ある日突然に0104
執事殿に案内されて王族専用フロアーへと分け入りましてね、豪奢な装飾品にて飾り立てられた廊下を進む訳です、はい。
静々って感じにて進んでいると…何だか擦れ違う方々から微笑ましそうに見られるのですが…はて?
ヒソヒソ声をシルフィーナが拾って来て…って、要らん事せんで、え~からねっ!
っても、聞えてしまうのは仕方無い訳でぇ~
「あら、可愛らしい方ねぇ。
何処の御嬢様かしら、愛らしいわぁ~」
「本当で御座いますわねぇ。
あの様な美幼女たる御令嬢が噂にならない筈が無い筈なのですが…」
メイド連中がヒソヒソながら非常に、ひじぉ~にぃぃぃっ姦しいっ!
っか、喧しいわぁぁっ!
だぁ~れぇが、美幼女やねんなっ!
オラ、男ずんずらでぇっ!プンプゥ~ンってな。
『いや…その身形では仕方無いわぇ』ってウィンディーナがねぇ。
いやねぇ…今迄は成るべく男らしい衣装を心掛けていたのですが…
強制やから仕方無いやんねっ!
これでもさぁ、カボチャパンツの白タイツな王子オウヂ様衣装よりはマシさ。
それより酷いキンギラキンの貴族様衣装的な典型的な成り上がり貴族のボンボン衣装なんて論外だし…
ましてや御姫様衣装なんてぇのは論外中の論外ぃっ!
そうなるとだ、選択肢は今着ている男装令嬢ポイ衣装ってなる訳だが…
長髪で三つ編みを月桂冠ポク結い上げた髪型がねぇ。
より女性美ポク見せてしまう様で…あにすっだ、すっだよぉぉぉっ!
え゛っ!?なら、拒否れば良かったんじゃねってか?
あ~たぁねぇ…あのメイド軍団に迫られて出来ますのぉ~ん?
更に、更にだぁっ!お袋様の目が光ってんだぜぇっ!
そしてキラキラしたウィンティアの瞳が俺を、俺を直撃してんだよぉぉぉっ!
あの状態で拒否る事が出来る勇者が居れば御目に掛かりたいわぁっ!
なので、現在の衣装は仕方無いとしてもだ…俺はぁ…男…なんですがぁ…グスン。
声を大にして言いたいけどさぁ、此処は王族専用フロアーにて粗相は厳禁ってな。
だから言われるが侭に静々と廊下を案内に従い進むしか無い訳でぇ。
なんて晒し者?廊下引き回しの刑ってか?
もーいやっ!って精神力がゴリゴリと削られつつ移動し、漸く、よぉ~やくぅぅ、用意されたと言う転移部屋へと辿り着きやした。
なんで、こんなに遠いんやねんやぁっ!って思っていると…
「初の王家の御方々がおわす御所ゆえ、成るべく多くの場を通っての案内となりました。
陛下の下知にての御案内となりましたが…御堪能頂けましたでしょうや」ってね。
い、いや…えらく掛かるって思ってたんだけど…雅かのねぇ~
陛下ぁえ~
ドッと疲れが増して来たが…着いたんなら作業を始めるかねぇ。
部屋の前には衛兵が入口を守って直立している。
彼らに俺を執事が紹介し、許可を得て扉を開き部屋の中へと。
入ったら…
「あ~、ガリル様ぁっ!
漸く来られたですぅ」
ってファラール姫が俺を御出迎え。
って、えっ?いや、何でファラール姫が先に来て待ってんのさぁっ!
驚いてマジマジと彼女を見てしまった訳だが…
ポッって…いや、ポッてな。
美幼女なお姫様たるファラールが頬を染めて…誰得やねんなっ!
俺得?喧しいわっ!
ちと、微妙な空気が…って!執事とメイド共ぉっ!ニヨニヨすんじゃねぇっ!
非常に微笑ましく見守られる身にもなってみろやぁっ!
俺の精神年齢的に耐えられんわっ!
なので、秘儀スルー技を発動なりよ。
「さて、転移陣を設置しますかねぇ」って部屋の中央へと移動ってね。
いや、ファラール姫さぁ…そこに陣取られると転移陣を設置できませんからね。
俺が近付くと顔を真っ赤にしてワタワタし始めたんですが…俺にどうしろと?
思わずファラールの後ろに控えたメイド衆3人娘?に目を向ける。
リーダーらしきメイド様に目配せをすると、流石は王家のメイドらしく察してくれた様だ。
「姫様、王子様が転移陣を部屋へと下賜さますとの事。
御所作の御妨げとなりませぬ様、下と共に玉体を御移し願えますでしょうか?」
そうファラールへとね。
いや…誰が王子やねんな、っても姫っわれるよりはマシやけどさぁ…
そしてねぇ、その仰々しい話し方は、何とかならんのかいなっ!
ほぉ~んとにぃ、疲れますです、はい。
それでもファラールを言上って感じだが諌めてくれるのは有り難い。
ファラールも、俺の作業の妨げになっている事に気付いたのだろう。
大人しくメイド達のエスコートにて壁際へと移動ってな。
この部屋にも一応は調度品が持ち込まれており、壁際には棚や簡単な作業台などが設置されている。
椅子や小洒落たテーブルも存在し、その調度品が設置された場所までファラールを導いている。
ファラールが座ると、簡単な茶会を催す感じで準備をな。
そうそ、そこで御茶していて下さいなってなんでやねんっ!
別に此処で茶せんでもえかろーがぁっ!
突っ込み疲れるから止めてくんろ。
いや、気にしてたら進まんか…仕方無いから作業を始めよう、そうしよう。
っうことでぇ、取りぃ出しましたるはインクの入ったガラス瓶に御座います。
このガラス瓶へと俺のマナをコントロールして流す事にてガラス瓶へと封じられたインクへと俺のマナが浸透ってな。
十分にインクへとマナが馴染んだ所で、インク瓶のガラス栓を外しやす。
そして…無造作に床へとインクを注ぐ様に落とし流す訳で…
「あっ!ガリル様ぁっ!何をっ!」ってファラールが慌てた様な声をね。
メイド衆と後方の執事達も驚いて俺を見ている。
っか…開いた侭のドアから衛兵2人が除き込んでいますが…あーたらは仕事せぇいっ!




