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ある日突然に0015

村役場の玄関前にて発生した軽い混乱が収まる。

全くぅ。

何が原因なんだってばよぉ。

困ったもんですたい。

そんな状態を華麗にスルーする事にした俺は、サッサと村役場の中へと。

付き合っておれませんからな。

暫くして、慌てた様に女性職員が追従ってかぁ。

うん。

若くて可愛い系のお姉様ですね。

綺麗なお姉様は嫌いですか?

いえ、好物です。

でも、可愛い系のお姉様も、もっと好きれす。

中身はオッサンなんですわ。

すんまそぉ~ん。

村役場の中に入ると玄関ホールへと。

壁際に沿う様に長椅子が、壁から垂直よりやや斜めに並べて設置されていた。

受付カウンターにて応対を受けている者達。

処理待ちにて待合い用長椅子に腰掛け待つ者。

様々である。

俺もマナ検査を受け付けるカウンターの前へと移動したのだが…

「ほぉぅ。

 これは、なかなかに賢き御子息であらされるのぅ。

 ですが、坊ちゃん。

 代官様の御子息であらされる坊ちゃまの受付は、事前に済んでおるのですよ。

 故に並ばなくても宜しいのですがのぅ」

微笑ましそうに告げる。

親父さんも、そんな俺を微笑ましく見るが…

「でも…

 さっき皆と同じ様にって、お父様が仰ってられましたし…」

良しっ!

何とか言い切ったぜっ!

俺、偉いっ!

褒めて、褒めてぇっ!

ゆっくりと慎重に話したから、舌を噛む事も無かった。

ちょっと、たどたどしかったのはご愛嬌ってな。

しかし…

5歳児にしては成長が少し遅い様に感じるんだが、この身体。

大丈夫かぁ?

まぁ、個人差もあるしなぁ…

しかしだ。

たどたどしく告げたとは言え、内容は5歳児が告げる内容では無かったみたいで…

「ほっ!

 これは、なかなかに賢き子じゃて」

村長さんが驚いた様に。

親父さんは苦笑いを浮かべて告げる。

「別に貴族だから事前受付を済ませておる訳では無いぞ。

 庶民でも予めに受付申請を行っておけば、当日は受付時に渡された割り符を持参すれば検査を受けられるのだよ。

 検査当日は混む故に、少しでも緩和する処置なのだ」

俺の頭を軽く撫でつつ告げる親父さん。

お袋さんは微笑ましく見ているだけやね。

この場合は慎ましくってヤツかな。

まぁ…

家で実際に権限を握っているのは…

それは、さて置き。

親父さんが割り符を取り出し担当職員へと渡す。

職員のお姉さんが割り符を合わせ確認。

俺を検査室へと誘導だな。

「では、行って来るねぇ~」

年相応に告げて手を振りお姉さんへ続く俺。

「ガリル。

 お姉さんの言う事を聞いて、良い子で検査を受けるのよ」

そうお袋さんが。

うん、俺、何時も良い子だよ。

大丈夫さぁ。

「まぁガリルは賢い故、大丈夫であろう」

いや、親父さん…

いきなり親バカ爆発せんといてけれ。

その締まりが無くなった顔は情け無いぞ。

だから、お袋さんに抓られるんだってばよぉっ!

そんな両親をスルーしながら移動ってな。

「よぉ、ガリガリ。

 おまぁも今日、検査かっ?」

お~っと。

年上悪童が1人、キース君じぁ、あ~りませんか。

っか…

「ガリガリっーなっ!

 俺は何処ぞの萌やしっ子やねん!

 あっ!」

つい、悪ガキ共と遊んでいる時の口調に…

お姉さんや周りの大人達が、驚いて俺を見ている。

「くっ。

 くくっ。

 猫を被っていても、直ぐにボロが出るぞ」

クソォっ。


代官子息らしく、大人しくしておこうと思っていたのに…

「うん。

 矢張り、ゼネティス様のお子様だて」

「そうだな。

 実に親しみ易い」

「んだっ、んだっ」

おんやぁ~っ?

意外とウケが良かったりするのか?

「あの~っ、皆さん。

 立ち止まらないで検査室へと移動願えませんでしょうか?」

お姉さんが困ったように。

だが…

うん。

そんな困った様な顔も実に良いっ!

眼福です。

んな事もありながら、俺達は検査室へと移動。

無論、悪童にて悪友のキースとダベりながらだがな。

馴染み過ぎ?

いえ、仕様です。

漸くマナ検査室へと至る。

早速、中へと。

部屋の中には係の者が。

村役場の職員だけでは足りない為、村人や口入れ屋から派遣された者達も雇われて手伝っている。

村にて誕生日を迎える者が、毎日現れる訳では無い。

無いが…

誕生日が重なる日もある訳で…

特に春先に出産が重なる傾向にある様なんだ。

作物の種蒔きや植え込みが盛んな春。

この時期が終わり作物や家畜が落ち着く初夏。

少し北にあり夏の暑さが穏やかなこの地では、娯楽も乏しい事から盛んになる傾向に。

何かは言わんよ。

パピプペポ。

んでな。

十月十日と申しましてな。

丁度、この時期がマナ検査ラッシュとなる訳で…

うん。

来月はウィンティアの誕生日な訳で…

家の両親も例外では無い様だな。

そんな検査を受ける者が多い季節ともなると、村役場職員だけでは人が足りない。

故に臨時に雇っている訳だ。

そんな中、俺には職員のお姉様がつく様で…

「ではガリルちゃん。

 検査を始めますねぇ~」

って、検査版が置かれた場所へな。

ほぉ~

これがマナ検査版かぁ。

木枠へ黒い艶消し石版が嵌まっている。

石版へは白い塗料にて目盛りが付けられているな。

子供用と大人用の石版では形の差違は無い。

だが大きさが違う。

子供用の検査版は、一回り小さい様だ。

「此処にね、お手手を置いて欲しいのぉ~

 置くだけで大丈夫だからねぇ~

 怖く無いから、大丈夫よぉ~」

だからぁっ!

子供を、あやす様に言うなっ!

んっ?

アンタ、子供だってか?

そだけどさ。

俺の精神年齢はオッサンな訳。

分かるぅ~?

「へぃ、かぁ~のじょぉっ。

 お茶しない?」

って曰っても…

調子に乗りました、すんまそぉ~ん。

へいへい。

仕方ないですなぁ~

そんなん思いながら、検査版へと両手を置く。

素直でしょ、僕ぅ。

んっ?

内心とのギャップ?

なら萌ときなさい。

ギャップ萌っうでしょ。

違う?

何が?

んな事を思いながら手を置くと…

置いた所から検査版が黒からプラチナゴールドへと発色して行く。

「きれぇ~」

思わず声がな。

だがお姉さんは、目を見開いて検査版を凝視している。

何事ぉ~

んっ?

検査版がプラチナゴールドに染まったな。

キレイなんだが…

ピキッ。

ビギィ~ッ。

ギギギギギッ!

不穏な音が…

パキッ。

パキキキキキッ。

バギィッ。

バキャァン!

メキャメキャメキャ…

ザザァーッ。

え~っとぉ。

検査版が粉々になって砂塵化しちゃいました。

何事ぉぉぉっ!?

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