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星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第4章「事件解決編」
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【4章-2話】お言葉に甘えて♪

 どの王国でも、掟として、通常は他の国の民は入ることを禁じている。

だが、国で認められれば、誰でも脱国することはできる。

その為には権力か又は恩義を作るしか無い。

これらを持つものにしか、話にもされない。

―例え、助けを懇願している者であっても救うことは無い。


メリアは学園の裏の森の開けた場所にクレスとフェアンを呼び出した。

「僕達を集めて、どうした?メリア」

クレスの言い種にも耳を傾けずに、メリアは俯いたまま冷めた口調で言う。

『惚けても無駄です。あの跡、貴方達がやったものですよね』

「何で今更そんなこと聞く必要あるの?」

『戯言ばっか言わないで下さい。気が散る』

どちらかが言い返す度、メリアは冷たく言葉を切りつける。

『貴方達のお陰で、何が起こったか分かるんですか?』

「さぁ?」

呆れたように答えるクレスに対して、フェアンは無言を貫いている。

『まぁいいです。…貴方達の目的は学園の崩壊。その為の騒ぎを起こした…というとこですかね』

「だから?」

『リバン王国の使者とでも言えばいいでしょうか。所属するのはビティラ。フィーライト王国の崩壊を目論む部隊ですね。色んな手を使って、フィーライト王国の崩壊を進めよう、と』

話を進めていくと、次第にフェアンの表情が崩れていく。

「何処からその情報を?」

『…少々嫌でしたが、レジリア・エンヴィーン様本人に聞いたり、…そうですね心理操作魔術で覗きました。記憶操作が得意みたいでして、貴方達の記憶も知っていたのだとか』

―メリアはクレスとフェアンに会う前に、もう一度レジリアと会って詳しい話を聞いていた。

―それも、記憶の話を―

『それと、アバント領の時も、フェアン様の詠唱が不自然でした。あまりにも言葉が違っていて、驚きました。…でも、それなら納得になります』

『今回は幸い、死者は出ませんでしたが、怪我人は僅かに出ました。私の見解としては、下手すれば死者は出たと考えます』

「もう俺らがやったって分かってんだろ?ならもう学園に突き出すなり何なりすれば?」

クレスが変わらず言い返すと、メリアはクレスの胸ぐらを掴み、自分の顔を隠していたフードを少し持ち上げる。

その目はどちらも違う色で、片方はアバント領討伐の時と同じ目、濃いブラック、もう片方は普段のアクアマリン色のオッドアイになっていた。

「そうするならそうしたさ。でもな、てめぇらには異国の者として処罰を与える必要があるから活かしてんだよ」

口調が悪くなると、クレスはやっと口を閉じ、恐ろげな表情に変わる。

「殺されたくなかったら退学しろ。―それか国で裁判するか?」

「はっ、好きにしろ」

最後にクレスが言い返すと、メリアはにやけて言った。

「じゃあお言葉に甘えて♪」

そう言うと、笑顔で拳を顔面に突き出した。


クレスとフェアンは、どちらもリバン王国生まれで、幼少期からの幼なじみだった。

あの日までは他の国の崩壊を目論まずに幸せな日々を過ごしていた。

ある日、クレスは父がいつものように仕事に出かけるのを見送ったあと、次は部屋で見送ろうと部屋のカーテンを開けた。

その瞬間、父が歩いていった場所に激しい爆音と強風、砂埃が窓を覆い尽くした。

「…父さん?」

結局父は亡くなり、あれはフィーライト王国からの攻撃だと国全体に報道された。

父の死を悲しみ、敵国を崩壊させる為、フェアンとビティラという部隊に入った。

そしてやっと仇を打てると思った手前、惨敗に陥った。

「もう、いっかな」

小さく呟いて復讐心を消した。


「意外と早かったねぇ」

木の後ろ側に控えていたナウアールが言う。

『えー、え、えっと、国に関わること…なので…』

メリアが答えると、ナウアールはメリアの頭を触って呟く。

「でも、君が制裁しなくても、僕達で片付ければと思うんだけど…?」

『…私が情報を持ったなら、自分ですれば周りに迷惑をかけないと思って……』

「…」

ピクっと頭が動くと直ぐに離して手を戻す。

校舎に戻る途中、メリアは思い出したかのようにナウアールの方を向いて、俯きながら書いた。

『あ、あのっ、学園長に言って欲しいことがあるんですけど…』

(ナウアール様に言えば直接言わなくて済むっ)

『夏休み中、寮に残ってもいいですかと聞いてもらってもいいですか…?』

恐る恐るナウアールの顔を見ると、とびきりの笑顔で言った。

「僕の家に―」

『お断りしまっす』

メリアはそのまま走って教室に戻っていった。

(既に学園長には僕の家に泊まらせるって言っておいたけど、無理やりはダメそうだね)

「ロヴィリアに手伝ってもらって、また裏工作してもらおっかな」

ナウアールはそう言って教室に向かって歩き出した。

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