ある日突然に0039
ほんでな。
爺さんの魔術講座ぁ~ってか。
放出したマナなんだが…
当然、水を放水したかの如く放たれます。
無論、量は限りますよ。
私は消滅したくはありませんので。
『ガリルが消滅する程に体内マナを放出すれば、辺りが壊滅するわえ』
はぁっ?
何を訳が解らん事を…
『気付いて無いでありんすや?
そのマナ量を身に留めておくは普通できなんし』
んな事をな。
いや。
俺が普通じゃ無い様に言わんといてぇっ。
こんなプリチィな幼子が、そんな訳ないやん。
ま、戯れ言は、さて置き放出した訳なんだが…
「ふむ。
凄まじい量であるが…
本人に異常は無いな。
なれば…」
なれば?
っか、溜めるなっ!
イラッ。
「次は放たずに、身に留める形にてマナを体外に集められるかのう」
そんな事をね。
っか…
どゆ意味?
俺が首を傾げてるとだね、爺さんが仰る訳よ、これが。
「ほぉっほほっ。
流石に難しかったかのぅ?」
イラッ。
まさしく、イラッ。
何が言いたいねんなっ!
「儂が今、実演しておるが…
見えるかのぅ?」
んな事をな。
何を言ってんだぁ?
耄碌したのか?
そんな事を思っていると…
『目にマナを集めなんし』
ってね。
なんだろね?
取り敢えずアドバイスに従いますかね。
マナの流れは感じる。
この流れに介入な。
そして目に集まる様に。
うん。
俺って天才。
こんなに容易く出来ちゃうもんねぇ。
デヤッ!
なんてな事を思っていると…
爺さんの右肩上に、マナにて象られた物が…
ハァ~ァンっう様な物が…
爺さん、何晒す。
幼児に見せる代物では有るまい。
実に良い。
もっと遣れ。
ヒュー、ヒューぅ。
「エクスード様!」
親父さんからね。
いや、一応は保護者だから。
その目がハァ~ァンに釘付けで、鼻の下が伸びていようがな。
っか…
親父ェ~
つい困った様に、親父とハァ~ァンを見る。
その視線にて気付いたのか…
「おぅ。
見えとるのか?
これは、流石に拙いかのぅ。
婆に知れたら折檻じゃて」
慌ててハァ~ァンを兎の形へと。
なら遣るなしっ!
だが、成る程ね。
爺さんが言いたいのは、あの様にマナを制御して身から盛り上げたマナにて形を象れと。
まぁ、そう言いたいのだろう。
なれば、遣ってみましょうかね。
だがな。
単に象るのは芸が無いでは、何を象るかだが…
うむ。
アレが良かろうな。
カードゲーム的な、アレだ。
そう。
サファイア・アイズ・ドラゴン・サウザンド、召喚!
ってなぁ!!
おれの背後に現れたるドラゴン。
マナにて象られたそれは、まさにサファイアアイズなりぃっ!
でや、この造形美。
ふふぅん。
俺自慢、デヤァッ!
ってな。
「お、おおっ!?
これは見事じゃ。
しかし…
この様な姿をしたドラゴンなど、初めてじゃが…
ゼネティス殿よ」
「むっ?」
「幻界に実在するドラゴンかえ?」
ああ、幻界にはドラゴンが居るらしいかんな。
親父さんは暗黒術の遣い手だから、幻界の情報も得ている。
だから尋ねるには最適ってか。
そんな親父殿は、俺がマナにて象ったサファイアアイズをマジマジと。
「いや。
これは幻界に存在しませんな。
ですが…
私が知る限り、この様なドラゴンが描かれた物も目にした事は無いですなぁ~」
そんな事をね。
まぁ当然だね。
彼方側にて描かれた漫画に登場する架空のドラゴンだもんよぉ~
っかさぁ。
実際にドラゴンが生息っうのが驚天動地なんだけどさぁ。
まぁ…
住まう世界が異なるから幻界から現界へとドラゴンが現れる事は無いんだけどね。
一度は見てみたいものです。
ドラゴン…
格好良いだろ~なぁ…
親父殿が使う暗黒術は世界を超えて力を借りる術らしい。
でも、力を借りるだけで降臨する訳じゃ無いんだ。
だから実物に会った訳では無いんだってさ。
ただね。
相手が送るビジョンを受け取る事は可能。
話したり知識を授かったりもね。
だからドラゴンの身姿も知っている訳さ。
そんな親父さんが知らぬなんてぬかせば…
「ほぉぅ。
これだけ細密な造形を想像だけでのぅ」
あっ。
なんだか疑われたかな?
だが、しかぁ~しぃっ!
「凄いでしょっ!
色んなご本の絵を見て、僕が考えたんだよっ!」
エヘンってな。
嘘れす。
元の世界から漫画の絵をパクリました。
てへぺろ。
「ほう、これをのぅ…
ふぅ~む。
子供の想像力とは、凄まじい物よな」
しきりに感心していますな。
うん、すんまそ~ん。
「まぁ、なんじゃな。
そこまで容易くマナを操れるか…
天才とは存在するものじゃたのじゃなぁ~」
なんか、シミジミって言ってますよ。
うん。
矢張り俺様、天才ね。
エッヘン。
んな事を思ってっとな。
「ふむ。
初日と言う事もあるでな。
今日はこの辺りにしておこうぞぃ」
そんなんね。
まぁ、いきなり始まりましたからなぁ~
幼児な肉体が驚いてやす。
意外と疲れるとです。
そんでね。
お腹空き空き堪りません。
そんな宿営地へ狩人さん達が帰投ね。
っかさぁ…
そがぁに狩って来てどうすんなら。
大量の料理が供される事にね。
料理自慢メイドお姉さんと、料理自慢騎士との一騎打ち。
互いに譲らぬ好敵手。
うん、どちらも美味かったですたい。
でもね。
オイラ、幼児ですたいね。
あんまり腹には入りません。
いや…
精霊さんがマナ分解したら入るよ。
でもさぁ、食べるのも続けると疲れるのっ!
特に幼児にはねっ!
だから競って食べさせ様とすなっ!
堪忍どすえ~




