ある日突然に0058
テストマラソンの設問には魔術関係の問題も含まれていた様だ。
いやね。
理論などの知識は霊体時に得ていたりするんだよなぁ~
これが。
ただ、知識と実践は違う訳なんだよ。
なんでエクスードの爺ちゃんに教わる迄は魔術の発動が出来なかったんだが…
ある程度の魔術知識は既にな。
いや、全てじゃ無いよ、うん。
ただな、ジャクソン村にて接触した霊体の中には冒険者の魔術師だった者もね。
それも数人居たから、それなりの知識をさぁ。
知識と言えば、動植物学に対する知識もな。
そらそうさね、冒険者達はフィールドワークが主な仕事ってな。
机上の空論では無く、実際の経験に伴った情報を得ていたりすんだよ。
そんな知識は開示するつもりなんてナッシングだった訳だが…
テスト・フルマラソンにて朦朧とした意識の中…つい、無意識でねぇ。
いやぁ~ランニングハイって、恐ろしいですねぇ。
『そのマラソンちゃうわぁっ!』
さいですか?
うん、打てば響く突っ込みに癒されて現実逃避して宜しいですかね?
いや、ダメですか?
そこを何とかさぁ~
「此処までの知識を持ってますのねぇ」
あ、学院長が呆れた様に…
うん、ダメみたいですね。
ヘルプ・ミイィっ!
「学院長は御存知なかったのですか?」
ティナ先生が不思議そうに尋ねている。
そんな彼女に困った様な学院長が応えているな。
う~む、そんな身姿も麗しい。
っか、女性率高いよな、この部屋。
いや、全員が女性ですか、さいですか、何でだろね?
学院長が言う事にゃぁ~
「私が陛下より勅命にて伺った事は、『膨大なマナを内包する幼子がおる故に正しく魔術が行使できねば危ういでな、扱える様に導いて欲しいのじゃ』との事でしたので…」
へっ?
いや、俺が魔術を扱える事を知らんの?
あんるぅぇ?
んっでぇ、思わずな。
「エクスードの爺ちゃんに魔術を教わった事は知られて無かったんだぁ…」
呟いちゃった訳よ、これが。
いや、ボソリと小声でだよ、本当だよ。
聞き耳を立ててないと聞えないレベルなんだよ。
それなのにだっ!
なんで皆さん、バッて俺を見るだ?
いや、今のを全員が聞き取ったと言うのかね?
っか、何だか怖いよっ、この人達ぃっ!
するとね、少し離れていた場所に立っていた学院長が…
ツカツカツカってヒールを鳴り響かせながら寄って来んさぁ~
なんだか凄い迫力です。
くっ、負けないんだからねっ!
って、何にだよっ!
そんでな、寄って来た女王様が…ちゃう、学院長がね、ズズゥイッと顔を俺へ寄せながら…
「今告げた事は、本当かしら?」
ってね。
いや、気分は鞭を持ったボンテージSM女王様に尋問されるが如しです。
俺には、その様な趣味は御座いません。
何方か助けて頂けませんかねぇ。
いや、ティナ先生以外は全員が尋問官の様な有様れすね。
分かりたくありません。
そんな中、ティナ先生だけが周りの雰囲気に取り残されてオロオロしています。
まるで肉食獣に取り囲まれた小動物の様に怯えています。
うん、何だか癒されますなぁ~
現実逃避ですが…なにか?
それでも抵抗は一応致します。
「いや、何の事でしょう?」
ってね。
無駄な足掻き?
いや、偉大なる先生も仰っておられますよね。
「諦めたら、そこで終了ですよ」ってね。
だから諦め…
『無駄やと思うんやがなぁ~』
うっせいやいっ!
そんな事はお構い無しに尋問は続く訳で…
「先程、エクスード様の名が出た様ですが…
出奔なされた元宮廷魔術師筆頭のエクスード様の事かしら?」
出奔ってぇwww
爺ちゃん、何しとんのぉ~っ!
いやね、「自由は良いのぅ、儂は何人にも縛られとうは無いからのぅ」なんて…
旅先で沁み沁みと景色を眺めながら呟いてたのを聞いたけどさぁ。
自由奔放過ぎっしょっ!
思わず草生えた草っ!
んっでぇ、取り囲まれて尋問れす。
幼子に何、曝すぅ!
『中身は成人なりや』
うっせいやぁいっ!
そんでね。
巧みな誘導尋問にて、色々とゲロりましたとさ。
いや、この人達って怖いよ、怖いってばさぁ。
っかね。
そんな彼女達は現在、ブチ切れた契約性霊達が実体開放にて説教中です。
いやさぁ。
俺の許可無く己の意思で実体開放できるんですね。
知りたくはありませんでした。
そら、俺のマナ量なら全員が実体開放しても問題は無いわさ。
けどね、精霊本契約については秘匿したかったんですよ、僕はっ!
最早、隠す事は出来ませんけどね。
いや…興味に負けて幼子に尋問する方々に、かなり問題があるのは分かるわさ。
けどさぁ、それとコレとでは話しがねぇ。
っても既に事は露呈した訳で…
後戻りは出来ません。
いやさぁ、ファンタジー定番の時空魔法って無いの?
在ったら下さいよ、プリィーズゥ。
時を巻き戻して無かった事にしたいのです。
無論、そんな事は不可能な訳で…
「無理やり幼子に情報開示させたのである。
この事を漏らす事を禁ずるわぇ」
いやウィンディーナさん?
なんだか、その笑顔は怖いれすが?
「な、ななな、何をされるおつもりかしら…」
学院長が蒼白になって告げているね。
声が震えるのも仕方ないかな。
「簡単な事であるわえ。
シルフィーナ」
「そうでありんすなぁ。
既に終えているでありんす」
えっ?何をっ?
「風の妖精を全員へ憑依させたでありんす。
主さんの事を告げ様とすると声が出なくなるでありんすよ。
そして、その行いは此方に伝わりんしに、下手な事は無しなりね」
妖艶と微笑むシルフィーナお姉様。
その御美しい身姿は素晴らしくも恐ろしい。
皆さん震えてますね、困ったものです、はい




