ある日突然に0079
メイドさん達の仕切りにて着替え終わり、登校準備も終わった。
なので腹も減った事だし食堂へとね。
本来は食事を終えたら登校となるんだよ。
親父さんも登城となる訳なんだが…
それに備え黙々と食べる今日の朝飯は、何だか味気なく感じてしまうんだよねぇ。
っうのもだ、裏門だけでなく正門に迄、記者達が押し寄せて親父が現れるのを見張ってやがるからだ。
いやぁ~面倒臭いねぇ。
鬱陶しいよ、鬱陶しい。
登校の邪魔じゃないかさぁ。
あの記者の群れを突っ切っての登校なんて無理だからね。
5歳児の俺なんか、下手したら押し潰されてしまうじゃないか。
危なくなったら正当防衛でブッ飛ばしても良いかなぁ。
『良い訳あるかぁぁぁっ!
軽く人死に出るわぁっ!』
そ、かなぁ?いや、照れますなぁ。
『なんでやねぇぇぇんっ!』
って阿呆な掛け合いを内心にて行った後で聞いた事によると…
実は親父だけで無く俺もターゲットなんだとさ。
って、なんでさぁ?
詳しく聞くと…
どうも城にて息子に誕生日プレゼントされた鎧と武器だと自慢して回ったらしいんだよな、この糞親父がぁぁぁっ!
明確に息子からなんて告げやがるから、俺までターゲットになってんじゃんかぁっ!
どないしてくれるんじゃ、このド阿呆ぅがぁぁぁっ!
まぁ、息子から初めて貰ったプレゼントに浮かれて、つい自慢してしまったらしいんだがな。
出来れば自重して欲しかったです!
この国には報道の自由が憲法に謳われていたりする。
それを良い事に行き過ぎた報道を行う者達も現れているらしい。
特に有名人のプライベートに張り付き暴く輩なども。
それが汚職などならば問題は無いのだがな。
この度の様に伯爵家相手にでも法律を盾に大胆な行動を。
この様に行き過ぎた報道関係者の心無い取材に対しては、国にとっても頭の痛い問題となっている様だが…
「俺は不敬罪などは好まんのだが…流石に、これは…なぁ」
頭を抱え溜息を吐く様に告げる親父。
そしてキッとキツイ顔になり面を上げる。
親父も流石に、この度の件に対しては腹に据え兼ねたとみえる。
念話の魔導具にて何処かへ連絡しているな。
口振りからすると自分が率いる近衛隊へと何やら命じている様な…
大事にならねば良いんだけどねぇ。
暫くすると…外が更に騒がしく…
いや、いったい何さ。
どうも…「不正取締り」とか「報道の自由を阻害」などとのワードが飛び交っている様な…
何が起こってるし?
いや、何となく察しはしているよ、うん。
あれだ、あれ。
親父が率いる近衛部隊が到着して門前を整理し始めたって所だろう。
そんな騒ぎの中、親父が裏門へと完全武装にて移動。
俺も付いて行き、成り行きを見届ける事に。
裏門には門番だけでなく親父が率いる近衛部隊の面々まで現れ記者達を牽制していた。
そこへ現れたのが親父ってな。
「静まれっ!」
親父の一喝が轟く!
その響き渡る轟音の如し一喝にて辺りが静まり返って行く。
そして親父か続ける。
「何の権利があって伯爵家である我が家の入り口を占拠するかっ!
弁明があれば聞こうではないか」
告げる親父の迫力に押されながらもオズオズと応える記者が…
「ほ、報道の自由にて、しゅ、取材を…ですねぇ…」
本人も告げながら道理が通らないと気付いてはいる様だ。
そんな男をギロリ睨ね付けながら親父が問い質す。
「ほぉぅ、個人のプライベートを暴く事が報道の自由なのかね?」っと。
「いえねぇ~、伯爵様が色々と物騒な武具をお持ちと聞きましてねぇ~」
年配の記者が筆の尻にて頭を掻き掻き告げる。
中々強かそうな中年男で厭くが強そうな感じだ。
そんな野郎へ親父が視線を移し訊く。
「ほぉぅ、それの、何処が悪いのかね?」っと。
堂々と告げる親父に記者が絶句。
そんな彼へと叩き付ける様に親父が続ける。
「我は近衛隊を率いる者として独自の武装を許されし者。
また伯爵家当主として独自に武装強化も許されておる。
それを踏まえ、我が独自に武装し、何が問題なのかを詳しく説明願おうか?」
そう切り付ける様に。
そんな同じに少々たじろぎながらも、先程の中年記者が告げる。
「いや、確かに伯爵様が個人にて武装されるのは構いやせんや。
ですがね。
国の兵全てが、その武装にて固め国外へ討って出るっと言う噂が流れてはねぇ」
親父の目を見据え堂々と告げる男。
この男…単純に噂に乗って現れた者とは違うみたいだ。
万が一、今回の事が騒乱の元となるのか…
国に乱を生む所業でないかを純粋に問い質しているとみた。
ある意味、漢といえよう。
譬え、それにて不敬罪として捕らえられ様と国に仇名す所業であるならば捨て置かない。
その覚悟を秘めた目である。
親父も、それを感じたのだろう。
フッと笑い告げる。
「この武具は個人的に受け取った品でな。
造れる者も世界に1人しかおらぬ品なのだ。
故に我以外が纏う事は無い。
それで良いか?」
親父が応えると…
「へい、十分でごぜぇやす」
そう告げ頭を下げると踵を返しスタスタと去って行く。
そんな彼を唖然と見送る他の記者達。
いや、中には彼と同じく去る者達も。
そんな彼らとは違い留まる者達も居るのだが…
「して…そなたらは、まだ用があるのか?」
静かに告げるが…親父さん…目が笑って無いってばよぉ。
いや、笑顔なのだが…獰猛な肉食獣の笑みになってますよぉっ。
「いや、報道の自由が…」
「憲法にて決まっておりまして…」
「脅しには屈せんぞっ」
「そうだ、そうだぁっ、暴力にて報道を妨げるなどと…」
そんな埒の無い事を告げる記者達。
いや、アータ達ってさぁ3流未満記者っしょ。
親父様の説明を聞いてたぁ?
これ以上留まると流石に業務妨害と不敬罪が適用されるよね。
それを行う為に親父様が近衛隊を召集したと何故気付かないんだろね。
阿呆なのか?




