ある日突然に0028
「これだけ広い湖ですから、力ある精霊様もおられるでしょうな」
護衛騎士の1人がね。
「うむ。
此処へ来たのは我が管轄地と言うのもあるが、精霊様からの御推薦でもあるのだ。
故に問題ないとは思うのだが…
この広い湖から、如何に精霊様方に集まって頂くかだが…
矢張り此方から出向くべきか。
いや、しかし…
この広い湖を満遍なく巡るのも…
う~む」
親父様、お悩みねぇ~
目の前、水精霊様だらけなんっすがぁw
水精霊様が群集にて群れ集ってやす。
いや…
文法的にどうよ。
群集にて群れ集って…
うん。
余りの光景に動揺しとります。
だって…
幼子だもん。
『都合良しな幼子でありなんし』
そう、私がガリルです。
『………』
あっ、反応しなくなった。
屍の様だ。
『誰がでありんすやっ!』
お冠れす、大人げない。
『も~嫌っ』
勝った。
んっ?
ノームルが慰めてるか…
良い雰囲気だから放っておこう、そうしましょ。
ってな。
「矢張り回らねばなるまいな。
ガリル、行くぞ」
「えっ、何処へ?」
本当に、何処行くの?
「何を言っておる。
精霊様と契約しに行くに決まっておろう」
「へっ?
此処じゃダメなの?」
皆さん此処にいらっしゃるのにね。
何でだろ?
「此処に全ての精霊様が来られている訳ではなかろう。
故に此方から出向くのだ」
「えっ?
わざわざ出向かなくても…」
ねぇ。
「いや。
此方から赴くのが筋と言うものなのだよ。
おまえにも、何れは分かろう」
いや、そこ迄、力説されたらねぇ。
「分かったよっ」
「分かれば良いのだ、分かれば」
親父さん、御満悦。
「水精霊の皆様が、折角集まって下さっているのに仕方ないよね。
行こうか」
ったらな。
「それを早く言わぬかぁっ!」
って怒られやした。
解せぬぅ。
ほんでオーデションと相成りましたぁっ!
ドンドンパフパフ!!
審査員は親父殿。
4人の騎士がサポートれす。
親父さん、アンチョコ持ち、チラ見れす。
お袋様監修のマル秘アンチョコやね。
最早言いなり。
リモートコントロールれす。
手綱はシッカリと握られてるってな。
親父の威厳崩壊です。
矢張り我が家最強は、お袋様れすか、そうですか。
困ったものです。
んでな。
俺は契約候補の方々の通訳れす。
何せ親父さん達には精霊様方が見えません。
無論、お話しなんて、以ての外ってな。
だから、俺が通訳するしか無いだよ。
困ったものれす。
ほんでな、沢山お集まりになった精霊様方なんだが…
大半が野次馬でした。
暇人、ちゃう、暇精霊かぁっ!
精霊契約できる人族などレア中のレア。
例えるならば…
メタルスライムはレアだが逸れメタルは激レア。
なのに、逸れアダマンタイトや逸れミスリルに逸れオリハルコンなんぞになればな。
逸れプラティオンなんてなれば、見た人間が見た瞬間に卒倒するレベルだとか。
って、何言ってんだ、俺?
『!?
本人が分かって無かったでありんすかぁっ!!』
まっ、そんな事もあるさ。
『流したでごわすぞっ!』
そんなレアな俺を一目見たいっう事らしい。
ほんでな。
選ばれたのがウィンディーナっう美人さんでな。
シルフィーナとノームルが候補としていた水精霊さんだったよ。
って…
オーデションの意味ねぇーw
『妾を選んで貰い嬉しく思うわぇ。
早速、契約するわいなぁ』
さいですか。
俺が頷くとだ。
矢張り現れましたよ、魔法陣。
シルフィーナお姉様の時と同じく、俺の前へとな。
精霊槍に貫かれる訳ですね。
分かりたくありません。
って…
そんな事を思った事もありました。
現れた魔法陣なんだがな。
ウィンディーナお姉様を受け入れたと同時に、俺の周囲を周り始めました。
えっ!?
別パターンなの?
ハッ!
まさか…
周りながら槍が周囲から無数に放たれ槍衾に覆われる訳ですか?
分かりたくありません。
だが…
予想とは覆る為にあるもので…
魔法陣からは水のシャワーがね。
濡れないし、冷たくも無い。
ただな。
それが集まり、徐々に水球へと。
はい、水球へっ閉じ込められましたが…
何か?
確かに息苦しくは無いし、害も無さそう。
だけど、ジワジワと水球へと閉じ込められるのは精神的にね。
何の拷問れすか、これ。
何の拷問れすか、これ。
大事な事なので、2度言いました。
そして完全に水球へと閉じ込められたら、水球の水が俺の中へな。
精霊契約って…こんなんばっかしかっ!
『良しなにのぅ』
さいですか。
取り敢えずは、契約成功っう事で良いのかな?
良いともぉ~
ってね。
んっ?
ウィンディーナお姉様が、なんだか戸惑ってやす。
何だろね?
シルフィーナお姉様やノームルから色々聞いて唖然としている。
うん。
照れますなぁ~
ま、これで水精霊様との契約も終わった訳だ。
さて、帰るべ帰るべ。
撤収ぅっ!
無論、村へね。
なんて思っているとだ。
「ふむ。
長かったが、漸く終わったな」
親父さんがホッとな。
本当に長かったよぉう。
途中で別荘館より昼食が届けられ、食したら続きっう感じでな。
非常に疲れましたです。
そしたらな。
親父さんの続きが…
「では、約束の氷菓子を食べに行くかね」
っだとぉっ!
俺とした事が、こんな重要な事を忘れていたとは情け無い。
行くよ、行く行く、行きますよぉ~
Let's ら Go。




