ある日突然に0030
品の良い店内に入ると上品な御婦人と清楚な乙女がお出迎え。
良いですね。
ムサい野郎に出迎えられるより、何倍かマシってな。
ついでに、ムサい連れもチェンジで良いですか?
うん。
実に良いと思います。
「いらっしゃいませ」
うん。
涼やかたる美声。
実にグゥ~ッれすねぇ。
デヘヘヘヘッ。
『のう、主よ…
それは、余りにも…』
『そうでありんす。
品有り無んし』
ぁや、苦言が耳に痛いれす。
いや、耳から聞こえて無いんだけどね。
っか…
ヤッパリ男ですから。
ねぇ、ノームル。
ってあげました。
優しいでしょ、ぼきゅ。
静観していたノームルさん。
現在追及されとりますな。
めでたしぃ~めでたし。
そんな内心での遣り取りは刹那にて。
未だに店内へ入店したばかりなり。
これって思考が加速してる?
精霊契約の影響かねぇ。
ま、いっか。
店内なんだがな。
清掃は行き届いているんだが…
壁から直接花が咲いたりしとりますな。
どがぁなってんねん。
各テーブルの中央部にも花がな。
うん。
花々しく花やかっうヤツですか。
えっ?
花が違う?
何の事でしょう?
椅子も籐製なのかな。
なかなかに洒落とりますなぁ。
背凭れは高く編み込み形式らね。
身を預けてたらリラックス出来そうれす。
ウェイトレスさんにエスコートされて席へと。
他の席には御婦人のグループとカップルが数組。
商人さんらしき方が談笑している。
商談中かな?
夕餉には、まだまだ早い時間帯。
午後のお茶っう感じかな?
優雅れっすねぇ。
氷菓子を頂いている方々も。
しかし…
今の時期に氷かぁ~
どうやって氷菓子の氷を得てんだろね。
そうそう、今気付いたんだけど…
氷菓子は何で[こおりがし]って言わずに[ひがし]っうんだろね?
どうでも良いけど…なんだかモヤモヤしますです。
それはさて置き、問題は何を頼むかだっ!
談笑している御婦人方が食されているケーキも実に美味そう。
フルーツ満載のタルトやスポンジケーキ…
ロールケーキも御座います。
チョコ系は見当たらない。
そこは残念です。
だが、問題はソコでは無いのです。
氷菓子と言ったら掻き氷程度だろうと思っていたのですよ、私はぁっ!
それがですよ、ア~タ。
そ・れ・がぁっ!
彼処の御ぜぅ様が食されているのはアイスINパッフェ。
更に更にだっ!
ソフトクリームサンデーらしき物も。
えっ?
呼び名が違う?
そんな事は知らん!
俺が呼びたい様に呼ぶのみ。
そして究極かつ至高と俺が断じよう。
それが、俺の前にあるアイスケーキである。
えっ?
単なるケーキじゃ無いかって?
チッチッチチッ。
甘いよ、チミィ。
フンワフワのメレンゲアイス生地で複数種類ソフトクリームを波打たせて挟む。
生地にも波立たせたソフトにもアイスクラッシュフルーツや味付け氷の粒が。
デコレーションにも凝ってやす。
様々なフルーツやクリームが様々に象られ飾られる。
色と味の付いたミニチュア氷人形や木々に建築物…
池などまでね。
泳ぐ魚まで象りましか。
最早アートです。
前の世界で行うなど不可能だろう。
食卓へ供される前に溶けちまわ。
冷凍部屋なら可能かと言うとだ。
逆に温度が低く成り過ぎ、ソフトな感じが氷付いて無くなるだろうさ。
つまりはだ。
この食感と味は、元の世界では再現不能なんさ。
似た様な形だけなら再現できるだろう。
だがな。
大概が食べてる最中に溶けてまわぁ~なっ。
それが食べてる最中にも関わらず溶けません。
口内にて始め溶け解れ、絶妙たる食感と味を演出する訳ですなぁ~
無論、適切な温度に保つ魔術があるからこそ、成せる技と言えます。
いやいや。
実に堪能ですが…
非常に高度な術を行使しとりますよね、これ。
幾ら魔術のある世界だと言え、容易く行えることではござーせん。
料理を供するのに使用するとは、何て無駄使い。
実に素晴らしい。
どんどん遣るべきだ。
そう思います。
だってさぁ。
上の飾りの味は甘くも諄くも無く、爽やかなる感じで潔く消える。
んでな、んでなぁっ!
この食感が堪らんのよ。
薄い所は溶けるが如く。
厚さがパーツパーツにて異なってな。
シャリシュリ、シュリシュリ、カリコリってな。
言い表せ無い程の食感も…
これが奥様!
なんと、飾りに過ぎないのですよっ!
信じられますことっ!
味色付き氷にて象られたミニチュア氷菓子。
うん。
これぞ、まさに氷菓子ってな。
なのに前座って…
メインに対する期待に、胸がトキメキやす。
んでぇ、ケーキ本体っと、相成りやしたぁぁっ!
匙にて掬って口へ。
うん。
今直ぐに救ってあげますよ。
お口の中へとレスキューよっ、てな。
ふぅんわっ!?
あに、これ…
と、トロけるぅ~
フンワフワのスポンジに滑らか艶やかたるクリームが…
クリームは、味も食感も固ささえ異なる物が複数。
濃厚なクリームや淡い爽やかなクリーム。
様々なクリームが波打つ層となっとりますです、はい。
スポンジも淡淡とした柔らかい味で、クリームの味を受け止めるとです。
そしてスポンジとクリームに散りばめられたクラッシュフルーツと小さな氷さん。
まるで宝石の様ですね。
食べれる宝石…
有りです、有りです、アザァースぅ!
カリコリ、シャリ、シャナリとね。
スポンジとケーキな味へと彩りを…
そうかぁ…
これが氷菓子なんだね。
納得の味です。
堪能しましたよ。
皆さん如何ですか?
イヒッ。




