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49.第二十章 Near, far, wherever you are

心許ないは、こころもとないと読める方多くいるんじゃないかなと思います。では、こころばかりの…はどんな漢字かというと…


俺は朝、まだ起きてこないアリエのおでこにキスをした後、いつも通りフレンチトーストを食べていた。


夜から卵液に浸した、柔らかく甘さたっぷりのこのフレンチトーストは俺たち2人の朝食という名のスイーツだ。


長く生きていく中で毎日同じ時間に合わせて起きるなんてのはしんどいので、俺たちは起きたい時に起きる。


まあ、基本俺の方が遅く起きるのだが、アリエは二度寝三度寝大好きなので、結局は動くのは俺の方が早い。




そうして昼になってもアリエは一度も起きてこなかった。


「………?」


何か違和感を感じて、俺はアリエのところに向かった。


「………」


俺はアリエのもとに近づく。


…息を、していない気がする。


「………」


「…アリエ、起きろ、もうとっくに昼だぞ?腹減っただろ」





―――――



アリエは寿命で亡くなったらしい。


老衰による死亡は寝顔が安らかなことから苦しくないと言われているが、本当だろうか。


…本当だといいな。


「なあ、アリエ。終活しておいてよかったなあ」


「俺は、死んだらお前と一緒の墓には入らないって言ったよな」


――だって俺らの子どもがどっちに話しかけたいのか、わからなくなりそうだからな!隣にするんだよ――


「そう言ったらさ、お前は、『死んだ後のことはわからないけど、1人でいるのは嫌だな、石に距離空けてでいいから、同じ石のお墓に入ろうよ』って言ってさ…」


「ばあさんになっても甘えただなって、俺実はドキッとしたんだぜ?」


「俺もさ、後で考えて…同じ石だったら、何かあって離れ離れの墓になるなんてこともないしいいなって思ったんだ」


「ありがとう。俺より先にあっちに行ってくれて。」


「俺は今世は、最後までお前を守れたんだって思えた。」


「お前に寂しい思いをさせずに済んで良かったよ。」


「お前は、元気なまま死ぬって言ってたから、最後まで思い通りの人生だったな」


「……まだ、実感がわかないんだ。」


「後追いはしないけど、寂しいなあ。」


「…愛してるよ。ずっと」


「近くだろうが遠くだろうが、どこだろうが、また、お前に会いにいくよ」


―――


アリエの死後、翌年、エリクも老衰により亡くなった。


子どもたちはエリクが亡くなった後に、アリエとエリクが死去したことを世界に伝えた。


2人の見送りをしたいという数多の人がいたが、葬式がどこで開かれたのか、お墓がどこなのか、誰も見つけることができなかったので、実は2人はまだ生きているのではないかと言われた。


2人は早々に引退していたので、みんな若い頃の彼らしか知らない。


それでも2人は、永遠に偉大な人として記憶されることになる。


2人のお墓はハルカナ村に置かれた。



なんとこれも心許りで、こころばかり、らしいですよ!いや〜知らんかったなあ


Let me go home!家に帰らせて!

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