ある日突然に0082
そんな話が終わっても、未だに城へは辿り着けておりません。
話題も無くなり、静かに座って城へ着くのを待つだけとなる。
俺は窓から外の景色を見て時間を潰す事に。
宰相様は馬車へと持ち込んでいた鞄から書類を取り出し確認を始めている。
移動中も仕事ですか…ご苦労様ですねぇ。
暫し静かに時間だけが過ぎ去っていたのだが…
突如、馬車の天井部分と床部分が発光を。
って、なにっ!
したら…
「ヤッパリ、この馬車に居たよ」
「だぁ~らぁ、俺が此処に居るったじゃん」
そんな事を言いながら天井付近の光と床の光から人が現れる。
いや、人では無い。
異形の者達!
って…神族のパーン様と魔族の天邪鬼様のお2人だけどね。
って、ダメじゃんっ!
「ちょっ!ちっと、御2方ぁっ!
勝手に現界に降臨しちゃダメでしょっ!」
ったらさぁ…
「ちょっと位は大丈夫さ。
ねぇ、天邪鬼」
「そうそ、ちと此処へ来た位、分かりやしねぇって」
いや、そう言う問題じゃ無いでしょうに…
神族、魔族の方々に及ばず仙界、幻界の方々も現界へ降る事は禁じられている。
この御2人は悪戯好きで知られる問題児ではあるが、流石に禁を破っての暴挙が許されるとは思えない。
「ははっ、ガリッチは心配性だねぇ。
大丈夫さ、この馬車内部へは結界を施したからね。
一時的になら問題ないさ」
「そうだぜぇ。
んな事よりもガリルが降臨界へ現れないから、彼方で騒動になってんだかんよぉ。
早く行こうぜぇ」
いや、ちょっ、ダメだからねっ!
「いやいや。
僕は陛下より召喚されたので登城している最中なんですよ。
だから今日は降臨界へ行く事は出来そうに無いんです」
そう説明したら不満そうに…
「いや、なに、その陛下ってヤツ。
俺達神族より偉いの?」
「そうだぜぇ。
俺達魔族よりも威張ってんのか?」
不満そうに告げるんだけど…そう言う問題じゃ無いよね。
「だから、僕は現界の住人なのっ!
現界での身分ってものがあるからね。
伯爵嫡男として城からの召喚には応じないとダメだからさぁ」
困った顔で告げていると…
「こりぁぁぁっ!
この悪戯者共がぁぁぁっ!」
突如、ゼウスのとっさぁんの怒鳴り声が轟いて…
「うっひぁっ、お助けぇ~」
「ひぇっ!堪忍えぇっ」
パーン様と天邪鬼様の悲鳴が上がる。
そして気付いたら御2人の姿が消え去っていた。
ゼウス様に連れ戻されたな、あれは。
絶対に折檻されるんだろーねぇ、なぁ~むぅ。
そんな事を思っていると、宰相様がオズオズと俺へと告げられる。
「い、今のは…」
さて、どう説明したものやら…ふぅ。
「今、此処へ現れていたのは神族のパーン様と魔族の天邪鬼様です。
っと言うか、御本人達が神族と魔族って言ってなかったですか?」
つい尋ねると…
「ええ、そちらは御本人様方が告げておられたので理解はしております。
報告のあった降臨界へガリル殿が現れないから呼びに来られたのですな?」
いや、分かってんじゃん。
じゃぁ、何が分からないんだろね?
そう思っていると宰相様が尋ねて来た。
「いや、最後に轟く雷の如き轟音と化したお声が轟いておりましたが…
何が起こったのでしょう?」
ああ、ゼウスのとっさぁんの件かぁ~
「ああ、アレですか。
あれは神族主神の1柱であらさられるゼウス様のお声ですね。
本来は高位界の方々が現界へと降りる事は禁じられています。
まぁ、特殊な処置をして許可さされた場合のみ可能とは聞いておりますが…普通はダメですね。
なのに御2人が勝手に現界へと降ったのでゼウス様が連れ戻しに参られたと言う訳ですね。
今頃御2人は折檻されている事でしょう」
ま、自業自得かな。
そんな騒ぎがあったが、パーン様が告げていた様に馬車内部に結界が施されていた様だ。
だから外には騒動が漏れていない。
ま、だからゼウス様が怒鳴られたのだろうけどさぁ。
あんな怒鳴り声が外に聞えたら大パニックになっていた所ですよ、ほーんとに。
御者も馬車の中にて起こった騒ぎに気付いて無い。
だから普通に馬を御して城へと馬車を進めている。
いや…外に騒ぎの音が漏れていたら馬がパニックになっていたかもな。
流石に城へ寄贈した馬車は馬車本体だけで馬は付けて無いからな。
生身の馬にゼウス様の怒鳴り声はキツイだろう。
絶対にパニクって暴走してただろう。
いや、俺達の馬車所か辺りの馬車の馬がパニックで暴走かも…
考えてみたらヤバイ状態だったのかもね。
っか…ゼウス様の怒声の轟きならば王都中に轟いたかも…
そう考えると、王都中に騒ぎが広がっていたかも…
困ったものです。
まぁ、結局は結界にて音は漏れなかったんだから、目出度し、目出度しぃってな。
いや、目出度いのか?
そんな事を思っていると馬車が城の城壁前へと。
王家紋章が印された馬車なので、流石に検閲などは無く城門を潜る。
そして城の入り口にて停まる馬車より宰相様と共に下車。
馬車は俺達を降ろすと走り去ってしまった。
馬車に付き従う様に騎馬にて同行していた騎士達は馬を出迎えた兵達に託し俺達の元へと。
そして騎士達のエスコートにて城へと入って行く。
いやさぁ、俺、初めて城へと入るんですけどぉ…
ワクワクが止まらないぜっ!




