表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/40

13.圧倒

13.圧倒



「ふ……ふざけんな! ふざけてんじゃねえぞマモルううぅぅ!」


 ダイトは怒り狂った。


「オレたちがお前を殺そうとした? それがどうしたよ!? お前は今、生きてるじゃねえか! お前が生きてるんだから、オレたちはお前を殺してない! それで丸く収まってるだろうがよ!」


「……そんなわけないだろ」


 僕はあきれた。

 ダメだ。

 コイツの思考は、ボクには理解できない。


「なぜだ!? 私たち勇者パーティーを救えば、多大な功績になる! お前の得にしかならないはずだろう!?」


 サリィのわめきと。


「そうだよ! 大聖女さまを救った英雄でーす! って感じで、ごほうびがたーくさんもらえるはずだよ! ねっねっねっ!」


 シャルロッテの訴えにも。


「……そういう問題じゃないだろ」


 僕はあきれた。

 前言撤回。

 コイツらの思考は、ボクには理解できない。


「ほかをあたってくれ。それじゃ」


 騒ぐ連中の横を、すり抜けようとすると。


「……仕方ねえな」


 ダイトが暗い声を発した。

 かと思うと。


「そういうことなら、イヤでも解呪したくなるようにさせてやるよ」


 ダイトが聖剣を抜き。


「痛めつけてでも、な」


 サリィも魔剣を抜いた。

 さらに。


「聞きわけのないおバカさんには、おしおきが必要みたいだねぇ」


「愚かな人ですね♪」


 シャルロッテが聖杖を、ツカサが魔杖を構える。


 動揺はない。

 そう来るだろうと、予想はできた。


「ムダなことはやめた方がいい。アンタらじゃ、今の僕の相手にはならない」


 連中に忠告すると。


「はぁ?」


 ダイトが、ヘラリと笑った。


「おいマモル。テメエ、なめてんのか? 頭がイッちまってんのかよ?」


 それはアンタの方だろと、心の中でつぶやく。


「力の差をわかってんのかよ!? ただでさえ4対1だぜ? しかもオレたちは『勇者パーティー』で、伝説の武器持ちだ! テメエに勝てる要素なんか、何ひとつねえよ!」


「一応、もう1回だけ言っておく」


 ダイトの話をスルーして、僕は繰り返す。


「ムダなことはやめた方がいい。ケガをしたくなければな。力の差は、圧倒的だから」


「テメエ……テメエよおぉぉ……!」


 ダイトは僕をにらみつけると。


「なら、とっととオレにケガさせてみろやああああぁぁ!」


 ブチ切れながら、聖剣を手に突っ込んでくる。

 同時に。


「解呪師ごときが! 剣聖サリィをナメるなああぁぁ!」


 サリィがダイトに併走、魔剣を振り抜く。

 連中の動きに合わせ、僕も動いた。


 

 バキィ! ドガッ!



「うごおおおおおおおおぉぉ!?」


「ぐああああああぁぁ!?」


 ダイトとサリィが吹っ飛んだ。

 僕のストレートがダイトの顔面に炸裂し、キックがサリィを弾き飛ばしたのだ。

 聖剣と魔剣は、僕にカスリもしていない。


「ぎゃああああぁぁ!? い、イデええええぇぇ! イデエよおおおおおおぉぉ!?」


 ダイトは顔面を押さえ、ゴロゴロ転げ回っている。


「うぅ……な、何だ……!? 何が起きた……!? ぐうっ……」


 サリィは混乱した様子で、身を起こそうともがいていた。


「ウソ!?」


「なっ……!?」


 シャルロッテと、ツカサの顔も引きつっている。

 そんなふたりに向かい。


「テメエら! 何を突っ立ってやがんだよ! とっとと魔法で仕留めちまえ!」


 ダイトの声が飛ぶ。


「わ、わかってるよ! シャルちゃんに命令するなって言ってるでしょ!」


「コイツ、どこでこんな力を……?」


 シャルロッテとツカサが呪文を唱え出した。

 ならば、コレだ。


「いにしえの勇者たちよ! 僕に力を! サイレント・フィールド!」



 ピキィン!



 鋭い音が響いた。

 やや遅れて。


「ダーク・ホーリーシュート!」


「レッド・クリムゾン!」


 シャルロッテとツカサが叫ぶが。



 シーン……。



 何も起こらない。


「あ、あれっ? あれれ? あれれれれ?」


「えっ!?」


 慌てるふたりに、僕は告げる。


「周囲に魔封じの結界を張った。この結界の中で、魔法は使えない。僕が敵とみなす相手限定で、な」


「ウ、ウソでしょ!? 何で!? どうやって!?」


 シャルロッテは慌てふためき。


「そんな馬鹿な!? アタシの魔法を、ただの人間ごときが封じる!?」


 ツカサは、驚愕の表情を浮かべた。

 そんな中で。


「クソッタレがぁ……!」


 ダイトは聖剣を杖替わりにしながら、身を起こした。

 そんなダイトに、僕は告げる。


「わかっただろ? 力で従わせようとしてもムダだ。これ以上続けるなら、こんなものじゃすまさない」


 僕は忠告したが。


「ふざけんな……ふざけんな……ふざけんな……!」


 ダイトは、鬼の形相で僕をにらんでくる。

 『封印の塔』で見せていた余裕は、まったく感じられない。

 まるで、追い詰められた獣みたいだ。


「ふざけんな……ふざけんああああああぁぁ!」


 ダイトは吠え、僕に向かって突っ込んでくる。


「うああああぁぁ!」


 逆サイドからは、サリィが駆ける。

 シャルロッテとツカサも、こりずに呪文を唱えようとしていた。


「忠告は無視、か」


 なら、仕方がないな。


「いにしえの勇者たちよ! 僕に力を! ロック・スプレッド!」


 僕の宣言で。

 連中の頭上に、こぶし大の岩が降り注いだ。


「うおっ――」

 


 ゴンッ! ガンッ! ゴンッ! ガンッ!



「ぎょべっ!?」


「ぐあっ!?」


「うきゅっ!?」


「あうっ!?」


 岩は、連中の後頭部を直撃した。

 そのまま連中は、バッタリと倒れて動かなくなる。


「……こんなもんか。『力』を守るために、殺すわけにはいかないしな」


 『力』に覚醒したときの謎の声を、僕は忘れていない。



『ただし。あなた、もしくはあなたのパーティーメンバーが人間を殺めた場合。手にした力は失われます』



「ある意味、やっかいな制限だな。まあこんなゲスと戦う機会は、めったにないと思うけど――」


「おい! こっちだ!」


「ん?」

 

 遠くから、兵士の集団が近づいてきた。

 僕が素早く、物陰に身を隠すと。


「見つけたぞ!」


「例の勇者……いや! 犯罪者どもに間違いない!」


「とっとと城に連行するぞ!」


 兵士たちは、手早く連中を捕らえると。

 そのままずるずると、引っ張っていく。


「うーむ……?」


 よくわからないけど……。


「僕の件以外にも、やらかしてて。それがバレたってこと……なんだろうな」


 まあ、ともかく。


 一度不覚を取った連中を、返り討ちにできた。

 『勇者パーティー』と呼ばれるヤツらも、今の僕の敵ではない。

 今回の結果は、僕に多少の満足感をもたらした。


 でも。


「こんなことで、満足してる場合じゃない」


 そう。

 だって。


「僕の目的は。10年前、僕のすべてを奪った犯人に復讐すること、なんだから」




ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


「おもしろかった!」「続きが気になる!」

と少しでも思っていただけましたら、大変お手数ではあるものの、

ちょっとだけ下の『☆☆☆☆☆』欄から、作品の応援をお願いいたします!


おもしろかったら星5つ『★★★★★』、つまらなかったら星1つ『★☆☆☆☆』

ストレートな評価が励みになります!


『ブックマークに追加』も『オレンジのボタン』からいただけますと、

本当にうれしいです!


それでは引き続き、次話もよろしくお願いいたします!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 殺しちゃ駄目ならせめて四肢ぐらい捥いどけばいいじゃんw んで傷口は火で焼けば出血死しないし、それならルール違反じゃないでしょ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ