ある日突然に0032
爺さんが告げた途端!
バッと爺さんに振り向き慌てて確認を始める、親父さん。
「それは本当かっ!
嘘だとかは無しだぞっ!」
必死れす。
「うむ。
嘘じゃ」
「ぐぅわはっ!!」
「冗談じゃて」
漫才かっ!
親父ぃ…良い様にあしらわれて…何だか切ない気分れす。
なので俺が挽回せねばっ!
「その~」
「んっ?」
好々爺ぜんとした笑顔がチャーミングれすね。
「凄く美味しかったらです!
本当にプレゼントなんですか?
僕、プレゼントされる謂われが無いんですけど…」
本当に訳が分からんのですが…
何を考えとるんですかね?
「うむ。
礼儀正しい良い娘じゃて。
ほんにゼネティスの娘かえ」
そんなんな。
しかし…
子っうニュアンスが微妙に引っ掛かるんだが…
気のせいか?
っか…
外野が五月蝿い。
「僕っ娘、キタァー」
とか。
「僕っ娘な男の娘、だっ、とぉ~」
って盛り上がっています。
男の子が僕って言うのは普通だよね。
何を盛り上がってるんだか…
「う、うむ。
何故にプレゼントかじゃったな?」
頷くよ、当然。
早く教えてよね。
したら…
「それは祝いの品じゃよ」
ってね。
っかさぁ…
「祝いって?」
訳が分からん?
「うむ。
精霊様と契約した祝いの品じゃて」
な、何ぃっ!
何で知ってる!?
思わず親父を見ると、親父さんも驚いて爺さんを見ている。
どうやら親父さんが告げた訳では無い様だ。
「ほっほほほぉ~
何でっと言う顔じゃな。
儂も精霊魔術の使い手じゃて。
あれだけ水精霊様が集まっておればのぅ。
儂も水精霊様と契約しておる故、水精霊様にお尋ねした訳じゃ」
そんな事をね。
っか…あんるぅぇ?
精霊契約ってレアじゃ無かったの?
そんな疑問を抱いていると…
『それはのぅ、仮契約であるぞ』
あっ、復活したんだ。
『そうでありんすや。
仮契約は決まりんし精霊を身近に侍らし術でありんしな』
『そうでおわす。
じゃどぉん。
精霊に適した媒体をば、常に身に付ける必要ばあり申す。
水精霊なんば水ば身に付けちょらななりもはん』
へぇ~
俺の契約とは違う訳やね。
んっ?
じゃぁ、俺の契約は?
『それはのぅ。
仮初めの仮契約と違い、本式契約で本契約と言うのじゃ。
まぁ、人の世では知られておらぬ故、告げぬ方が良かろうて』
なぁ~る程ね。
だから爺さんは、俺が仮契約したと勘違いした訳だ。
って…んっ?
仮契約って媒体を持って無いと拙いんじゃぁ…
それに契約精霊の姿も無いのは、拙くね?
不安になりやした。
『それは大丈夫ありんす』
えっ?
なんで?
そんなん思うと答えてくれる。
便利です。
『それはのぅ。
妾達水精霊は水が媒体である。
故に此処は媒体の宝庫であるや』
いや、言われてみれば、そうやね。
この店は湖の上に建ってんだよなぁ。
つまり、足の下は湖っう事さ。
そう…
媒体だらけってな。
『分かった様であるな。
そんな場所である故、契約精霊とて喚ばねば自由にしているぞぇ。
現に老人の近くに水精霊は居らぬであろ?』
ああ、確かにな。
しかし…
この高速思考って便利やね。
精霊契約の恩恵は凄いなぁ~
『いや、違いもそ』
えっ?
何が?
『普通、本契約しても、こうは成りもさん』
『そうでありんすなぁ。
わっちも初めて聞きなんし』
『妾もえ』
えっ?
どゆこと?
訳若布。
『わっちが思うに、主さんの力と思いなんし』
『そうであるなぁ。
向こうの世界であったか?
その世界と此方の世界の違いであるか…
霊体とやらで彷徨った故か…
将又、その膨大なマナを保有する為であるか…
妾には検討が付かぬわえ』
い、いや…
オラのせい?
『であるな』
『そうざんすなぁ』
『同意し申す』
さいですか…
ま、便利だから良いけどさ。
「しかし、その年で精霊と契約とはのぅ。
素晴らしいが、末恐ろしくもあるな」
そかな。
へへへっ。
照れますなぁ~
「で、ゼネティスよ。
此処へと来たと言う事は、この娘へ魔術を講義する事を請いに来たのかな?」
期待する様に。
だが親父は言われて気付いた様にハッとする。
「いや…
言われてみれは…
センティアより「エスクード様に、よしなにお伝え下さい」っと言われておったが…
もしや…」
いや、もしやじゃ無くてぇっ!
明らかに、そう言う事でしょうに…
察しが悪いと言うか何と言うか。
困った、困った、親父さん。
参ったね。
「うう~む。
だが、火山が先であるし…」
をいっ!
「んっ?
火山なんぞに、何をしに行くのじゃ?」
ほら、言ったこっちゃ無い。
爺さんの興味を引いちゃったじゃんかさぁ。
衆目にて告げたら、やんやん。
俺が困ってっと…
んっ?
何か来た。
爺さんに近寄り告げている。
綺麗な水精霊お姉様なんだけど…
いや…
なんでビキニ水着風の露出度バァーンな衣装なの?
今迄、あんな衣装の精霊を見た事無いんですが?
『どうやら爺様の趣味らしいわえ』
穢らわしそうに。
そうれすか?
男的には有りだと思いますが?
『主殿?』
『主さん?』
ねぇ、ノームル。
『は、はぁ?
な、な、なんでおわそう?』
嫌に動揺しちゃってさ。
そこんとこ、ど~よ。
ったら、2人の追及はノームルへと。
うん。
定番にしましょう、そうしましょ。
爺さんは契約精霊に何か聞いたのだろう。
「ふむ。
今晩にでも館へ伺わせて貰うわぇ」
ってね。
大人しく鉾を下げて下さいましたとさ。
助かったぜっ!




