43.第十四章 桜の宝石箱やぁ〜
雪辱を果たす?晴らす?
屈辱を晴らす?果たす?
汚名をそそぐ?すすぐ?晴らす?
そんなこんなで俺たち2人が出場する「武」は一旦準決勝まで進み、他の競技が進行する日程になった。
アリエのみ出場する「癒」だ。
「さあさあ!初日からアリエ・ルート魔法使いとエリク・ファウンド魔法使いが未だ四大君以外成し遂げなかったという壁の破壊をした今大会!今日からは『癒』の競技だあーー!」
わあああああ!
「今大会の『癒』は、種をどれだけ芽吹かせることができるか!芽吹いた種の数や、成長具合等が採点に入ります!」
「では、本日の出場魔法使いを紹介します!」
アリエが出る「癒」は、今回は無生物ではなく、生物の癒し度合いの点数比べになるようだ。
種の当たり外れ等運も左右されると思われるが、ソメイヨシノは全く同じ木なんだとどっかで聞いた。
それにソメイヨシノでなくてもクローンなら魔力が膨大なものが使い続ければ全く同じものが出来上がる。
ということで、俺は運営委員会に魔力を少し譲渡して献血ならぬ献魔をして桜――ソメイヨシノのクローン作りまくって同時に枯らしたものを今大会に向けて作ったのだ。抜かりはない。
この「癒」も事前に順番が決まっており、有力魔法使いほど後者になる。よってアリエは最終癒し魔法使いだ。
他の魔法使いは、たくさんの木々を全て蕾まで成長させることで、調整力をアピールしたり、特定の一本を瞬間的に成長させて桜を咲かせたりしていた。
有力魔法使いの中には、全部の木を咲かせることをした者もいて、歓声が沸いた。
「そして最後は…アリエ・ルート魔法使い!!」
わあああああ!!
「全部の花を咲かせたハルノ・サクラ魔法使いが今大会「癒」のトップです!さて、どうなるのでしょうか!」
今大会、最初の大会と同じでサクラが大々的に「癒」の競技に使われているため、桜に関わる曲がたくさん流れた。
こふくろうの桜や血盟師のさくらやいきものばかりのSAKURAや、河口恭悟の桜や、森山直太郎のさくら独唱や、レミオロマンのSakura、百代目JSBのS.A.K.U.R.A.に、砂嵐のサクラ咲ケ、キットカッタのCMに使われた北のきいのサクラサク…
アリエ・ルートが選んだのは…琴で聴くことのある『さくらさくら』。
「ほう…この曲は…聴いたことがありませんね。」
「もしかしたらアリエ魔法使いがエリク魔法使いと共同で活動している監督業中に復元した曲なのかもしれませんね」
アリエは琴のリズムに合わせて死に絶えた桜を桜の花弁の形に魔法で並べる。
桜柄の振袖を着て番傘を持ち真ん中に立っているアリエは曲の調子が速くなっていくのに合わせて桜を蘇らせる。
暁の魔法使いと同じで、枯れ木から、満開にさせて…誰もが感嘆した。
そして、琴の演奏が終わると、新しい曲となった。
番傘を開いたまま、逆さにして、その上に座るアリエ。
アリエはどこからか引き寄せたリコーダーで東京ディズニンアソート35周年のパレードの時の曲、ハピネスイズヒーリングの最初の伴奏を弾き、乗っている番傘は宙に浮き始める。
満開の桜が竜巻状になり景色が見えなくなる。
そしてサビが始まった瞬間、桜は爆発し、木々がくっつき、まるで一本の木のようになり、どんどんそのまま成長していく。
そのまま歌いはじめる。
歌っている間にも、桜はどんどん成長し、また満開になり、香りは強くなり、キラキラとしたエフェクトまでかかっている。
今度の桜は花びらで散っていくことはなく、一つの花で落ちていく。
アリエは声をかけていく。
「花を食べてみて!」
「おいしーい!!」
「花をちぎってみて!」
「キラキラ光って消えていく!!」
「桜の葉っぱを頭の上に乗せてみて!」
「わあ!わたし男の子になってる!」
「ぼくは女の子になった!」
そして最後に、アリエは木の一番上に立ち、フィナーレをした。
わああああああああああ!!!!
「さ、桜の宝石箱やあーー!」
この「癒」は、伝説となった。
暁の魔法使いであった前世は、上が見えないブルジュ・ハリアップも真っ青の一番先が分からない大樹にまで成長させたので、今回は会場に収まる建物の高さの100メートル以内なので、どちらが勝ちとかはない。
その時も花びらは様々な色の桜だったり、桜の花が巨大化したりしたらしいし、
ぶっちゃけその時は対比としても音響が良すぎた。
他の出場者がまだ拙い演奏曲も多い中
実は四大君の出場競技は、ウィーンフィルハーモニィにも負けない実力の俺たちの前世の故郷の人達が会場に来てくれて、演奏していたのだ。
暁の魔法使いの「癒」の時は、カービーのエアライダーのメドレーや、大乱痴気スマブラDXのカアビィの夢の泉など演奏したらしいからな。
まあ音楽の重要性がわかっておらず、BGMなしや、音楽があってもレベルが成熟していないことに対しての比較ができることで、俺たちは努力の大切さを知らしめたかったのかな…と思ったのだが、暁の魔法使いの日記によれば目立ちたかっただけらしい。
また、勝手にアレンジされるのはそれが良いアレンジだとしてもよく思わないこともあること。
だから結局、勝手に演奏することも憚られた。
じゃあ唐突にお願いしても構わないよと許可を出せばというかもしれないが、その人たちにはその人たちの演奏があるし、俺たちはまだまだ世界を統一したばかり。威厳が大事だったのでそんなことは許可できない。
ということで比べられるものではないものがあった故に、後々ロゼとしての「癒」と、アリエとしての「癒」は、誰にも超えられない二大「癒」演目となった。
雪辱を果たすと、屈辱を晴らす、汚名を雪ぐ(そそぐorすすぐ)が正解とのこと!
イメージとしては、
雪と晴れで天気用語が重なったら×
雪=白い、キラキラ + 辱=悔しい思い
果たす=やり遂げる、〜に成る
悔しい思い(辱)が白(雪)に成る(果たす)
→やり返す
だから雪辱を果たす
屈辱を晴らすは、果たすの意味を考えたら「ん?」となります!
果たす=やり遂げる
屈辱を果たす=屈辱をやり遂げる←どうした
屈辱を晴らす=屈辱をお天道様にする(表に向けられるようになる)
だから屈辱を晴らす!
汚名を晴らす←汚れは晴れたところで乾くだけで綺麗にはなりませんね。水で綺麗にすすがないとです。




