ある日突然に0042
「では、行って来る」
重々しく告げた親父に片腕にて抱かれた俺様。
いーんだもん。
まだ5歳児なんだからさ。
ぬぐぐぐぐぅ。
せめて両手で抱かれるならば…
片手で軽々ってばよぅ。
そんな密かな葛藤が気付かれる事も無く、親父さんは暗黒術を発動。
地から離れて宙へと。
その侭で直ぐに火口へ。
って、ゐ"っ!?
焼身自殺ですか?
さいですか?
親父さん1人でお願いします。
俺は遠慮しますから…
助けて、プリーズぅ!
アツ、熱、あつぅ?
…
……
………
熱くなぁ~い。
って、熱く無いのかよっ!
『ふっ。
暗黒術にて暑さを退けておるぞぇ』
あっ、なぁ~るぅ。
噴煙を上げる火口のマグマ溜まりへとね。
いやぁ~
マグマが眼前っうかんじで、非常に迫力が…
『ほぉ~
やるやんけ。
こんな所まで来るとは、ほんま大したもんやなぁ~』
なんだぁ、この似非関西人みたいな喋り方をするヤツは。
『ヤツが火精霊サラマンディルでごわす。
こん地方ば一番力を持つちょりますと』
へぇ~
コイツがねぇ。
『少々気性が荒いなんし。
故に火山噴火が頻発なんしな』
えっ?
そんなんと契約して大丈夫か?
『ほんで契約に来たんやったな。
ワイ、こん山は飽き飽きやて、早よう契約しちゃり』
えっ、良いのかな?
っか…
『ほなら契約な』
軽く告げたら、俺を挟む様に上下へ魔法陣が…
な、なんだが良い予感が致しません。
そんな事を思っていたら…
フォイヤァァァァ!?
上下の魔法陣より火柱がぁっ!
俺を封印するが如く湧き上がり包み込む。
火柱の中って…
焼け死ぬわっ!
でも…熱くなぁ~いってな。
ふんわぁ?
なんじぇ~???
って思っていたら火柱が俺へと収束。
俺ん中へとね。
ああ、これで火精霊と契約ってか?
『おうよ。
宜しゅうな』
さいですか。
「さて、火口に着いた故に火精霊様を探して契約だな」
んっ?親父殿…
何、言っとんのぉ?
『ふっ。
先程は3精霊にて力を合わせ、火精霊をガリルの領域へと誘ったのであるや。
その領域ではな、ガリルの高速思考へ追随できるのである。
故に契約は瞬時に行われてのぅ。
精霊と違い領域へと至れぬ人は気付かぬわぇ』
いや…
相談もせずに何しとんの?
まぁ害は無さそうだから良いんだけどね。
んな事を思っているとだね。
「ガリル。
これ、ガリル」
んっ?
「早く契約してくれぬか」
困った様に。
っか、結構辛そうだ。
暗黒術や神聖術は他世界より力を得ている。
つまり次元を超えて力を取り込んでいる訳だ。
故に強力な術が多い反面、非常にコスパが悪いのだとか。
だから親父さんも辛くなって来たと…
って、ヤバいやん!
親父さんが熱を退けんと、ガリル焼きが出来上がるぞっ!
えっ?
美味そう?
冗談じゃない、丸焼きになって堪るかぁっ!
「契約は終わったよ。
火精霊サラマンディル様と契約できちゃったぁ」
えへへへへってな。
「おぅ。
もう契約を終えたのか、流石だな」
うん、親バカ炸裂だね。
んでな。
俺が契約を終えたのを知った親父殿、一目散に集落へとな。
うん。
集落へ着いたら、親父さん寝込んじゃったよ。
大量のマナを一度に消費したから、マナ欠乏症になっちゃったんだってさ。
そこ迄の無茶をしなくてもさぁ。
困った困った、親父さん。
それにな。
『ワイに任せれば、熱なんぞ幾らでも調整したんやがなぁ~』
サラマンディルが呆れる。
『それに、わっちの力にて飛べなんしなぁ』
『シルフィーナと妾の力にて、熱を退ける事も出来たであろうな』
んっ?
っう言葉…
親父さんの草臥れ儲けってか?
いや…
なんだか、ご愁傷様れす。
火精霊様との契約が履行できたから、これで四大精霊様全てと契約だね。
後は精霊術を使う練習が必用かな。
でも、その前に爺ちゃんの講義がね。
取り敢えず、親父さんが復活する迄は村へと止まりやす。
っても明日には復活するだろうし、掛かっても明後日だな。
その間は暇だから爺ちゃんの講義ってね。
集落より出でて、暫く行った所に荒れ地がね。
そこにて特訓ナウ。
マナの実体化した後、それを浮かせて操るんだが…
完全に身から切り離して行えってさ。
いやね。
有線みたいに俺とナマの糸で繋げてならば操れるんだよ。
けどさぁ。
俺と切り離してって…
どないしょー
検討がね。
リモコンからラジコンへってか?
電波の様に情報をナマウェーブにて放つ事は可能だ。
問題は切り離した実体化マナの方だな。
此方の指示を受け取って自動で動かすなんて無理っしょ?
『何ででありんすや?』
いや、何でって…
切り離したんだからさ。
『マナの糸で繋がっりんしも、手からは離れてなんし』
へっ?
確かに、そうだけどさ。
んっ?
有線だけど…
行っていたのはラジコンと似た様な事と…
思い込みで出来ないと考えていたけど…
有線の時には、その様な物だと感覚的にね。
いや…
そう考えるなら、出来る…のか?
取り敢えずはチャレンジだな。
そう考えてマナ波を実体化マナへと送る。
すると、あら不思議。
実体化したマナソードさんが浮かび上がりました。
ほっほぉ~
自由に宙を駆け巡らせる事がね。
それを見た爺さんが困った様に…
「やれやれ。
これまで習得しよるか」
んっ?
どゆ事ぉ?
教えたのは爺ちゃんだよね。
訳わかめ?
「まぁ良かろう。
次じゃがのぅ。
マナの属性化を習得して貰おうかの」
そんな事をね。
つまり、ファイヤーソードなんですね、分かります。




