50.第三部、第一章 あ! びけいの りゅうがくせいが あらわれた!
C○LD PLAY のViva La Vid⚪︎、聴いてください!曲がいい!
この世界には、魔物が―――いない。
私、青藤凛子は、ファンタジー世界に生まれてきた。
が、魔物はいない。いや、普通に魔物じゃなくたって、ヒグマが現れたら人は死ぬんよ。イノシシやらシャチはいる世界。そしてそれらに襲われたら魔法や銃で殺す世界。
と、いうことで、辺境で魔物の危機に常に怯える大地があるわけでもないが、魔法はある世界。
生まれた時から前世の地球にいた時の記憶があったけど、自分じゃない自分の記憶があるなんて言ったら変人とみなされるものだろうし、私はこの世界の普通の子として振る舞った。
この世界、なんということでしょう。国が一つしかない。
だから、国の価値観の対立や領土拡大での戦争なんてないし、この国を作った人がそれはそれはすごい人達で、宗教というものがあるとしたら、その人達に関するものだ。
ただ、その人たちが公式で『自分たちは神ではない。なんでもできる者がいると思ったら大間違いだ、自分で考え、他人を考え、全てを尊重して生きていくこと』等々発言をしているため、宗教とはなっていない。神じゃないって本人が言ってるからね。
だいぶ強いファンクラブだ。
そしてこのファンクラブは四つある。
一つは『勇者』のファンクラブ。これが圧倒的に派閥が少ない。ファンは少ないもののこの国の初代王はこの人だ。そして唯一写真や肖像画で見た目を確認できる人物である。美男だと実証されているただ1人だ。
ファンクラブの紋章は王冠。
一つは『大武人』のファンクラブ。
この世界の創造神と結婚していて、人間辞めてると他の四大君が言うくらいの運動能力がある男性だ。この人だけ歳はひとまわり違う。この人は写真は嫌ったので一目見た人たちが残した肖像画のみ残っている。肖像画では非常にハンサムだし、どの肖像画もほぼ似た顔立ちなので、実際にとてもハンサムだっただろう。
ファンクラブの紋章は剣と天秤。
一つは『宵の賢者』のファンクラブ。武に憧れる人でなければこの世界の男子はみんなこの人に憧れる。創造神は美しいらしいが、宵の賢者が結婚した暁の賢者はこの世界が創生してから神と並ぶ唯一の美貌を誇った女性とされている。そして賢者2人はたった1人で世界をも滅ぼせるといわしめた存在だからだ。美しさも知性も全て最強の存在と生涯仲の良い家庭で自分も最強だったのだから男は憧れる。武道に憧れるものは大武人に流れるが、そもそもこの世界の四大君のうち男子3人は全員運動能力は非常に高いのだ。その中で人間辞めてる人がいるだけで。
ファンクラブの紋章は黒薔薇と羽ペン。
最後に『暁の賢者』のファンクラブ。美に憧れる人や、綺麗な女性が好きな人、そしてこの世界の女子はみんなこの人に憧れる。この世界が誕生してから今までで男子のなかで一番美しいと言われた宵の賢者と結婚して、自身も何も唱えずに無詠唱で津波を堰き止めりした人だ。
ファンクラブの紋章は黒薔薇と本。
人々は救いを求める辛い環境でなければ神に縋ろうとはしないから、悪い人間がたとえ金儲けのために神格化したものを造ったところで誰も見向きもしない。
この国は、最初の最初から貧民街や貧困層が生まれたり負のループを続けないよう徹底的に法や環境を整えて建国されたのだ。
だから未知の能力で人々を救う神がいなくてもいいから、宗教戦争は起きなかった。
ファンクラブによる推しに関する争いも起きない。
公式が罰するからだ――勇者以外のことは。
カプ戦争も起きない。公式が公式以外を認めないからだ。たとえば勇者と暁の賢者のカプの二次創作を作ろうとすると、ひとりでに紙が燃える。
私は武道紅華という留学生を見ながら、それを思い出していた。
ファンクラブが生まれそうだな〜と、思った。
私は美形が好きだ。私も美形だ。美しく生まれるとそれだけで基本得だ。
隣の幼馴染に話しかける。
「ねえ、あの人、ブレッドの今までの人気をかっさらいそうだね!」
「…僕は、みんなからの人気なんて気にしないよ」
きらきらしい生まれ持った金髪をたなびかせブレッドは苦笑いをする。
ブレッド・フレアは私の幼馴染だ。
この世界は私や留学生のような日本の名前もあるし、イタリア的な名前も、ブラジル的な名前もある。
日本の名前だからと言って黒髪黒目(実際は日本人は黒目ではないらしいが)だとは限らない。
この世界はカラフルなのだ。髪色も瞳も。
なので私は青藤凛子という名前で青髪の青い瞳だ。
そして留学生の武道紅華は赤髪に赤い瞳だ。
なんだか親近感が湧くなぁ…と思いながら彼を見ていた。
手が大きいと女子的には悲しいけど、ピアノとか、チェロとか、便利ですよ…ヴァイオリンはなんか少しの幅で音変わるからやりにくいなって思ったけど…どうなんだろう。、




