ある日突然に0106
プゥンプゥ~ンっうよりは…プンッて感じて拗ねるファラール。
いやねぇ、美幼女たる幼姫の要望なら叶えたい所ではあるのだが…流石に伯爵家嫡男でしかない身である俺が姫を呼び捨てって…どうなのよ?
それって、何て不敬ってな。
こんな若い身空にて不敬罪にて斬首って…オラ、嫌だべさ。
んな事を思っていると…後ろから執事さんがね。
「ガリル殿下、殿下は御姫様の御婚約者にあらさられまする。
故に、今の御身分は伯爵家預かりでは無く、王族御一家の御一員となりますれば…どうか御姫様の御願いをが適え奉らん事をば」ってか。
いや…ねぇ、確かに、そうなんだけどさぁ。
行き成り王族扱いって…どうなのよ、それ?
普通は婚約状態の場合は身内扱いには成らんっと思うのだが…違うのだろうか?
っかね、執事さん、チミィ…その言葉使いってさぁ、何とかなんないのかねぇ?
堅苦し過ぎるってばよぉっ。
今は、それよりはファラールだな。
え、えーっとぉ…
「ファ、ファラール…姫…様」って、思わず言ってみたのだが…如何でしょうや?
いや…ね、ファラールが俺をジィィィッっと見てましてねぇ…
「姫様って、いやないっ!」ってさ。
いや、さいですか?はい。
では…「ファラール…様?」ってな。
いや、マジで勘弁して欲しいのですが…ダメですか?うん、ダメの様ですなぁ。
首を横に振って告げて来る。
「もぅ、様、要やないのぉっ!
ファラールはファラールなのぉっ!
ガリル様にはぁ、ファラールって、呼んで欲しいのぉっ!
ダメ、です…かぁっ?」
いや、可愛く首をコテンって傾げてアヒル口にてウルウル上目使いって…誰が教えた、そんな事ぉっ!
小聡明い、小聡明過ぎるがぁ…可愛いぞぉっ、コンチクショウぅっ!
流石に、これは陥落でしょう、はい、参りました。
「分かったよ、ファラール。
それでね、転移陣が設置できたから…陛下に言上差し上げねばならないのだけれど…ファラールは、どうするの?」
取り敢えずは確認をな。
「ん~、ファラールねぇ…アレ、使ってみたいのぉ」ってさ。
いや、予想は出来たんだけどさぁ。
さぁ、困ったぞぉ…いや、転移陣は正常に稼動しているし、ファラールが転移するのも許可を得ている。
だから使用は可能なのだが…流石に陛下の許可を得る前にファラールの転移を許す訳にはなぁ。
そんな俺の懸念に気付いたのか、ファラール御付のメイドの1人がファラールへと告げる。
「姫様、成りませぬ。
この陣の使用は陛下の許可を得た者のみが可能となっておりますれば、例え姫様であろうと陛下より許しを得ぬ者は使えませぬ故。
この事は陛下より厳重に申し付かっております。
故に、許し無き今、姫様が陣を使うなど罷りなりませぬ」ってさ。
いやね、言う時には言うメイドさんなんだねぇ。
ちょっと感心って感じかな。
仕える者の言い成りとなる事が仕える事と勘違いして主を諌めない者が多い今の世の中で、キチンとファラールを諌めて導くメイドさんって…意外と貴重な存在かもな。
ファラールもメイドさんの諌めを聞いてシュンっと静かに。
うん、我儘を言わずに、素直にメイドさんの諌めを受け入れるかぁ…ファラールは、良い子なんだなぁ。
いや…間違っても、よゐ子では無いからな!
ファラールに「獲ったぞぉ~」ってさせる気はありません!
えっ?誰も、そんな事は言って無い?さいで…そら、また、失礼しましたってか。
んっな事は置いておいてぇ…
「ファラールさぁ、一緒に陛下の所へ行こうか」
そう提案ってね。
どうせ俺は転移陣を設置した事を陛下へと報告せねばなんねぇ。
ファラールも陛下より転移陣使用の許可を得なければならないのならば、一緒に行けばね。
そんな事を思ったんだけど…どやろか?
そんな俺の思いとファラールの思いが一致したのだろう。
ファラールが嬉しそうに俺へと告げる。
「そうですわぁ、ガリル様と一緒にお父様の所へ参りましょう。
フフゥ~ン。
ガリル様と一緒、ガリル様と一緒ぉ~」って…何か弾む様にハミングしてらっしゃる。
何が、そんなに楽しいんだろね?
ちと戸惑っていると、ファラールが俺の腕を取り…腕組みぃっ!!
いや、ヤケに大胆な美幼女姫ファラールたんであるなぁ。
って、おおおお、落ち着けぇ、俺。
相手は子供、相手は幼女、相手は美幼女…って、んっ?…アウトぉぉぉぉっ!
って…今の俺はファラールと同い年だから…良いのか、これ?
そんな事を思いながらも、ファラールの逆エスコートにて廊下を歩む、俺。
擦れ違う方々は…「あらあら」「まぁまぁ」っう感じで微笑ましそうに見送って下さる。
いや…何気にぃ大ダメージなのですが…グッスン。
そんな俺の内心ダメージを知ってか知らずにか、皆さんは暖かく見守って見送って下さっている訳でぇ。
俺の精神が、ガリガリと音を立てて削られて行くようなぁ~
何で、こうなったしぃ。
っか…柱の影で…「美幼女2人…ハァハァ、萌ぇぇっ」って言っている貴族ぅ…アンタぁ、アウトぉぉぉぉっ!
ってもな、警邏の騎士さんに、優しく連れ去られていましたから…ね。
あの後、どうなったんだろーねぇ。
知りたくも無いけどさぁ。
まぁ…そんな感じで移動して、謁見の間へと帰って来ましたよ。
っても、扉の前ですけどねぇ。




