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星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第4章「事件解決編」
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【4章-3話】昔昔のお話

 メリアがクレスに顔面パンチを食らわせた夜、メリアは1人部屋で1人反省会を開いていた。

「学園の敷地内だから暴走しないようにセアとの人格を頑張って頑張って半分にしてたのに…。結局殴っちゃったぁ…」

「でも、完璧ナイス殴打でした。そのセア様という人格様に感謝を述べたいのですが」

いつの間にかラリアードが隣に控えていて、メリアは慌てて自分の口を塞ぐ。

「おっと失礼致しました。私、勝手に出させてもらってます」

『言うの遅いですぅ…』

メリアは机に思いっきり伏せる。

「けれど、案外そんな気にするほど、悪くは無いと思っていますが?」

『でも、本当に頑張って半分意識残したんですよ…。私、頑張りました…』

机にへばりついたまま書くと、首元から契約石のネックレスを出す。

ぼぅと見つめていると、メリアは何か思ったようにラリアードを見る。

「いかが致しましたか?」

『そう言えば、精霊って食事摂るとどうなるんですか?!』

精霊は食事を取らないことは誰でも知っている。

だがメリアはその裏を思った。

「食事を摂ると精霊はどうなるのか?」

という疑問を。

ラリアードはしばらく無言で佇んでいたが、聞こえない程度に小さく言った。

「夜なので眠いんですね。早寝早起きは大切なので寝ましょう」

『違うぅ』

その後、メリアは無理やりベッドに寝かされ、そのままぐっすりと快適な睡眠を過ごした。


―これは昔昔のお話。

山のどうくつに悪い悪い魔術師さんがいました。

魔術師さんは、どうくつをすみかとして、あっちこっちでイタズラをしていました。

魔術師さんがしていたイタズラは、数え切れないほど多く、みんな困り果てていました。

ある日、魔術師さんがまたイタズラをしようとまちに行くと、ある少女に声をかけられました。

「どこに行くの?」

「君にはかんけいのない話だ。じゃあな」

魔術師さんはそう答えると、すたすたと歩いていきました。

しかし、少女はいつまでもついてきて「何をするの?」、「あなたは誰?」と聞いてきました。

とうとう怒った魔術師さんは、魔術で少女を消してしまいました。

でも、魔術師さんは心ではんせいしていました。

自分はただ皆を笑かそうと、イタズラをしていたからです。

怒った人々は、力を合わせて魔術師さんをやっつけて、少女を連れ戻しました。

しかし、魔術師さんは、まちの人たちによって星のずっとむこうに飛ばされてしまいました。

こうして、魔術師さんがいなくなったことで、街がより賑やかになりました。

おしまい。―

読み終わると、誰かがこちらに向かって話し掛ける。

顔を見ようとするが、ぼやけて目元がはっきり見えない。

[メリア、メリアはこのお話、どう思った?]

[魔術師さん、かわいそぉ。私なら魔術師さんのほお助けちゃうのにぃ、みんなひどいとおもぅ]

[メリアはそう思ったんだね。良い?メリア。メリアは自分がしたいことを全力でして、何かあったら、星空を見て、こう言ってみて。

「[この夜に集い現る星々(リヴァト・ライン)我の代償の誓いに従い(リュア・セィエン)総てを共に導く(レート・リア)神々同様光を掲げ(ミラ・ヴィーティ)救いと共に(デ・イヴ)世に願いをもたらせ(エレバントゥ・ミバー)

星願いの誓い(レティートゥ・リパ)―]」って]

[りゔぁ…?]

[まだ大丈夫。いつか、使ってね。きっと…。愛しのメリア]―


「メリアー?どうしたの?」

アリアがメリアの肩を揺する。

『…あぁ、ごめん。ちょっと考え事』

「ちゃんと寝てる…?よく寝ないと、身体に悪いよ?」

『…うん、分かった…』

(あれ、何してたんだっけ?)

メリアはアリアに返事をすると、止めていた手を動かして、急いで準備を始めた。


―1日が終わり、ホームルームが終わると、メリアは帰りの準備を坦々と進めていた。

「メリア。調子はどう?」

教室にナウアールが来たかと思うと、走ってメリアの隣に来て話し掛ける。

『はい、元気、です…』

二つ返事で返すと、そのまま沈黙が続く。

(私、なんか言ったかな…?)

ナウアールの顔を覗き込むと、その顔は嬉しそうに笑っていた。

「後ろ、アリアがいる」

(ん?)

素早く振り向くと、ナウアールを睨んでいるアリアの姿があった。

『あ、アリア?』

「ううん、ナウアール様、もう帰りますので、そちらもお戻りになられては?」

「そうだね。邪魔して悪かった。じゃあまたね」

そう言ってナウアールは教室を出ていった。

完全に退出したのを確認したアリアは、メリアに飛びつく。

「メリア、朝は大丈夫?今は平気?」

『うん…!大丈夫だよ?』

「良かった…。ちょっと心配だったんだからね?」

アリアのムスッとした表情を見ると、何故か気持ちが和らいだ。

「あ、そうそう。メリア、夏休み家に帰れないんでしょ?確か」

『え、あうん。そうだけど…?』

「私の家に泊まらない?」

(ん?夢?)

メリアの手は完全に止まって、全身が固まる。

「ナウアール様に聞いて、お父様に相談してみたの。そうしたら、全然大丈夫だって!」

アリアがひとり機嫌よく話を進めている中、メリアは手を小刻みに震わせながら話の間に書く。

『いやいや、絶対失礼だってぇ。私なんか…』

「もう決まっちゃったから。今更断るなんて許さないから!…ていうか帰るよ!」

メリアはアリアに引っ張られるようにして教室を出た。


(私なんかの平民、いや下民が、爵位持ち貴族のお、お、お城に入っちゃダメな気が…)

そんなことを考えながらアリアに引かれる。

すると、突然アリアは「あっ」と足を止め、振り返る。

「メリア、アリアお母さんの取っておき、歌付きの読み聞かせ、聞く?」

『えっ?』

「まぁとりあえず、私の部屋に来て!」

そしてメリアはアリアの部屋に吸い込まれていった。

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