表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星が瞬く夜に、願いを捧げます。  作者: 夜花みあな
第3章「アバント領での退治編」
28/100

【3章-5話】体調不良者、薄着で部屋を出る。

 1日目が終わり、全体の報告会が行われた。

その間、メリアは魔力不足の為、部屋で休息をとっていた。

普通は安静にしていればなんて事ないのだが、今回は消費が激しかったせいで、街に常駐している医師に絶対安静と言われたのだ。

(アリアが出席してるからいいのかな…)

「うーん」と小さく声をあげていると、思い出したかのように、メリアは胸元に入れていた契約石のネックレスを取り出す。

ついこの前、レイランド学園の近くの街道の店で作ってもらったものだ。

石の色と合った形で、メリアはとても気に入っている。

手を翳すと、無表情のラリアードが現れた。

メリアはムスッとしたような表情でラリアードに言う。

『頭を叩く必要…、無かったですよね?ラリアードも魔法は使えるし…』

「まぁ、そうですね。でも、結果オーライ、とか言うやつではありませんか?」

『……それは、そうです、けど…』

下を向いて指を捏ねていると、ラリアードが部屋の扉の前に移動する。

『どうしたんですか?』

「誰か来てます。…何人か」

メリアがそっとラリアードの隣側に立つと、確かに足音がした。しかも3つ。

『ラリアードは戻ってて下さい』

メリアが指示する。

だが、ラリアードはメリアをベッドに寝かせて、自分は扉の前に控えた。

「いざとなったら飛散しますから。気を付けてください」

精霊はいざとなったら、魔力の塊となって飛散することが出来る。

ラリアードが言うと同時に扉の前で足音が止まり、声がした。

「メリアー、入るよー。…2人はここで待ってて下さい。変態になります」

アリアの声だ。

アリアが扉を開けると、ラリアードが無言で目の前に立ちはだかっていた。

「ど、どうも…」

アリアはそう言って部屋に入る。

「メリア、具合大丈夫?ちょっと来れる?」

呼ぶと、メリアは走って部屋を出た。

ラリアードはアリアに何か囁くと、アリアは恐怖を感じたような表情になった。

心配になったが、ラリアードは「お気を付けて」とだけ言って扉を閉めた。


ラリアードが完全に扉を閉めると、メリアはアリア達を見る。

他にいたのは、ナウアールとフェアンだった。

メリアが安心してアリアを見ると、アリアはメリアの身体をじっくり見ると、突然目を隠し、後の2人の目を塞がせた。

「メリア…。…ちょっと着替えてきて」

(あ…)

メリアは自分の服装を見ると、驚愕した。

(そう言えば、魔力不足で熱でちゃったから、薄着に着替えたんだった…!)

気が抜けそうなのを抑えて、メリアは夢中に扉を開けた。

『ごっご、ご、ごめんすぐに着替えてくる……!』


「メリアぁ。薄着で出ちゃダメだってぇ」

『えへ、忘れてた…』

「それで済まないから。男子がいるから!」

アリアが歩きながら言うと、先を歩いていたナウアールが振り返って笑いながら言う。

「流石に女子の薄着姿は見ないって。今は」

そう言うと、丁度止まって左側の部屋を指す。

「こっち入って」

そう言って扉を開けて3人を中に入れる。

(ひぇっ…)

『これって、何するんですか…?』

メリアが聞くと、アリアが「省略した、報告会みたいなやつ…かな。メリア、遠いとこまで行けないから。ていうか心配だから、らしいよ?」と言ってナウアールを見る。

ナウアールは頷くと、手に持っていた資料を合わせてメリアに向けて言った。

「メリア達の西側は討伐完了らしいね。明日以降、体調が戻ったら他のところを手伝ってもらうんだけど…」

(やっぱりそうだよね…)

「と思ってたけど、国からの指示で、リバーズリー団と特派員の僕達は抜けて、戻っていいらしいんだ」

ナウアールが笑顔で言うと、フェアンが後から言った。

「でも折角だから小旅行しよう、って“生徒会長”が」

(生徒会長……?)

「あぁ、僕だよ。生徒会長は」

ナウアールが察したように、メリアに向けて言った。

(えええええ早く言ってえええ)

メリアは衝撃で、ただでさえ魔力不足で疲れた身体に鞭打って、魔術で自身を攻撃しようと、詠唱をした。

しかし、フェアンによって詠唱を邪魔されたので、結局、床に丸まって倒れた。


「それにしても凄いよね、生徒会長って権力あり過ぎじゃない?!」

『…そうだね』

「もしかして、生徒会長って神だったり!?」

『ま、まさかぁ』

メリアとアリアは部屋に戻ると、そんな話ばかりしていた。

勿論、アリアが話して、メリアが受けだ。

メリアはふと考える。

(孤児院じゃあ、話できる人何て、いなかったな。いつもひとりで魔術書を読み漁って…)

ギュッとスカートを握ると、思わず書いてしまった。

『私って、今、幸せだな…』

すると、アリアはさっきまでの笑顔とは異なった、満面の笑みに変わった。

そして、ほんの少し間を空けて言った。

「私もだから。忘れないでね、メリア」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ