ある日突然に0053
室内へと到るとだ。
「では、私は此処で」
って、案内してくれたお姉さんがね。
そら学院長室までの案内を行う為に付き添ってくれたんだから当然か。
業務も残ってだろ~しねぇ。
「お姉ちゃん、有り難ぉ~」
にこっと笑って手を振ってあげる。
サービスだ、サービス。
俺って良い子れしょ。
えっへんっ!
ウィンティアも満面の笑顔でお姉さんに手を振っている。
お袋様も…
「ご苦労様」
ってニッコリ。
お姉さん、真っ赤な顔でポーっとね。
どったの?
「コホン」
んっ?
「案内ご苦労。
下がって良いわよ」
って、エレシアさんがね。
告げられたお姉さんがハッとして、直ぐに立ち直り返答を。
「畏まりました。
では、失礼致します」
優雅に一礼しての退室れす。
うん、動きが雅やね。
礼儀作法は骨の髄まで叩き込まれてるんだろさ。
ああは成りたく無いのだが、ああ成るんだろ~ねぇ。
御貴族様の世界なんだもの…
だってさ。
お姉さんって真っ赤な顔で目が逝ってた感じだったのに、学院長が告げたら直ちに反応してたもの。
貴族社会、恐るべしっ!
そんなお姉さんが退室しドアが閉じられる。
それを確認した学院長が溜め息を。
「余り家の職員を籠絡しないでね」
ってさ。
いや…誰が籠絡を?
うん、分かったぁっ!
ウィンティアの可愛さにヤられたんだね。
そらウィンティアの愛らしさは多界1ぃぃぃっ!
っうこってす。
解りますか?
解りますよね?
異論は認めませんよ。
そうあるべきなのでしたぁ~
「あら?
私は何もしてないわよ?」
キョトンとした顔で。
そんなお袋様に学院長が呆れて告げる。
「それ、解って言ってるでしょ?」
「当然ね。
でもね。
家の子が可愛いのは当たり前なのですから、仕方ない事ですもの」
シレッとね。
そらウィ…
『それは、もう良いであるやっ!』
さいですか?
むぅ…
「相変わらず自信家ね。
けど、久し振りだわ。
元気そうね」
ニッコリってね。
「まぁね。
ただ結婚して家へ入ったでしょ。
家事も使用人達が行うし、貴族様夫人なんて、そうそう勝手に外を出歩けないわね。
結構退屈ではあるわ」
困った様に。
「ふぅ、なんて贅沢な悩みなのかしらね。
けど解るわぁ~
私も家の都合で呼び戻された当初は、そうでしたもの」
「あら、エレも?」
「そう。
だから騒ぎが一段落ついた後で働きにね。
そしつ気付いてたら学院長よ。
まったく…」
「ふふっ…
相変わらずの様ね。
そうそう…」
いや…
そのですね。
入学手続きを行いに来たのでは無いのでしょうか?
現在、絶賛、お袋様達のマシンガントーク祭り開催中。
2人で、これだ。
女3人で姦しいと言うが…
2人でも大概だろうさ。
このクラスが集まり井戸端会議なんぞ始めたら、騒音公害クラスじゃね?
っかさぁ…
既にハイスピードトークってぇレベルれす。
いやな。
2人の会話速度が速過ぎて内容が聞き取れません。
理解不可能れす。
なのにだ。
ウインディーナお姉様とシルフィーナお姉様は2人の会話を聞き取る事が出来る模様。
2人の会話をネタに会話が繰り広げられている模様。
ってもな。
此方もハイスピードトークれす。
私には全く聞き取る事が出来ません。
なので…
『なぁ、サラマンディル』
『なんや?』
『2人の会話…
理解できる?』
って訊いてみたのよ。
したらな。
『どっちの2人や?』
ってさ。
いや、ナイス切り返しだけどさ。
そこは、どちらでも良いから応えて欲しかったんだが…
『どっちもだよ』
ってね。
『ああ、せやなぁ~
両方とも無理やな』
なら、最初から聞き取れんって言えやぁっ!
全く。
『オイも聞き取れんでもそ』
いや、訊いて無いんだけど…
さいですか?
ウィンティアは既に夢の中。
俺も旅立って良いですか、夢の中。
だってさぁ…
長過ぎるわっ!
既に2時間は経過してっしょっ!
いや、本当に入学手続きはぁっ!?
えっ?
割って入って告げろって?
何、その勇者。
いや、ファンタジー小説デフォなKY勇者殿なら可能かな?
正しく…塵になれぇっ!
っう感じで跡形も無いかもしれんが、是非とも4人を止めて欲しいものです。
だが…
そんな悲壮感溢れる(主に俺とサラマンディルにノームルな)学院長室へと救世主がな。
ドアがノックされトーカァー達の口を止める。
でかしたぁっ!
この苦行から一時的にでも逃れられるならば、ウエルカム、カムれすばい。
そんなノックに学院長が仕方なさそうに…
「何方?」
ってな。
いや、積もる話ってたが…
どんだけ積もっとんやねんっ!!
そんな学院長の応えに返答がね。
「ムルフォイです。
お呼びと聞き参上致しました。
入室して宜しいでしょうか」
ってな。
っか…ムルフォイぃぃwww
生意気貴族小僧で悪役なんですね、分かります。
んでぇ、入室許可を得たムルフォイ氏が入室ってな。
エラいイケメンやな、をいっ!
しかも細マッチョな爽やか系。
優しげな笑顔がチャーミング。
こらモテそうやな。
そんなムルフォイ氏が入室したが、お袋様達は彼の顔には無反応。
まぁね。
親父様は万倍イケメンっすからねぇ。
ムルフォイ氏クラスが雑魚いって…
異世界、恐るべしぃっ!
そんなムルフォイ氏が入室するとだ。
学院長がムルフォイ氏へ命じる。
「来たわね。
成績優秀者である貴方に頼みたいの。
伯爵家御曹子たるガリルちゃんに学院内を案内してあげて欲しいのよ。
お願いできるかしら?」
告げられたムルフォイ氏が戸惑い室内を眺める。
「畏まりましたが…御曹子様は何処へ?」
んっ?
「此処には、ご令嬢しか居られ無いようですが?」
失敬なっ!




