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星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第7章「魔術試験編」
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【7章-7話】間違えて生徒会室に来た人(エイラ)の話

 その場が沈黙に包まれる。

(何で、何で魔術試験から学園祭の話になるの…?!)

メリアの頭はそんな思いで沢山だった。

何故なら、先程まで魔術試験に悩んでいたメリアの段を決めていたのに、突然学園祭を任せられたからだ。

「ごめんね。本当はこんな方法でなんか話したく無かったんだけど、今日どうしても決めなきゃ行けなくてね…」

「というのは外側だけでしょう?計画を言った私達の前で嘘をつくのは凄く不快だわ」

ラウィーヌが呆れながら言う。

「スアラ姉様も芝居が上手いですわね」

「へぇ。褒めるのね、ラウィーヌ?」

『えっと…?』

「もう、私が言うわね」

「任せていいのか…?」

エイラが軽く咳払いをすると、メリア達に丁寧に説明を始めた。


――先日のこと。

生徒会室で仕事をしていたナウアールが、「あ、そう言えば…」と呟く。

「明日、魔術試験の申し込みが配られるそうだね」

「そうなのか。俺も決めなきゃな…」

「そうですね…、けれど今年は学園祭の前に行われるんですね」

ペンを持って書類に書いていたサリアルが言う。

それを見たユベリアンは、少し唸って頭を抱える。

「学園祭の前がいっちばん嫌なんだよなぁっ…」

正論だ、と生徒会役員は全員思った。

書記のサリアルが書いているのは学園祭計画案。

同じく書記のユベリアンが書いていたのは、委員会やクラブの予定案のまとめ。

副会長であるスアラは、学園長に詳細確認をしに行っている。

会計であるロヴィリアとブルー・ウェンツは、予算の書類を確認していて、庶務であるリバールンは会長であるナウアールと共に材料等の全体の確認を眺めている。

こんな最中、試験があるとなると練習時間や勉強時間を取らなければならなくなり、生徒会の仕事の時間が削られる。

それは学園祭を行うには大ダメージだ。

「僕が受けようとしてる基本なら、練習しなくても大丈夫だよ」

「会長っ…、そういうことじゃなくて…」

ユベリアンが何か言い出そうと口をモゴモゴさせる。

そんなユベリアンの肩を叩いて、ロヴィリアは共感したような口ぶりで言う。

「…気にするなユベリアン書記。でもキツイはキツイぞ…、あれだけ決まれば限は良くなるけどな…」

「そうですね、最後のフィナーレだけ誰かやってくれる者がいたらいいんですけど…」

サリアルが言うと、扉の方から声がした。

「…そうなのですか?」

「あぁ、エイラ。スアラに会わなかったかい?」

生徒会室にエイラがいたのだ。

エイラは校風委員会の委員長と工作術式クラブの副クラブ長なのだ。

予算や企画について話に来たのだろう。

「スアラには会いませんでしたけれど…?」

ポカンと答えるエイラにナウアールは言った。

「スアラが直接聞きに行くから、クラブ室で待っていてと言われたかな?」

「…言っていましたか?」

「ナウアール。これはダメだ」

冷静に頭を抱えたロヴィリアが言う。

「…じゃあこれを手伝ってもらってもいいかな。…スアラが戻って来るまでね」


そう言ってエイラが聞かされたのは、学園祭のフィナーレの話だった。

「…ということよ」

「間違えて生徒会室に来た人が、一体何を言っているんだか…」

ラウィーヌも、エイラから話を聞いて協力したらしい。

『でも何で私が…?』

メリアが訊ねると、ナウアールが笑顔でメリアに言う。

「僕が見分けて頼むつもりだったけど、その前に色々な人に言われたんだ。メリアがするんだったら来賓が増えるって」

『色々な人とは…?』

「第2王子と第3王子だよ。父上が言ってくれて、属星魔術使いも来るって言っていたかな?もっと来ると思うけど」

「そう考えると、歴代一じゃないかしら?」

スアラが言うと、手元の封筒から紙を取り出す。

「これは第3王子から来た手紙なんだけど…「メリア・ファスリード嬢の完璧な魔術を見たいな、と思って」と来ているわよ?」

「僕が言ったからだね。第2王子も第3王子に誘われたらしいし」

(な、何で…。それにメリア・ファスリード嬢って…)

女性に〜嬢と付けるのは大抵は貴族等の爵位を持っている女性が該当する。

(…何で?)

訳の分からない情報を聞いたメリアは、その場に固まって一切動かない。

ずっとメリアに付いてきたアリアは、もうずっと前から表情が固まっている。

「学園祭のフィナーレ、メリアが飾ってくれないかな?」と言ったところからだろうか。

アリアはこんな意味不明なところで、一言呟いた。

「私、このままいていいんですか?」

「あぁ、勿論だよ」

その様子を見たラウィーヌは口角を上げて言った。

「…ですって。アリア・ラクアレーン?」

「怖っ…!?」

アリアは闇のオーラに呑み込まれた。

その瞬間、ナウアールはメリアの方に歩み寄って訊ねた。

「じゃあ、お願いしてもいいかな?メリア」


「…で結局断れなかったね、メリア」

『やだやだやだやだやだやだやだ…』

猫背で陰キャオーラを放つメリアは、明らかに目立っていた。

廊下ですれ違う生徒達は、誰しもそんなメリアを2度見する。

(と言うか、そんなこと言っている暇じゃないじゃん…)

メリアは本来のすべきことを思い出す。

『魔術試験の段階、決めないと…』

「…そうね。…もういっその事さ、基本にしない?私も取ってないし、一緒に受けたいしさ?」

間を置いてアリアが言う。

「考えるだけ時間使っちゃうでしょ?それに基本って楽らしいしね」

『……確かにそうかも』

「私、先に出しに行っちゃうね。自分で考えて出しなさいよー?」

『…分かりました』

アリアはメリアの返事を聞いて頷くと、メリアの手を掴む。

「早く教室に戻ろう!……あ、最近新しい2つ名を考えたの。聞いてくれない!?」

『はいっ…!』

メリアは恥ずかしながら、嬉しそうに返事をした。

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