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半竜皇女~父は竜人族の皇帝でした!?~  作者: 侑子
第一章

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お披露目パーティの準備


「お披露目パーティ?」

 

 勉強を始めてから二日後、メリアンから母やわたしのお披露目パーティが夜に行われると教えられた。

 

「はい。ですから本日は、午後の授業はお休みです。今から、キアラ様をとびきり美しく着飾らなければなりませんから!」

 

 リリアンがグッと拳に力を込めた。

 

 ……そっか。確かに、皇帝の結婚相手とその娘なんだし、ちゃんと大勢の人たちにお披露目しないといけないわよね。

 

「そうなのね。でも、どうして着飾るために午後の授業を休むの?」

 

 午後の授業の時間は、それほど長くない。おやつの時間になれば終わるので、パーティが夜ならば、それから準備しても十分に間に合うはずだ。

 

「何をおっしゃるのですか! 今日のパーティは、陛下の復帰やつがい様との結婚を発表する場であり、またキアラ様のお披露目の場でもあるのですよ?」

「長らく行方不明だったという陛下のつがい様と皇女の存在が明らかになったのですから、大勢の方に注目されます。いつもより気合いを入れて着飾らなければいけません!」

 

 メリアンとリリアンが、怒涛の勢いで熱弁した。とてもやる気に満ちている。

 

「そ、そうなんだ……。でもお披露目って、わたしは何をしたらいいの?」

「昨日習っていらした最低限のマナーを守りながら、陛下たちのおそばでニコニコとしていらっしゃれば大丈夫ですよ!」

「キアラ様の愛らしさに、みんなが虜になること間違いなしです!」

 

 ……そ、そうなのかな?


 よくわからないが、特にしなければならないことはないらしい。だから、二人もこうしてその日に言ったのだろう。

 

「あの、わたしも出るのでしょうか……?」

「はい。セラ様は、キアラ様の側近候補としての参加となります!」

「セラ様のドレスも、きちんとご用意しておりますよ!」

「わ、わぁ……ありがとうございます。緊張します……!」

 

 セラがそう言って胸を押さえている隣で、わたしは、パーティってどんな感じなのかな、と少しワクワクしていたのだった。

 

 

 

 ◇



 夜が近づき、わたしとセラはお昼の洋服よりもっと華やかなドレスに着替えさせられた。

 

「わぁ~、すっごく綺麗!」

「こ、こんな服、わたしが着てもいいんでしょうか?」

 

 セラがそう思ってしまうのも仕方ないと思えるほど、わたしたちが着ているのは、キラキラした高価そうなドレスだった。

 

 ……このリボンの真ん中についてるのって、もしかして宝石かしら?

 

 やたらと存在を主張する赤い石を、まじまじと見てみる。領主の指輪についていたものよりかなり大きいし、綺麗な気がした。

 

「陛下のご命令で用意したものですから、当然問題ありませんよ。お二人とも、とてもよくお似合いです!」

「はい。お二人とも、本当に可愛らしいです!」

 

 メリアンとリリアンが、手放しで褒めてくれる。

 わたしたちは、お互いの格好に視線を向けた。

 

 セラのドレスは、クリーム色に白のレースがところどころにあしらわれたドレスだ。繊細な雰囲気が、セラによく似合っていた。

 わたしのドレスは、白とピンクの生地に赤のリボンを使ったドレスだ。セラのものより華やかに見えるのは、きっと気のせいではないと思う。

 しかも、髪型までいつもより丁寧にセットされている。細いリボンが編み込まれていて、とても可愛い。


 ……でも、お昼に着ていた洋服より、ずっと動きにくいのも間違いないわ……。

 

 それに、お昼からお風呂に入って色々と塗りたくられ、気持ちよくて眠くなってしまったのにお昼寝できる状態ではなかったので、頑張って起きていたら疲れてしまった。


 お腹も空いているが、パーティではごはんを食べられないらしい。ちゃんとパーティを乗り切れるかどうか、ちょっと心配になってきた。


 ……それに、わたしが皇女だって、ちゃんとみんなに認めてもらえるのかも心配なのよね。

 

 わたしは、見た目が竜人族っぽくない。

 父はわたしが娘だとすぐにわかったと言ってくれたけれど、他の竜人族はどうだろうか。それが少しだけ不安だった。

 

 ……クロもそばにいてくれたら良かったのにな。


 セラが一緒なことは嬉しいが、いつも頼りになるクロがいないのが寂しい。


 でも、パーティにプーニャは連れて行けないらしい。だからクロは、今回のパーティはお留守番なのだ。


 ……仕方ないわよね。よし! 最近、なんだかクロの元気がないような気もするし、何か美味しそうなものをお土産に持って帰ってあげようっと!

 

 そう意気込んだわたしは、メリアンたちに促され、セラと一緒に歩き出した。


 もうすぐ、わたしたちのお披露目パーティが始まろうとしていた。

 

 

 

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