79. 第五章 僕のキモチ…ワッツ
アブラカタブラって知ってますか?
「おはようございます!」
「あ、おはようアルマちゃん!」
「おはようございます!ティモールさん!」
この世界の芸能界は、ドンはギリギリで、芸能人としてまだまだならアホみたいに早く来なくちゃいけないとか、そういったものはない。差し入れも絶対なんてことはないから、差し入れ強迫観念もない。
正直そんなのがあったところで、『⚪︎⚪︎さんはあともう少しで来るから、そろそろ点呼かな』といちいち考えたり、『…あれ、店員Aいなくないか?』とか端役だから存在感なくて直前で気づくとか、だるすぎて仕方ない気がする。
『どうしよう電車が遅れたせいで⚪︎⚪︎さんより遅く着いちゃうかもしれない!もうダメだ!』とか色々あるだろうし、そういう悪習は廃止すべきだと思う。
私の祖先であろう賢者が5分前行動ルールを提唱した結果、この世界は大体が5分前に指定場所に着くという規定だ。
早く着きすぎたところで、その前の予約のお客様がいるから対応できませんよ?営業時間前ですよ?5分前だからと言ってあなたも5分の休憩がいかに貴重か…お分かりですね?
等々、運営には色々あるのだ。
暑いから外で待てないよ…そうかもしれない。であるからレストラン等は店にお客様が待つための椅子を置くことは法律で定まっているし、なんならこの世界には歩道でも一定でベンチが現れるので、体力のない人でも散歩が簡単にできる。
「よし、全員揃ったので、今日はリハーサルです!」
私は今日ミュージックターミナル…Music Terminal
略してMSTのリハーサルに出る。
悔しいことに私はトリではない…仕方ない。私の幼馴染2人がコンビで歌うから、それがトリになるのは至極当然だろう…。
「今日は音楽界でもトップを走り続ける三者が集っていますね、いかがですか、ジールさん」
「ありがとうございます。トップだなんて…恐縮です」
「ソーマさんとアルマさんは、地方の大会で別枠で2人とも優勝されて、有名になったそうですね」
「ああ、私は笛で優勝したんですけど…アルマさんに『君が私と同じ枠で出場してたら私は負けていただろうね…すごく悔しいよ、来年も私は出ることにしたから、君も出場して、戦ってくれる?』って言われたことは今でも覚えてます。なんだか、会うべくして会ったって感じがしました」
「えへへ、あの日は本当に悔しかったんですよ…誰がどう見たって、小学生部門優勝の私より、小学生未満の部門で優勝したソーマさんの方が凄かったんですもん。」
「そうなんですね〜、実は、当時の映像があります、どうぞ!」
――――
「今日の締めはソーマさんとジールさんのタッグ、SZの『僕のキモチ…ワッツ』です。」
ハリボタのアバダケダブラは死の呪文ですが、それの元になったであろうアブラカタブラは逆に祝福の呪文だそうです。
私はこの『僕のキモ』という曲好きなんですけど、アロエのCMの曲も好きなんですよね!わかーるわかるよ…ちなみに上ンツの、ラッキーでハッピっていう曲は絶妙な平成のダサさが…良いですねMVのなんともいえなさが逆に…




