ある日突然に0038
宿営地へと着くと、御料理自慢メイドさんが張り切り始める。
だがね。
肝心な食材が…
「これから狩って来ますわ」
さいですか。
だがね。
「むっ。
某が狩ります故に、ご婦人方はごゆるりと」
狩り自慢の騎士さんがね。
「いえいえ。
狩りならば私も負けませんわ」
料理自慢メイドさん…マイリルさんも引きません。
したらな。
「ふっ。
狩りなら騎馬民族出身の私が得意とする所。
負けませんわ」
などとね。
だけどマイリルも負けてはいない。
「ジル…
採取の方はどうなのかしら?」
っと。
「うっ。
彼方とは種類が微妙に違うから苦手って知ってるでしょっ!
もぅ」
うむ。
育った地とは環境が違うのかね?
そんな環境下だからこそ、立派に育ったと。
えっ?
何がってか?
何がですよ。
決まってるじゃないですか。
あははははっ。
ふぅ。
んでな。
結局は3人で競う様にな。
いや…
森ん中を殲滅すなよ。
困ったものです。
さて、狩人と化した3人が出掛けると…
意外と静かだったエクスードの爺ちゃんが、俺へと近付いて来る。
なんざんしょ?
「さてガリルよ。
これから飯までと、飯が終わって寝る迄に魔術の鍛練とするぞい」
そんな事をね。
いや…
初耳なんですけど。
俺が戸惑っているとだな。
「先ずは魔術の基本概念からじゃ」
そう告げられ…座学れす。
いやね。
俺だから理解はできたよ。
だけどな。
「普通の5歳児に出来るかぁぁぁっ!」
そんなん言いたい。
言えんけど。
まぁ…
色々と小難しい事をな。
だけど…
万物はマナが元となり、そのマナにて象られた精霊にて構成されている。
これを七面倒な説明でな。
そしてマナを感じるにはマナ検査版にてマナを量る際に、身体からマナが抜き取られる感覚を覚えておく必要があるのだとか。
ああ…
あの巨大マナ検査版が崩壊するときに身体から何かが出て行った感覚ね。
まあね。
既にマナが身体を駆け巡る感覚は覚えている。
普通は、そうはならないらしいが…
ぶっちゃけ、膨大マナ封印にて発育不全を起こしていた俺。
ナマ検査にてマナが解放され、体内を膨大なマナが駆け巡っています。
これでマナが分からない筈が無い。
居たら、きっと不感症かな?
治療をお勧めしますよ、ホント。
でな。
爺ちゃんが言うには…
「先ずはマナを感じるのじゃっ!
これが魔術の入口にて真髄。
マナを感じ操る。
これが行え膨大なナマを操れる様になる事が究極じゃて」
そんな事をね。
あのぉ~爺ちゃん…
出来てますけど…
言わんけどね。
絶対に騒ぎになるわっ!
だが…
これは困ったぞっとな。
爺ちゃんから課された課題は既に終わっていると言える。
だがな。
言われて直ぐに終わったとも言えんでしょ。
っとしたら、何時できたと言えば良いのか…
教えて、シルゑもぉ~ん。
『誰がシルゑ悶でありんすか、だ・れ・がっ!』
チッ。
実体が有ったら、ビシッと指を指して差し上げたのにね。
クスッ。
『分かって告げておわす故に質が悪もそ』
さよか?
んでな。
風賢者なんて呼ばれている程の知恵者なんでしょ。
なら、分かるよね?
『無理言いなんし。
個人差故に千差万別でありんす。
故に正解など無いに等しいでござんすよ』
さいざんすか…
う~む、どないしょ。
そんな事を考えつつ、ふと高速思考を解く。
すると…
「どうじゃ。
マナを感じたかのぅ」
絶妙なタイミングで。
だから反射的に…
「うん」
ってな。
いや、不意打ちだろ。
まさか狙ってた?
「ほっ!
まさかにのぅ」
いや…
疑うなら訊くなし。
だが助かったと思っていたら…
「いや、確かに感じたのでしょう」
親父がね。
っか!
何さらすぅっ!
ってな。
いや、不意打ちだろ。
まさか狙ってた?
「ほっ!
まさかにのぅ」
いや…
疑うなら訊くなし。
だが助かったと思っていたら…
「いや、確かに感じたのでしょう」
親父がね。
っか!
何さらすぅっ!
そう思っていたらな。
「エクスード様はガリルへ魔術の手解きをして頂く身。
故にガリルの秘密は知っておいて頂かねばな。
そうで無いと正しい指導が行えぬであろうよ」
さいですか。
考え無しに告げた訳では無いんだね。
っか、本当かね?
まぁ結局は親父さんがバラしてしまったけどな。
したら爺ちゃんが考え初めてしまったよ。
なんだろね?
暫し…考え中…考え中…考え中…
だぁぁぁぁっ!
長いわっ!
これだから年寄りはっ!
んっ?
おまえも精神は爺って?
失敬なっ!
精神は肉体に引き摺られる物。
そう考えてご覧なさい。
ほら、僕の精神年齢は若いでしょ?
『都合が良い事じやな』
良い事は良いのです。
そう思えます。
んっ?
呆れて何も言えないっう雰囲気が…
うん、勝ったな。
『何ででありんすかぁっ!』
ぁ、キレた。
クスッ。
んな戯れ合いをな。
んで高速思考を解き暫し…
フリーズしていた爺ちゃんが動き始めたな。
解凍は丁寧に、ドリップしますよ。
違うか。
「ならば、鍛練方法を変えるべきか…
先ずはマナを体外へと出せるかのう?」
そんな事をね。
ならば遣ってみせましょうぞ。
ってな。
これは、精霊開放時のイメージにて合っているだろう。
そう思い行って見る。
うむ、出来たな。
余は満足じゃ。
良きに計らえ。
ってか。
「おおぅ。
もう出来よったかっ!
これは素晴らし逸材じゃて」
さいですか。
けどね…
目がギラギラと…
獲物を狙う猛禽類が如しれす。
たしけてぇ~




