ある日突然に0037
メイドさん達のおんまさんへと移されます。
親父さん…
逆らえ無いんですね。
分かります。
渋々と…
非常に渋々と、俺をお姉さんへと引き渡す。
いやね。
なんで嬉々と俺を受け取るお姉さん。
何故に、そんなに嬉しそうなのかね?
「ヤッパリ可愛いですわ。
あの[荒ぶる戦神]と[殲滅妃]の娘とは…
とても思えませんわっ!」
そんな事をね。
っか…
今、聞き逃せ無い事を曰ってませんでしたか?
[殲滅妃]って…誰?
いや…
あの言い方だと、お袋様の事だと…
はてな?
「母さんは[神秘の聖女]って呼ばれてたんじゃぁ…
[殲滅妃]って?」
ったらな、ハッとした顔で…
「い~い、ガリルちゃん。
世の中には知らない方が良い事。
知ってはならない事があるの。
解りますか?」
そ、そんなに震えて告げんでも…
禁忌なのですね、分かりました。
そんな、ちょっとトラブルはあったが…
ちょっとなのか?
まぁ良いとしましょう。
今はお姉さんが操る馬の上です。
いやね。
革鎧を着込んだ親父さんに抱えられる様に騎乗するのと違い…
そのね。
非常に柔らかくて気持ち良いです。
ぇっ!?
何がって?
特に頭がです。
訳が分からない?
なんでさ。
非常に柔らかいスイカが2つですね。
って、何、言わすぅ!
ハッ、これは罠なのか?
『なんの罠でありんすな?』
いや…
顔が見えたらジト目なんですね。
御褒美です。
ありがとう御座います。
『………』
あら、無言ですか?
益々ありがとう御座います。
ってな。
そんな事もありながら、再び旅の空へと。
無論、ポンポン移動にてお尻たいたいに…なら…ない、だっ、とぉっ!?
お姉さんが、優しく抱き留めてくれています。
衝撃を和らげるのでは無くて吸収なんですな。
ハイスペックれす。
非常に有り難い。
しかもだ。
汗臭くオッサン臭漂う親父と違い、非常に良い薫りです。
優しく馬を操るが、親父さん達に遅れずに追従。
っか…
揺れが…心地…よ…い…
「ガリル様。
休憩施設へ着きましたわよ」
その様な言葉にて起こされた。
っか…
俺、寝てたのか…
いや、馬での移動で?
マジで?
っか…
湖畔別荘館までの苦行は、いったい何だったんだ?
思わずジト目で親父さんをね。
すると、もう1人のメイドお姉さんが…
「ヤッパリ、ジルの乗馬は流石だわ。
私には、とても真似できないわね」
なんだか悔しそうです。
「ふふぅ~ん。
そりゃ騎馬民族の出ですからね。
けど…
今日ほど乗馬技術が上達していて良かったと思った日は無いわっ!」
さいですか。
分かりましたから…
ギュッと抱き締めるのは止めてくらはい。
非常に、非常にぃっ、柔らかくて、良い薫り…
ゲフン、ゲフン。
「くっ!
ならば、私は調理技術を駆使して、ガリル様を魅了するまで!
籠絡してみせますわっ!」
なんですとぉっ!?
はいっ。
精霊様方共々、籠絡されてしまいました。
っか…
いや、なに、なんなのっ!
休憩施設にて供された朝食なのだがね。
レベル高っ!
お袋様には及ばぬが、絶賛に値する味です。
しかも、調理、早っ!
「お待たせ致しました」
ってるけどさ、待って無い、待って無いからねっ!
っか、早過ぎでしょっ!
それで、このレベルかぁっ!
親父さんが雇う使用人さん方は壊れスペックかっ!?
無論、ハイスペックを超えた意味合いでな。
そしてな。
食事を終えたら…
お着替えタァ~イムゥ。
マジでかぁっ!?
着せ替え人形れすか、さいですか。
っか、待て、いやさ、待て、むしろ待てぇっ!
どんだけ衣装があるんねんなっ!
をかしいれっしょっ!
此処は旅先。
手持ちで運べる量には限りがある筈。
筈なのだが…
なに、この量!?
「何処から出したのっ!?」
ったらな。
「乙女の秘密ですわ」
って…
いや…アンタらさぁ、乙女っう歳…
ギッ!
!?
何でも無いれす。
「メイドの嗜みですわ。
ほほほほほっ」
いやね。
目が笑って無いからぁっ!
あ~恐っ。
女性に年齢の話は禁句れす。
気を付けましようね。
そんな着せ替え人形タイムを、親父さん達は達観してお待ちです。
流石ですね。
諦めたとも言いますが…
まぁ、良いでしょう。
朝食を終えた時間、いやお着替えタイムとも言うが…
その時間でも、まだ朝早い段階だ。
どんだけ早く出たんだってばよぉ。
再び馬上へと。
馬を気遣いつつ疾駆させる。
なにせ時間が限られる。
親父さんの政務を代行させてはいる。
だが、代官が長期に渡り不在は拙いだろう。
移動速度は湖畔別荘館までの道程より上がっている。
俺を気遣う必要が無くなったからな。
俺は眠ったり、眠ったり、眠ったりな。
いや、する事が無いんだよ。
偶に精霊様方を揶揄ったりはしたが、何せ高速思考だから暇潰しにはな。
『矢張り揶揄っていたであるかっ!』
あ、ヤバっ!
黙秘します。
『もう遅くごわんぞ』
まぁ…
昼は馬上にて済ませつつ、晩の宿営地へとね。
寝ての移動だった筈なんだけど…
なんだか疲れていますです、はい。




