ある日突然に0085
陛下が驚いた顔で俺をマジマジと見ている。
宰相様はフリーズ中にて身動きしませんね。
あのぉ~…生きてますよ…ね?
辺りを見渡すと、謁見の間に居られる方々が石化した如く身動ぎ1つ致しません。
そんな中で陛下だけは俺を凝視しておられます。
流石は陛下ですが…そろそろ何か話して頂けませんでしょうか?
沈黙が、沈黙が痛いっす。
「ううむぅ…どうやら朕は、そなたを見誤っておったのやもしれぬな」
えっ!それって…どゆ意味?
もしかして、危険視されたとか?
早まったかぁっ!
「そなたを単なる幼子と考え対処を考えておったが…
その力ならば下手な者を寄せ付ける事もあるまいのぅ。
それに4大精霊様と契約であるか。
この様な話は初めてであるぞ。
して、召喚室に現れたと言う降臨界であったか。
そこの話をソナタへ尋ねたいのじゃが」
陛下から賜ると、そのタイミングにて宰相様の硬直が解けて陛下を諌められる。
「陛下、それよりも先に尋ねられる事がある筈ですが?」ってね。
いやぁ~、流石はプロですねぇ。
仕事に反応して硬直が解けるなんてさぁ。
そんな宰相様の諌めに応じた陛下が「お、おぅ…そ、そうであったのぅ」って言った後にね。
「ううん、その、なんじゃ。
先程の事の前に1つ尋ねとうてな。
ソナタの父であるゼネティスの鎧であるが…
あれは量産可能なのかのぅ」
んっ?なんで、そんな事を尋ねるんだろね?
「可能ではありますが…父以外の方には造りません。
あれは父だけが使える品であり、父以外へは贈る事は禁じられている品ですので」
そう応えると、何故かホッとした顔に。
「つまり他の者には造らぬ、そう考えて良いのじゃな?」
「ええ、将来、自分用に造るかもしれませんが、それ以外は無いです。
神、魔、仙、幻の各界の方々より禁じられておりますから」
そう告げると宰相様も安堵した様にホッと息を吐かれている。
どしたんだろね。
本来は此処ら辺でサラマンディル辺りが突っ込みの茶々入れがあるんだが…
生憎な事に実体開放中なんだよねぇ。
まぁ、あの鎧を量産してバラ撒いたら大事にはなるだろうけどさぁ。
そんな事して、俺にはメリット無いからね。
まぁ野心家ならば国を乗っ取るとかしそうだけど…
そんな面倒な事、ハッキリ言ってヤダ。
俺は人生を面白楽しく生きるのさ。
だって、死んだ後の事も知ってんだぜぇ。
そして…何故だか死んでも成仏できないって事もさ。
死んだら、また成仏探しの旅が待っているんだ。
だから生きている間は生を精一杯エンジョイしなけりゃ損だわさ。
そんなん思っていると、陛下と宰相様が、なにやら相談して…
「ふむ、この件は良かろうてのぅ。
して、ガリルよ。
先程の話しに戻るのじゃがのぅ。
降臨界であったか…あの魔術学術院の召喚室へ現れた世界について教えて貰えぬかのぅ」
なんだかワクワクした顔で告げられる陛下。
いや、子供か?
そんな陛下を呆れた顔で見ている宰相様が印象的だ。
まぁ…尋ねられた応えるのが世の理ってか。
いやいや、陛下からの下知なのだから当然応えますけどね。
「彼処の世界は召喚室の召喚陣を基点にして各界の主格である御方々(オンカタガタ)の御力にて創られた世界ですね。
本来は力ある方々が術を操り身を律してのみ他界へと赴けるのだとか。
ですが通常、その様な行為は禁じられております。
まぁ…普通はお役目が方々には御座いますので、他界へ赴く事は難しいのだとか。
ですが、新たに創られし降臨界に於いては、力無き者であろうと降臨可能となっております。
っと言いましても降臨する御力を有する方に限られますが。
ただ降臨は無理でも召喚は可能ですので、各界より生き物が召喚され生息しております。
そのため、今迄は出会う事も無かった方々の交流サロンと化している状態ですね」
そう応えると陛下が甚く感心されて告げられる。
「ほほぉぅ、その様になっておったのかぇ。
神であるゼウス神様より語り掛けて来られた時には度肝を抜かれたが…
多少の説明はあったのじゃが、主に現界との影響についての協議であったのでのぅ。
降臨界の成り立ちなどについては語られておらなんだのじゃよ。
して、その降臨界の景色などは、どの様になっておるのじゃ?」
陛下の尽きぬ好奇心を満たす為に、色々と話す事に…
まぁ、降臨界の広大な世界…山、山脈、渓谷、川、大河、泉、湖、海…
雅に1つの世界と化している事を説明。
そして、降臨界以外を旅した事のある方が居るかについてだが…
実は1人居られるんだよねぇ。
隠す事でも無いので教えましたけどね。
そう、神族の須佐之男命様なんだよねぇ。
あの方はお役目を持っておられず、雅に自由人…いや、自由神ってところかな。
だからさぁ、各界へフラリ、ふらりと気侭に1人旅ってね。
降臨界では須佐之男命様より旅で有った逸話を色々と話して頂いたりね。
流石に、それは話さなかったよ。
軽く数千年以上は掛かるからさぁ。
それでも俺の話しに惹かれる陛下へ語る話しは尽きない訳で…
いい加減、そろそろ良いかなぁ。
疲れたしぃ…腹減ったぁ~ん。
そろそろ昼時なんですがねぇ。
勘弁してつかぁ~さい。




