表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第5章「夏休み編」
41/100

【5章-8話】働き先で童話の話を

 ある日、家に誰かが訪ねてきた。―アリアだった。

アリアは入ると、真っ先にメリアの方に向かう。

「1日で見つけたなんて言ってて心配だったけど、綺麗ね、ここ!」

『まぁ、いい所は見つけられたからね…』

メリアが選んだ家は、王都に近くで人の行き交いが少ないエーベルン領の山の近く。

アリアの屋敷があるユリンダ領の隣に位置していて、自然も多いのでメリアには最適な場所だ。

建物はどこの家ともあまり変わらないが、窓から森の木の枝がチラリと見え、自然を感じる。

この物件を1日で見つけられたのはある意味天才なのではないか、とアリアは考えた。

(働き先も見つけられたから…。多少は休みでもこっちで過ごせそうかな…)

物件を見つけたと同時に、メリアは王都に働き先を見つけた。

これで当分は一人暮らしが出来そうだ。

メリアは働き先のことを考えながら、アリアと話していた。


次の日、メリアは働き先の場所に向かって、歩いていた。

服装は晴れやかだが、フードを被っているので少しばかし近寄り難い。

しかも、足は見れば分かる程に震え、滝汗をかいている。

(こ、ここ国立図書館に働くことになったけどどど、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い)

国立図書館は、レイランド学園に比べ物にならない位に非常に大規模な図書館だ。

「あ、メリア!」

(ひぇっ!?)

後ろを振り向くと、1人の少女が走って、こちらに駆けているのが見えた。

メリアに声を掛けたのは、ミレだった。

話を聞くと、「本が好き過ぎて働こうかなっ!と思ったから!」と元気良く言っていた。

(こ、こ、怖いっ)

メリアは笑顔で固まっていると、夏の日差しが一気に増す。

ミレは手で日差しを遮るようにしながら、片手を動かしてメリアを誘う。

「来て、一緒に行こっ!」

『あ、ありがとうございますっ』

2人は入口を目指して走り出した。


「君達には、整理をしてもらいたんだけど、どうやら高等科魔術師ということらしいね。だから魔導書や魔術書の簡単な整理を任せるよ」

図書館の司書にそう告げられた。

普段は魔導書や魔術書の管理は、書類取扱資格という特別な資格を取らないと扱えない。

魔導書は触れるだけで発動出来るし、魔術書でも、国立図書館なだけあって、危険なものも多い。

司書は、メリア達が将来魔術師になるにあたって、見習いの内に教えられることは学ばせたい、という思いがあるらしい。

(でも、他の図書館だと関わることさえ許されないからな…。確か学園の図書館もそうだった気が…。この司書さん、結構…)

メリアが司書の方に目を向ける。

国立図書館の司書になる位なら、国に準ずるものを伝える筈だ。

疑問を感じながら、メリア達は司書から図書館の掟や注意について聞かされることとなった。


―図書館は3つの棟から構成され、それぞれ本類、魔術・魔導書類、禁書類に分けられている。

立ち入っていいところは、禁書類以外。

魔術・魔導書類で鍵を扱っていいのは、資格保持者だけ。

禁書類へ入っていいのは司書のみ。

本類は誰でも鍵は扱って良い。

―職員は、貸出されたものを元の場所へ返却しに行く、又は整理をする役割。

如何なる時も禁書類の棟には行かないこと。

メリア達はこれらを伝えられた。

早速、メリア達には地図と共に返却する本達を渡される。

「仕事、お願いするよ」

そう言って司書は定位置へ戻っていった。

「鬼、鬼、司書さん、鬼!」

『まぁ、いいんじゃない…?その分給料も入るらしいし…』

口を膨らませながら怒るミレに、メリアはまぁ、まぁと慰める。

しばらく本を返却していると、ミレの言い出しから世間話が始まる。

ミレも平民出身のようで、両親が図書関連の職に就いているらしい。

ミレは寂しげな顔をすると、何かを思い出したかのようにメリアに訊ねる。

「童話の話、何か手がかりはあった?」

メリアは棚に本を戻しながら答える。

『友達にも聞いてみたんだけど…』

メリアはまだアリアの屋敷で寝泊まりしている時、1度聞いたのだ。

―〈母の生まれと童話の内容について〉を。


―『アリア、少し聞いても、良い……?』

「いいよ、全然」

『こんな後で聞き辛いんだけど、アリアのお母様の生まれか童話の話、聞いても良いかな…?』

アリアは少し黙り込むと、独り言の様に語りだした。

「童話については聞いていたから分かる。

前私が言ったやつでしょ?

あれは元の話を柔らかくしたもので、元々は別の国の話がだったそうよ。

お母様の知り合いの人が別国生まれだったらしく、聞いてて、いつの間にか話は広まって定番の話みたいになっちゃったの。

皆私と同じ内容を話す筈。

お父様に話しに行ってみましょ。お父様ならきっと話せる」

あまりの気遣いにメリアは謝罪をしながら、次にアリアの父に話を聞いた。

父の方は何かを迷っていたが、覚悟を決めると、優しく話しだした。

「出来る限り答えることにするよ。

妻はイーバン領家の出。

持病持ちで、跡継ぎには出来なかったから私がお見合いの話で向こうの家に行ったのだが、恋に落ちて私の家に嫁いできたのだ、という所までだ。

3人も子供が産まれたのは奇跡だと思ったよ。

……他に聞きたいことはあるかな。」

『大丈夫です。奥様が亡くなられて間もないのに、こんなことを聞いてしまって、申し訳ございません』

「いいんだ。引き続いてアリアと仲良くしてくれれば、それでいい」―


『…私が聞いたものと友達が聞いたのは、人物は同じだけど、内容は殆ど違う。借りた本も読んでは見たけど私の聞いた話のものは無かったから…』

メリアが一点を見つめて言うと、ミレは申し訳なさそうに言う。

「ごめんごめん。少し重い話になっちゃったね…。無理に聞いてごめん。そろそろ本戻し終わるから、司書さんのところに戻って―」

その途端、急激に身体中から魔力が使われるのを感じる。

(……?!魔力吸収っ?…一体何処から?!)

ミレが魔力探知を使おうと詠唱をすると、ある魔力情報だけ流れて、魔力切れで探知が途切れた。

メリアも詠唱をした為、その魔力情報を見た。

2人は顔を見合せる。

「メリア、これ…」

(吸収系魔道具の効果っ…。まずい、このままだとっ確かっ…!)

その瞬間、急激魔力不足によって2人はその場に倒れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ