まいったね、こりゃ 1-7.5
間章 カタログスペック+紹介
「まぁ、こんな所かな」
そう言って俺は一息ついた。スカーレル海賊団を少マゼラン王国に引き渡して2週間が経ち、平和な航海をしている。クルー達もあの戦闘での疲れを癒やしつつ、まったりとした時間が流れているのだが、艦長室はそうでもなかった。
なぜなら数十年間、誰も倒せなかったあのスカーレル海賊団をたった40隻の艦隊が倒したのだから、自分の所に引き入れたいと考える貴族たちがたくさんいるからだ。その上、1500人分の福利厚生などの事務仕事を手伝ったり、技術班との新規参加の軍艦をどうするか、という議論に参加したりしていたため、最初の1週間は休む暇がなかった。
それらの仕事が粗方終わったため、一息ついて背伸びをした。
「お仕事、ご苦労様です」
「どーも」
そう言って、艦長室にいた少女が出した紅茶を飲んだ。俺は、気の抜けた顔で紅茶を飲んでいると少女が聞いてきた。
「あの、今回の仕事ってそんなに大変だったんですか?」
艦長付きの少女、エルビラは今年で12歳になるそうだが幼い頃に両親を失い、その後にあの海賊団に攫われたらしい。しかし、攫ったはいいが買い手がいる訳でもなく、攫った奴らは困り果てて結局、育てる事になった。
そして数年が経って、俺達が助けたはいいが身元引受人がいないため、俺達で養う事になった。幸い、彼女は生活部門で手伝っていた事もあり、ある程度手助けしてくれる事になった。
しかし、物覚えしからあまり時を置かずに攫われたため、外の世界を知らない。そんな彼女に俺は優しく話す。
「そりゃあ、大変だったさ。なにせ、予算の兼ね合いだからね」
「兼ね合い、ですか?」
「そう。例えば・・・」
ぶっちゃけた話、いくら強力な艦隊を保有している俺達でも、依頼に応じた報酬がないとやっていけないのだが、大きい依頼がそうある訳ではないので収入が一定ではない。そのため、最低でも半年もの未来を見据えて行動しないと破産してしまう可能性が高い。
特に、比較的新しく立ち上げた俺らみたいな新規の艦隊は根を張れる地域がないため、戦闘などに対してはどうしても慎重になってしまう。今回はサナダ達の技術の結晶がうまく行ったから良かったものの、あれがなかったら大損していただろう。
そうでなくても、今回は思っていた以上の収入がなかったため、各部署の要求とのすり合わせはかなり大変だった。それだけ、あの戦闘はクルーを消耗させていたのだ。
「ほえぇ、大変だったんですね」
「その苦労に似合った増強ができたのだから良しとしますかねぇ~」
名声値のランキング1500位以内に入ったことに加えて、改めて俺達の艦隊を白鯨艦隊と名乗ったため、合計40隻もの軍艦をそのまま増やす事ができた。だが、それではつまらない、という意見が多数出たため、ランクアップしたついでに増やす事にした。結果、現在は120隻の大規模艦隊になった。
その内訳と性能は以下の通りである。
大型高性能航空戦艦×4、高速戦艦×10、大型空母×4、大型工作艦×4、超大型砲艦×2、大型巡洋艦×40、大型駆逐艦×56。
【艦種:ミーナ級大型高性能航宙戦艦】【艦名:ミーナ】
LV:1/90 装備重量88000/90000 HP:8000 MP:6000 攻撃力:20000 防御力:18000 速度:35ノット
固有スキル:エネルギー転換システム、物質転換システム、レーダー能力上昇【大】、レーダー逆探知システム上昇【大】、鑑定9、立体機動上昇【大】、ダメージ軽減上昇【大】、艦隊指示、艦隊運動、艦載機指示、人心掌握
スキル:全門斉射、連続発射、立体機動、一撃離脱、ダメージ軽減、広範囲索敵、ダメージ・コントロール、ステルスモード
固定武装:200cm単裝レーザー砲×2 100cm3連装レーザー砲×12 51cm3連装レールガン×20 VLS×256セル 12.7cm3連装対空レールガン×20 4連装ガトリング砲×250 電磁フィールドⅤ 航宙機×100
居住区:司令室Ⅴ、第二艦橋Ⅴ、統合火器管制室Ⅴ、対空迎撃室Ⅴ、対艦迎撃室Ⅴ、レーダー哨戒室Ⅴ、全天観測室Ⅴ、乗員船室Ⅴ×4、艦長室Ⅴ、全天展望室Ⅴ、メインクルー食堂Ⅴ、食堂Ⅴ×2、医務室Ⅴ、機関Ⅴ、保安局Ⅴ、主計局Ⅴ、シップショップⅤ、自然ドーム、貨物室Ⅴ×2、研究室Ⅴ、整備室Ⅴ×2、格納庫Ⅴ×4、解析室Ⅴ、スポーツドームⅤ、作戦室Ⅴ
【研究ポイント:2000】
【同型艦:ティア、ミズーリ、レナウン】
【補足】
大型化していく戦艦の中で、様々な任務に対応するために造られた9万t級の大型戦艦。高速で航行できる他、スラローム射撃や艦宙機も大量に保有しているため、艦隊旗艦や空母の代替としても使われる。
【艦種:インテグラSGC級高速戦艦】【艦名:インテグラ】
LV:1/70 装備重量45000/45000 HP:4000 MP:3200 攻撃力:15000 防御力:12000 速度:40ノット
固定武装:100cm単裝レーザー砲×4 80cm3連装レーザー砲×16 35.6㎝3連装レーザー砲×20 VLS×128セル 12.7cm3連装対空レールガン×204連装ガトリング砲×60 艦宙機×80
居住区:格納庫Ⅴ×8、整備室Ⅴ×2、貨物室Ⅴ×2
【同型艦:ベレッタ、マカロフ、シグマ、バラーム、レパルス、シャルンホルスト、ティルビッツ、ガングート、オクラホマ】
【補足】
ミーナ級戦艦を元に、武装と装甲を強化した戦艦。しかし、強化した分の重量を補うだけのエンジンの強化をしなかったため、45ノットから40ノットにまで低下している。ミーナ級大型戦艦と同様に、空母の代替として造られたため、艦宙機を多数搭載している。
【艦種:エストックSGÇ級大型巡洋艦】【艦名:エストック】
LV:1/50 装備重量35000/35000 HP:2000 MP:1500 攻撃力:10000 防御力:8000 速度:45ノット
固定武装:51cm3連装レーザー砲×20 20.3㎝3連装両用レーザー砲×12 VLS×128セル 4連装ガトリング砲×60 艦宙機×50
居住区:格納庫Ⅴ×2、整備室Ⅴ×2、貨物室Ⅴ×6
【同型艦:キャンベラ、セントヘレナ、トレンド、セントポール等】
【補足】
インテグラ級巡洋艦を元に、機動力と攻撃力を底上げしたバージョン。80cmの主砲を撤去したため、瞬間的な火力は低減したが、それを補って余りある戦闘力を得た。
【艦種:ウラニアSGÇ級大型駆逐艦】【1番艦:ウラニア】
LV:1/25 装備重量15000/15000 HP:1200 MP:1000 攻撃力:6000 防御力:4500 速度:45ノット
固定武装:35.6cm3連装レーザー砲×8 12.7㎝3連装レーザー砲×8 VLS×96セル 4連装ガトリング砲×12 艦宙機×20
居住区:格納庫Ⅴ、整備室Ⅴ、貨物室Ⅴ×2
【同型艦:セラス、ラングラー、ネリッサ、イカロス等】
【補足】
これまでの駆逐艦の一つの研究成果。高性能の武装、防御力と軽さを極限まで高めた装甲、最大速度で電磁フィールドを全力で展開できるエンジン。研究者達の夢が実現した駆逐艦。
【艦種:センチュリオン級超大型砲艦】【艦名:センチュリオン】
LV:1/99 装備重量90000/90000 HP:5000 MP:35000 攻撃力:100000 防御力:80000 速度:35ノット
固定武装:30m単装レーザー砲×6 15m単裝レーザー砲×4 100㎝3連装レーザー砲×36 20.3cm3連装両用レーザー砲×128 4連装ガトリング砲×640
【同型艦:ミリオン】
【補足】
対陣地攻撃を重点的に強化した結果、その火力で惑星をも破壊しかねないほどの強力なものになった。そのため、普段は砲口を蓋で塞ぎ、伸縮システムによって折りたたんだ状態で航行する形に落ち着いた。
【艦種:アメリア級大型戦闘空母】【艦名:アメリア】
LV:1/80 装備重量80000/80000 HP:3000 MP:8000 攻撃力:15000 防御力:8000 速度:35ノット
固定武装:航宙機×270 51cm3連装レーザー砲×4 20.3㎝4連装対空砲×10 4連装ガトリング砲×60 VRS×128
居住区:格納庫Ⅴ×3、整備室Ⅴ×2、貨物室Ⅴ×4
【同型艦:ホーネット、ハンコック、フランクリン】
【補足】
艦宙機による攻撃に重点を置いた空母ではあるが、砲火によって最低限の攻撃できる。300機近くもの艦宙機を収容し、効率よく着発艦させるために3段式の飛行甲板を並行に2つ持つ。
【艦種:クルリ級大型工作艦】【艦名:クルリ】
LV:1/50 装備重量60000/60000 HP:6000 MP:15000 攻撃力:3000 防御力:9000 速度:40ノット
固定武装:80cm3連装レーザー砲×4 20.3㎝3連装両用レーザー砲×8
居住区:整備室Ⅴ×10、貨物室Ⅴ×16
【同型艦:オーシャン、パーシューズ、グローリー】
【補足】
小型であったクルリ級工作艦を、ミーナ級大型戦艦の設計図を元に発展、拡張させた。そのため、1隻あたり5隻以上の戦艦を完全修復可能で、応急修理なら30~40隻は可能。
こうしてみると、俺達の艦隊はかなり騒がしくなってきた、というより、賑やかになってきたな。120隻の大艦隊になると入港費だけでも馬鹿にならないと思われがちだが、宇宙港で受けられるサービスは全て無料であるため、さほど気にしなくていい。だが、全ての艦に人を乗せるとなると大変な事になる。
それは、人件費だ
実際に俺がいた世界の軍隊でも、一番お金が掛かるのは人件費だという。理由としては、1人の戦闘員をサポートするのに最低でも数10人の人手が必要なのが原因だと言う。そのため、とある超大国の軍隊ではその費用を抑えるために民間軍事会社にサポートを委託しているらしい。
大規模な軍隊ですらそうしている国があるというのに、収入が不安定な俺達が大量の人を乗せるとどうなるか。子供でも分かる結果が見えている。
そういった事から、暫くは艦隊旗艦である俺にだけ乗せて必要に応じて、それぞれの艦に人材を派遣する方法を採用していく予定だ。
そんな訳で、各部署にどういった人がいるのかを記述していく。
艦長 ミーナ(俺)
艦長付き エルビラ
砲雷科 200人
砲雷長 ミッチャー
砲術長 クラウディア(船務科より異動)
ミサイル長 アヤノ
船務科 250人
船務長 カレン
船務士 サティ
レーダー長 ルナ
レーダー手 リーナ
通信長 ポプリ
オペレーター長 ヘレナ
航海科 125人
航海長 ウォルフ
航海士 リン(整備科より異動)
技術・開発科 25人
技術長 サナダ(副長を兼任)
技術士 クロム
機関科 70人
機関長 トクガワ
応急修理長 ラッシュ
衛生科 30人
衛生長 サド
衛生士 フラン
整備科 200人
整備長 ギレン(技術科にも顔を出す)
整備長補佐 ライラ
主計科 50人
主計長 ヴァレリ
主計長補佐 メーリン
生活科 150人
生活長 トム
生活長補佐 シオン
保安科 200人
保安長 チハ
保安副長 ハイネ
飛行科 0人
飛行長 未定
飛行副長 未定
合計 1300人
まぁ、こんな所だろう。
戦艦だった頃は1500人だった人数も、大型戦艦になってから200人ほど減っているのは自動化の波と一緒に、嫌気が差したクルーや足手まといになってしまうクルーを解雇したためだ。
無論、これが最大の人数ではなく、700人ほどの空きがある。理由としては、まだ飛行科のクルーが正式に決まっていないのが大きい。
艦宙機が100機搭載できるのだが、一人乗りの戦闘機だけではなく、二人乗りの攻撃機や複数人が乗る給油機やレーダー哨戒機をも載せているため、その人数の確保がまだできていないのだ。
そのため、今後は航宙機に乗った経験のある人を中心に集めて行きたい。
作者の八雲武です。
軍艦物のSFって、状況説明のために色々と書かないといけないから混乱しやすいと思うんですよ。(自分の場合、説明しきれていない所もありますが)
そのため、状況整理するために間章としてその第1弾を書きました。
拡張された白鯨艦隊に加わっている軍艦は何なのか、とか、艦隊旗艦ミーナに乗っている乗員の配置なんかをわかってくれたらいいな、と思っています。
それと同時に、ここをこうしたらいいんじゃない?等の評価をしていただけると、うれしいです。
それでは、また来週お会いしましょう。




