ある日突然に0021
兎に角、精霊契約なんぞは御免です。
なので知らん顔、知らん顔。
何を告げられても無視して歩みを進めます。
小さな、小さな泉さん。
綺麗なお魚さんが放し飼いされており、景観もグゥゥッドれす。
一応は柵がされていて、今の俺の背では越えられない。
胸より高い位置にて遮られてますからねぇ。
無理ですよ、これ。
妖精さん達に視線を遮られていても、泉には落ちなかったんじゃね?
そう思えます。
そんな泉を横目にお散歩を続行中。
っても…
精霊お姉様方が煩わしい事甚だしい。
妖精さん達も視界を塞ぎます。
散歩の邪魔なんですが。
それでも忍耐力を示しつつ、淡々と歩みます。
なんと言う忍耐力でしょう。
俺、凄いっしょっ!
エッヘン!!
そして泉を通り過ぎます。
柵の中へは入れませんでした。
いや。
立ち入らなかったんだけどね。
何せ俺って幼子の身やんね。
万が一、泉に嵌まったら助かりません。
魚を近くで観たりしたかったけど…
そこは自重と言う事で。
美しい風景を愛でつつ通り過ぎます。
うん。
雅で風流なり。
俺ってば風雅人ってな。
自画自賛しながら漫ろ歩き。
とうとう泉を後に…
『待つであるやぁぁぁっ!!』
んっ?
変態水精霊お姉様が悲痛な声を。
どったの?
そが声を、不思議に思い、後ろ見る。
そがぁしたらな、水精霊お姉様が立ち往生。
なんぞっ?
『ふふふっ。
水精霊は水がある所にしか顕現できぬであるや。
しかも顕現できる水場は限られておるでな。
テリトリーとして確保しても、場を離れると他の水精霊に奪われるであるな。
なれば、アヤツは彼処を離れられぬのであるぞ』
説明乙。
って頼んで無いんだけどね。
自分は俺へついて来れるからって、悦に入ってますよ。
困った風精霊お姉様れす。
悔しそうな変態水精霊お姉様に『ふふん』って勝ち誇ってます。
いや、アナタとも契約しませんけど…
何か?
だけど…
『ふっ。
縛られずについて行けるのは、そなたのみでは無いで御座るぞ』
その様な声が…
武士?
武士なの?
思わずキョロキョロってな。
う~む。
声はすれど姿は見えず。
はて?
したらな。
目の前の道。
土の道なんだが…
地面からスゥィーっと現れた訳よ。
「にぎゃぁぁぁぁっ!!」
思わず悲鳴をな。
そら、そんなオカルト的な出現の仕方をされたら誰でも驚くわっ!
悲鳴を上げても仕方ありませんよね?
そうに違いないのですっ。
けど、そんな悲鳴を上げたらな。
お察しだとは思うが…
「何事です!」
「ガリル、どうしたぁっ!」
「ガリル。
大丈夫ですのっ!」
皆が心配して駆け付けました。
大騒ぎれす。
困ったもんですたい。
みんな集まる力瘤ってか。
「いや。
大丈夫だよ。
ちょっと驚く事があっただけなんだ…
大声を出して御免なさい」
ってね。
此処でショッボォ~ンっう感じをね。
此処、重要っ!
テストに出ますからね。
って、嘘れす、嘘。
でもな。
見よ、この効果をっ!
美幼女に見紛うばかりの男の娘て呼ばれる我が容姿にて行えば、効果覿面なりっ!
自分で言って自分でダメージを受けやした。
コレを人は自爆と言ふ。
ナァ~ムゥ。
って、ウッサイわっ!
「それで、何があったのです?」
うっ!
流石は、お袋さん。
親父さん達の様に誤魔化されてはくれません。
だから…
「うん。
ちょっと虫が現れて、ビックリしただけなんだ」
そうね。
精霊っう虫ですが…何か?
それで、お袋さんも納得ってな。
コレにて一件落着ってよぉ。
チャンちゃんって終わる筈だったんだが…
「そう言えば…ガリル様」
んっ?
あのメイドさんは…
さっきのメイドさんれすね。
って事は…
「先程の精霊契約って…
如何なされました?」
いや、アナタ…
唐突に爆弾発言をですね。
皆さん、メイドさんが発した意味を理解できずに、彼女をマジマジと。
メイドお姉さん、みんなに見られてオドオドってね。
っか…
お袋さんは、俺をジトォ~ってな。
その眼力に負けました。
思わず、ツィィィッって顔を背けて…
「ガリル」
静かなる声なのに有無を言わせぬ、その迫力。
お流石れす。
思わず、ビクッとね。
仕方ないやね。
「説明してくれますね?」
ニッコリと。
うむ。
蛇に睨まれた蛙の如し。
「な、なな、何の事れしょっ!?」
アダダダダッ!!
しら噛んりまちた。
ててっ。
はい。
誤魔化せられませんでした。
仕方なく妖精と精霊が見える様になった事。
精霊から精霊契約を迫られている事を説明。
うん。
親父さんが興奮して騒ぎ始めています。
だから嫌だった…
って。
お袋さんに耳を摘ままれ鎮圧されましたか、さいですか…
うん。
我が家の序列が良く分かりますね。
っか、ありゃ逆らえませんて。
「精霊契約ねぇ…
聞いた事が無いのですけれど。
ガリル。
その精霊様とお話できるのよね」
最早、隠し事は不可能でしょう。
仕方ない為、素直に頷きます。
俺ってさぁ、無駄な抵抗はしない主義なんれす。
「では、その精霊さんに詳しい事を尋ねましようね」
さいですか。
んで、お袋が精霊様方へと色々な。
俺?
俺は精霊様方への通訳れす。
納得イカンっ!




