ある日突然に0096
俺が説明していると、学院長先生とティナ先生が…固まってるよぉ?
何で?
すると2人のヒソヒソ声が聞えて来る。
風の精霊の御節介かな?困ったものですが…
「学院長、知ッテマシタ?」
「イエ、初耳デスワネ」
そんな事を小声で話してるんだが、これこそ降臨界にて開発した新たな技術なんだから知らなくて当然なんだよね。
しかし2人はある意味では凄いかも…ポーカーフェースで周囲に悟られない様に話してんだぜぇ。
まぁ、取り敢えず…2人の事はスルー、スルーってな。
何か?
「そして…この度にて使用する予定のインクなのですが、降臨界にて新たに作り出した薬学と練成学を使用したハイブリッドインクなのです」
そう、俺が降臨界にて新たに創りだした新たな方式であり学問でもあるんだ。
この新たなるジャンルへと足を踏み入れた時、各界の研究者である方々が阿鼻叫喚と化したのは記憶に新しい。
うむ、良い仕事をしたぜってな。
それをなのだが、既存の学問は独立独歩の道を歩んでいたのを合わせたに過ぎない。
ってもな、この合わせるっうのが結構難しかったりするんだが…
っと、説明、説明っと。
「様は薬学と練成学とを併用して新たな品を創り出すだけの事なのですが、私は共に最高品質に拘ってみました。
まずは薬学にて作り出すインク薬品ですが…神魔仙幻の4界より品を取り寄せ、その品を使用して作り上げております。
使用した素材を具体的に申し上げると時間が掛かりますので、植物や鉱石と液体などとさせて頂きます。
そして、それら精製しつつ調合し、1つ目のインクを作り上げたのです」
口では軽く告げたが…コレが大変でなぁ。
素材1つ1つの扱いが異なる訳よ。
例えば同じ種類の薬草でも世界が異なると扱いが異なるんだ。
例えば神界の薬草は清らかな水へ数日浸してから光のマナを注いで解して蒸し、それを擂り潰してから冷水にて時間を掛けて成分を抽出する。
これが魔界の薬草だと一気に乾燥させ粉々に粉砕してから弱火で炒った後で焙じてエキスを抽出な。
無論、仙界と幻界の薬草でも抽出方法は異なるんだ。
さっきも告げたが…これが同一の薬草なんだぜぇ。
1つの薬草でも世界が変わると扱いが異なる上、扱う薬草や木の皮や花など植物性素材は様々っとくる。
これへ鉱物性素材などもある訳だ。
抽出だけで、この手間が必要なのにだ…これを適切に組み合わせ調合せねばならないときた。
気が狂う程の組合せを延々と根気良く試して、初めて作り出せた最高品質のインクなんだ。
いや、正直もう二度と行いたくありません…白目。
それに比べたら練成術の方は楽だったと言えよう。
「そして練成術の方ですが…此方は神界や魔界では一般的な技術を応用したに過ぎません。
まず全ての物はマナから構成されている訳ですが、マナは通常は希薄な気体の様な形で存在しています。
ただし普通の気体などと異なり適切に制御されないと操れず液化や固化しない存在です。
そのマナを操る技術の1つが練成術な訳ですが、この練成術にてマナを液化した訳です。
具体的に申しますと、マナを練成術にて集め圧縮し液化したのです。
御存知とは思いますが、液化の際に気を付けてマナの圧縮を行わないとマナが結晶化して固体となりますので留意が必要となりますね」
いやぁ、この液化を身に付けるのが厳しかったんだよなぁ。
下手をすると液体に固化したマナの結晶が混ざったりして失敗するからな、大変だったよ。
「そして液化マナですが、マナ含有率が高い液化マナ程にマナ伝導率の高い液体となります」
そう、そうなんだが…
このマナも曲者なんだよなぁ。
各界にて微妙にマナの性質が変わっていたりする。
いや、マナはマナで本質は代わらないのだが、マナへと属性が宿っていると言えば良いのか?
これが現界を含む5界にて性質が異なるときた。
それぞれのマナを液化マナとして適切に調合して新たなる液化マナを創ったりしたもんだから、研究者が知って卒倒したりな。
いや、その、すんまそぉ~んってな事もありましたとさ、めでたぁ~しぃ、目出度し。
「この様にして作り出した薬学インクと練成インクの2つを練成調合致します」
そして…最後の難関が、これだった訳だ…もう本当に白目ってな。
マジで気が狂う思いで調合って感じだったんだからなっ!
「この作業にて作り出すと、そのインクは半永久的に使用できる優れた物となるのです。
このインクですが、床へと流した後でマナを流しつつイメージをインクへとマナ伝導させれば陣が自動で構築されると言う優れものです。
そして液体の練成時にある性質を付与した事で、キーワードを告げてマナを流せば液化する性質を持たせてあります。
この液化キーワードとは別に固化キーワードも用意してありますので、そのキーワードを唱えると永久的に定着した侭となる訳です。
更にインクがマナ伝導率が高い為、空中のマナを自動で得ながら稼動するのです。
このタイプならば学院長先生のご懸念も晴れると思われますが…如何でしょうか?」
あの凄絶なる苦労を経て作り出したインクの性能…これは誇って良いと思います。
っか、何度途中で投げ出そうと思った…いや、投げ出したか。
その度に研究者の方々に捕まって研究へ従事させられました。
児童虐待反対れす。
まぁ、そんな苦労はあったが、それは此方の話しだから伝える必要はあるまい。
取り敢えずは説明を終えた訳なんだが…話している途中で姫の狼狽振りが余りにも痛々しくてな。
途中から目を瞑って説明をしていたんだよ。
だから説明を終えて目を開けたんだが…
矢張り姫様はオロオロ、ワタワタと狼狽えており…他の皆さんはフリーズ中でした。
なじぇ?




