたのだって、俺が村の外にもう一つ結界やらなんやらをかけて悪党どもから逃げてきた人を住まわせるためだ。覚えがあるだろ?」
そこで彼らがハッとしたような顔をする。
「ちょっと?村の外にも結界張ってたの?」
「ああ。言わなくて悪かったな。後で話すよ」
「りょーかい」
「つまり、あの王家でも出せない美味の食物たちは、君たちが故意に作ったものだと?一体どうやって…」
「この世界の魔法…と私たちは呼んでいるんだけど、その能力が私たちはとびきりずば抜けているの!ただそれだけだよ」
「魔法!?あれは水や火を少し出現させたりすることができるだけではなかったか!?確かに時折その強さが凄いものもいると聞いたが、それでも松明の炎程度だと聞いていたのに…」
「まあこの話はひとまず置いといて、俺たちの村に来るといいよ。うちの村、いきなり訪ねた人たちと仲良くなった人が今の村長一家だし、その時のことも村人みんないい思い出として語ってるから大丈夫だろうし」
「王子さま達には村の結界を通過して認識阻害の魔法も引っかからないようにしておくね」
そうして私は彼らをしっかり認識した後、魔法の制限を彼らから外した。
「そうだ!おじさんのことはなんで呼べばいい?うちの村、基本みんな名前呼びなんだけどさー」
「私は坊主には師範と呼ばせているが君たちにはむしろ教えを請う方かもしれないからな…アクスノルドという本名では万が一があると危険だから、適当にあだ名で呼べばいいさ」
「じゃあアクセルさんで!」
「俺もアクセルさんで!」
「そういえばアクセルさん、厳ついおじさんみたいな見た目だと思ってたけど、よく見たら素材は無骨な武人って感じのワイルドハンサムだよね、2人とも血まみれの服装綺麗にするついでに見た目も整えてあげる!どう?」
「俺も賛成!綺麗な見た目にしておけよ!人は見た目が8割だぜ?」
「あ、ああ…命の恩人である君たちの村にこの格好では行けないからな。わかった。頼む」
「では〜…Bibbidi-Bobbidi-Bo⚪︎!」
「うわ!!」
「え!?」
私が某灰かぶり姫の魔法使いの呪文を唱えると、そこには見目麗しい殿方がいた。
厳ついおじさんの見た目をしていたアクスノルド殿下…アクセルさんは焦げ茶色の短髪と薄緑色の切れ長の瞳のワイルドハンサムになった。髭をなくして、清潔感ある見た目を想像していたら、無精髭や、無造作な長髪も綺麗さっぱりとして、これなら映画があったらマフィア役だけでなくスパイや警察官役もいけそうだ。服もちゃんと血まみれのよくわからん装束から黒スーツで問題ない!
「うんうん、すぐに思いついたのがスーツしかなかったけど、ま、無難で一番でしょ!」
「おー!いいじゃん!」
「この服はなんだ…?」
「いいでしょ?さっき着てたやたらごちゃごちゃして動きにくそうでセレモニーでしか使い道なさそうなあれなんかより」
「ああ。それにしても…魔法とはこんなことができるのか…」
「じゃあ次そこの金髪王子様〜は…うーん…よし!へーんしんっ!」
アレンは髪が腰までの長さだったのでもれなく輪郭に沿ったよくあるマンガの王子様の髪型をイメージしつつ、黒いポケット多めのフードなしパーカーに長袖黒T、黒七分丈ズボンに茶ブーツを想像した。
「わあ…!これも初めて見る変わった衣服だね…この袋はなんだろう?アサヒ様、ありがとうございます」
「その袋みたいなのはポケットって言うの。中に物を入れられるんだよ。アクセルさんの服にもあるよ。あ、それと、様呼びしなくていいよ。まぁそんな仲良くないから呼び捨てじゃなくてさんづけでよろしく!あ、私達王子のことなんて呼べばいい?」
「僕はアレンって呼び捨てで呼んで欲しいな…サンジュ公国のことは嫌いだから、サンジュの方はないことにして欲しい」
「わかった。俺はゼノンで呼び捨てでいいぜ。さっきからロゼばっかし魔法使ってるから、俺も見せてやるよ。アクセルさんもアレンも疲れてるだろ?ロゼ、村に転移で戻るけど、ロゼはここがどこだかわかってないだろうから、お前も俺が連れて行く」
「イエッサー!」
私はいい感じに2人のコーデ魔法が成功したので、上機嫌で返答した。
「よしっ!それじゃあ帰るぞ!」
この魔法の呪文は歌の方じゃなくて、映画でセリフとして言っている方の発音でロゼちゃんしています。