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ある日突然に0004

人々の波が引き、退去が済んだ部屋は静謐と言って良い状態に。

うっさい位だったが…

こうなると、少々寂しい位に感じてしまう。

人間って勝手なものだな。

食材や料理に対する情報。

特に茸や野菜、野草など。

農業に関する情報。

調味料の造り方。

石鹸などの洗剤。

建築や道具etc.

様々な情報をストックする。

霊体ヒャッハーな現状だ。

何時、神様が白い空間に俺を呼び出しても良いようにな。

えっ?

携帯小説の読み過ぎ?

いや、定番でしょう。

つか…

何時まで、この状態なのれしょうね?

んっ?

誰かが訪れた様だな。

こんな時間に誰だ?

悲壮感を漂わせ泣いている様だ。

って…

っ!

親父にお袋…

なんで…

ああ、会社のヤツも同行か…

最終の新幹線にでも飛び乗ったのだろうか。

年老いた両親にはキツい旅程だった筈だ。

落ち込んだ2人に対し申し訳なさそうに会社の者が付き添っている。

課長や部長では無い。

主管クラスの社員だな。

こう言う時に押し付けられる者達だ。

面倒な事は下に押し付け課長や部長は出て来ない。

腐ってやがんな。

全く。

彼もキツいシフトで苦しんでいる1人だ。

明日は我が身だろうに…

申し訳なく思ってしまうな。

俺の遺体を地元へ持ち帰るのは厳しいとの事。

そらな。

新幹線で数時間は掛かる距離だ。

遺体を保持して移動する距離ではなかろうて。

故に此方で荼毘を行い、お骨にしてから地元へと持ち帰る事になるとか。

借家の解約、ガス、水道、電話、プロバイダーなどのインフラに対する解約。

俺の荷物を実家へ発送する手続きなどなど…

結構、行う事が多い。

ただなぁ~

明日になるが…

行政から職員が訪れるとの事。

この度の死因について両親と話すらしい。

紹介する弁護士を伴って訪れるとの事。

主管も同席する旨を告げて退去して行った。

そら会社としたら過労死にて騒がれたくはあるまい。

まぁ…

此処まで騒ぎになっていて、往生際が悪いとしか言えんわな。

意気消沈した両親が客用の布団にて就寝。

俺は…

眠たくなりませんが…

何か?

取り敢えずは、情報の収集を続ける。

思い付く限りの情報をダウンロード。

何せ、外付けハードディスクが複製し放題。

ストックできる情報は根こそぎ落とす事に。

役に立つかどうかでは無い。

取り敢えず、遣るのです。

何か行ってないと、現状に押し潰されそうだからな。

そんな感じで夜を過ごし、夜が明ける。

夜が明け…

親父が俺の車のキーを探し当て出掛ける。

何せ冷蔵庫の中には、ロクな食材が無い。

だから外食して来る様だな。

さり気なく、俺も同行します。

チェーン店であるファミリーレストラン へ入る。

俺も一緒だが、当然認識されない。

近くに座っている客へ届けられた料理が乗る皿を持って引いてみる。

おおっ!

料理が乗った皿毎、霊体を引き寄せる事が出来た。

ルン。

フォークやナイフ、箸も同様に。

只で頂いた訳で…

申し訳ない。

そんな事を思いながら食す。

うむ。

食す必要は無いのだが…

矢張り旨い物を食べるのは幸せな気分になるな。

死んでも感じる幸せ。

ナァ~ムゥ~

ってか。

しかし…

死ぬって…

こんな感じなのかねぇ?

だとしたら、俺以外にも霊体化した者が居そうだが…

近くに居る様子は無いな。

両親も食事を終え自宅へと帰る。

両親が居間へと落ち着きテレビを点けると…

うや。

オラの事がニュースとなってるだぁ~ねぇ。

っかさぁ。

ワイドショーネタですか。

さいですか。

え~っとぉ…

俺の職場へと査察が入った様だな。

昨日、今日だぞ。

偉く早いんでね?

両親が険しい顔でテレビ画面を見る。

まぁね。

息子が当事者の事案だからな。

そうしていると、インターフォンが鳴る。

誰かが訪れた様だな。

行政の所員と弁護士だ。

両親が招き上げ話が始まる。

どうやら俺の過労死について控訴するかの話らしい。

その話をしていると会社より主管が訪ねて来た。

話し合いに混ざり、行政と弁護士の話を聞いている。

顔色は冴えない。

まぁ、そうなるだろうな。

会社としての意向を告げるつもりだったんだろうが…

それを告げると、更に事態が悪化すると感じたのだろう。

聞き役に徹していた。

話し合いが終わり、一旦は解散に。

そうこうしていると、俺の遺体が帰って来た。

泣き崩れる、母。

っか…

報道関係者がウザい。

ハイエナの如しである。

いやな。

関連会社とは言え大企業のそれである。

醜聞として取り上げるには十分な話題性を確保できるのだろう。

オラ、一般人だべさ。

放っておいてけろ。

俺の葬儀は、此方の行政と会社にて手配する様だ。

各々に思惑がある様だな。

牽制する様に事を進めている。

困ったものです。

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