表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第6章「新学期編」
54/100

【6章-10話】役割

 レイランド学園生徒会の役割は、主に3つある。

1つ目は、義務活動。

会計記録や、今後の行事についての話し合い、資料管理や承認確認…等の仕事。

2つ目は、取り締まり。

普段は風紀委員等、それぞれの委員会が注意を行ったりするが、大事となれば生徒会で指示を下す。


これまでは、フィーライト王国内の普通の学校とは何ら変わりは無い。

――だが、もうひとつ、魔術師学園らしい役割がある。


現場に向かう途中、ナウアールは少女に訊ねる。

(…この子は1年の…シア・ウィデ。話は大体分かったけど…)

「―――それで、現場は何処に?」

「ここですっ…!」

少女はアリーナを指差す。

アリーナは窓から快晴の日の光が差し込んでいて、床に反射していた。

ナウアールは後ろにいた青年に向かって指示を出す。

「魔力探知するから、リバールンとスアラは怪我人を医務室に」

「「はい」」

2人は、真っ直ぐにアリーナの端に倒れ込む少女達の元に向かう。

スアラと呼ばれた少女は、明るいブラウンの髪で、長さは肩の辺りまである。

「―魔力探知。―」

(魔力反応は…)

ナウアールは詠唱をして魔力探知をする。

(真ん中辺りに過剰な魔力跡の反応と魔力の痕跡…)

「怪我人はこの2人のみ…?」

「そうだと思いますっ」

(…それにしても、事故とは思えないな…)

ナウアールが床に触れると、魔力探知の影響で魔力の跡が光る。

(…魔術の痕跡、古代語じゃない言語の術式…)

フィーライト王国で魔術を扱う場合は、魔術式に古代語を使うことを決められているのだ。

古代語は数多くある語の中でトップクラスに複雑で、王国語とは全く異なる綴りと独特な文字が特徴だ。

―だが、床にはこれとは違った語がしっかりと刻まれていた。

(…リバン王国、か)

ナウアールは冷ややかな目で床一面を見つめると、数歩後ろに下がり、詠唱をした。

「―術式解析。―」

詠唱を終えると、アリーナの全体からありとあらゆる術式があちこちに現れる。

校舎を護る結界の魔法陣、外敵トラップ等全てが目に映る。

(…まずはここの術式を確認かな…?)

その時、ロヴィリアは、倒れている2人の身体を物のように物体浮遊魔術で浮かばせる。

「雑だよ、ロヴィー」

スアラが言うと、ロヴィリアは片手で魔術を操作しながら言う。

「無駄に体力使うくらいなら、浮かばせればいいだろ?…あとその呼び方やめろ」

「えぇ、昔はいいよって言ってたのにぃ?」

「やめろ」

「相変わらず、2人は仲が良いね。…浮かばせるのはちょっとあれだけど」

ナウアールが術式を指で追いながら微笑むと、ある場所を見たロヴィリアは、ある場所に指を差す。

「まぁ、いいだろ。………ナウアール。あそこ、錯乱結界と視界阻害の結界」

「うん、そうだね」

「術式はこれしか無いみたいだからその結界を確認した方がいいんじゃないか?」

「……それだけじゃあ、無いようだよ。ロヴィリア」

そう言うと、少女はこちらを睨む。

「幻影魔術、かな?」

「…」

「…ナウアール。それは流石に。反応が無いぞ?」

ロヴィリアが訊ねると、隣にいたスアラは詠唱をして掌を少女に向ける。

「―反射結界、解除。―」

そう言い終えると、次はアリーナの窓に掌を向ける。

「―風魔術、第74章、閉風。―」

すると、少女の周りに術式が浮かび上がり、スアラが詠唱した部分が消される。

アリーナの窓はカーテンによって閉められ、日の光を遮る。

「…これで術式と陣は見えると思いますが」

「うん、じゃあ全解除と行こうか。―全述式、解除。改ざん不能効果、付与。範囲109。小規模結界のみ。―」

詠唱をすると、浮かび上がった術式が光を放ち、次々と術式を書き換える。


――レイランド学園生徒会の役割、3つ目。

それは、魔術で違反者を罰することだ。


やがて光が止むと、少女の姿が変わり、メリアに攻撃を放った少女になった。

「…」

「…ネイ・ヘベリアント。君がこの子らを攻撃したのかな?」

ナウアールが指を差したところは、結界が張ってあった場所だった。

結界を解除した今、そこにいたのはメリア・ファスリードとラウィーヌ・ホリアベリン。

彼女らは壁に倒れていて、息はしていた。

(良かった…)

ホッと胸を撫で下ろすと、俯いていたネイ・ヘベリアント、と言われた少女はスカートを握って言った。

「……私です。リバン王国の魔術を扱ったのも、あの2人を気絶させて結界で隠したのも」

疲弊しきった顔だった。

「…分かった。じゃあ、この後―」

「―でも、これだけは…」

ナウアールが言いかけると、ネイは呟くように詠唱をする。

「―呪魔術、晦冥の刻…。―」

ネイが向けた先には、メリアとラウィーヌがいた。

「…ロヴィリア、スアラ。医務室へ運ぶ生徒と共に戻ってて」

「…大丈夫か?」

「いいから」

ナウアールはロヴィリア達がアリーナを去ると、直ぐに詠唱をする。

「―光魔術…」

手を伸ばすと、起き上がったメリアは口を開く。

「…やらなきゃ、やらなきゃいけないの…っ」

―――「ナウアール、絶対、私達がやらなきゃ、やらなきゃいけないの…っ」

前の敵に立ち向かうたったひとりの少女。

(…っ!)

「―我が学園の掟に反する者、親愛なる幻獣と精霊の元において、我らの神から命令を下す―ラティアールドの命。―」

「―夜への反転。―」

同時に詠唱を終えると、カーテンから漏れていた光が闇に遮られたように暗くなる。

「――星願いの誓い(レティートゥ・リパ)。―」

その後、ナウアールが詠唱をした魔術と、メリアが詠唱した魔術が重なり、呪魔術を跳ね返す。

(―あぁ、これが本当の使い道なのか…)

ナウアールは胸元を掴んで魔術を見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ