ある日突然に0090
さぁ、言う事を言ったからさぁ食事へと戻るべさ。
だってさぁ、オラ、腹減ってんだもんよぉ。
前菜、スープと続き魚のムースへ辿り着いた訳だけど…
食前のジュースから始まり前菜、スープまでを飲んだり食べたりする度に空腹が刺激され増すばかりってね。
魚のムースにて漸く腹に溜まり始めたっう感じでさぁ、もう、うまうまれす。
そしてね…俺の右横、王様の左横へ座っているファラール姫なのだけれど…
俺達の話しに付いて行けなくてワタワタしています。
いや、さぁ…このワタワタと小動物ぽいファラール姫って、異様に可愛いんだけど…
なんで、こうなったかは予測は付くんだ。
俺が告げた内容を理解しようとしたんだろう、多分な。
だが流石に5歳児に理解しろってぇのは無茶な訳で…
恐らくファラール姫も俺が告げる前は(大人が難しい話しをしていますわぁ~)っう感じで理解しようとはしていなかったんだろう。
けどさ、同い年の俺が七面倒臭く難しい話しを始めたから慌てたんだろうな。
理解したいけど分からない…(どうしよう)って感じか?
いや、普通の5歳児に理解するのは無理だからね。
っても、こういう場だから姫をフォローする様に話し掛けたりは出来んけどさぁ。
だから食いに逃げるっう訳、仕方あんめぇいや。
そんな事を思いつつ魚のムースを堪能していると…
「ううむ、これは…
リドマルクよ、どう思う?」
リドマルク?誰の事だろ?そう思っていると…
「陛下、名前で呼ばないで頂けますかな?」って宰相様が陛下を諌める。
ああ、宰相様の名前なのね。
納得していると宰相様が陛下へと自分の考えを告げている。
「そうですなぁ、真に斬新な意見だと思われますな。
まだまだ粗い案とは思われますが…解決策が全く無かった中にて光明を得た思いで御座いまする。
ガリル様に提示頂いた案を練り直せば実現可能なレベルへと昇華可能かと」
いや、宰相様?そんなに持ち上げても何も出ませんが?
あ、契約精霊を実体開放で出してたか…な?テヘペロ。
「ふぅむぅ…あの咄嗟の返答にて実に有意義なる案を提示しよるか…
侮れぬ小僧よのぅ。
うむむむむっ、これはアレも訊いてみとうなったぞぃ」
なんだか不穏な事を仰ってませんかねぇ。
っかさぁ…次の料理が来ましたよ、次がね。
お待ち兼ねの肉料理に御座いますよ。
給仕が料理名を告げてくるんだが…えっ、マジぃっ?本当に?
ガ、ガルラスのぉっTボーン・ステーキ、キタァァァァァァッ!
コレですよ、コレぇぇぇっ!
う~ん…香りだけでデェリィシャスゥゥゥッ!
早く食いたい、早く食いたいよぉぉぉぅ。
けど…ホストたる陛下が御口を付けて、初めて料理に口を付けれるのは変わらない。
いや、今迄の料理も、そうだったんだけどね。
陛下、陛下ぁぁぁっ!はよ、はよぉぉぉっ!
って思っていたんだけど…
「うむ、では尋ねるとするかのぅ」って、そんな事をね。
へっ?何を?っか、早く、ガルラスのTボーン・ステーキへ口を付けてつかぁーさい。
俺が食えんじゃねぇ~かぁぁぁぁっ!
って思っていると…陛下がね。
「ガリルよ、我が国の問題として奴隷問題がある事を知っておるかぇ?」っうご質問をな。
へっ?知っているけど…ガルラスのTボーン・ステーキぃぃぃっ…お預け?グッスン。
未練タラタラで俺は応える事に。
「え~、人族に対しての奴隷階級撤廃に於きましては、先陛下の時代に成された偉大なる偉業と成りましょう。
ですが人族が亜人族、獣人族と人族に非ずと蔑称にて呼ぶ人族の存在があります。
彼らも姿形は異なりますが、立派な人族に相違御座いません。
先陛下におかれましては、その者達への偏見及び奴隷扱いの撤廃も成されようとされておられたとか。
ですが道半ばにて崩御され、御意思は陛下に受け継がれたと聞き及んでおります。
陛下が申されるのは、この問題の事では御座いませんか?」
俺が告げると陛下と宰相様のみならず、皆様が感心した様に俺を見る。
そしてファラール姫は更にオロオロと狼狽える。
っか…いや、マジで可愛えーんでが、何、この生き物。
いや、相手は姫様だぞ、不敬だ、不敬、気を付けねばな。
感心した陛下が続けて問おうとされるが…横から宰相様が諌められてステーキへとナイフを。
おっ!おおおっ!そして御口へと…ヤッタァッ!解禁だぜぇっ!
時間が立ったからステーキが冷えたかと言うとだ、サラマンディルがシッカリ適温に保温してくれていた。
切れば滴る肉汁ってな。
頂きまぁ~すぅ、はむぅ、むぐむぐむぐ…もぐもぐ…ゴックンってな。
ああ、飲み込んじまったぁぁぁっ…
もっと噛んでいたかったのにさぁ。
ガルラスなんて滅多に狩る事が出来ない魔物なんだぞっ!
庶民どころか伯爵や侯爵など爵位程度しか無い貴族には通常口にする事が出来ない代物だ。
それが今、俺の口の中にぃっ!
っても、現界以外の4界の珍味は食い尽くしていたりするけどな。
逆に現界の食材は通常で手に入る物しか食した事が無いって事さ。
だから逆に珍しいのよねぇ。




