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アレッシア王国vol.3

更新が遅くなってしまい、すいません。

今回の話はいつもより長くなっております。

そして、お知らせがあります。

私の事情により、投稿を数ヶ月行うことができません。その為、今回のお話を長めにしました。楽しみにしてくださっている皆様、申し訳ございません。私の事情が終了次第、投稿を再開致しますので、お待ちください。

現在、アレッシア王国では二つの派閥がある。それは、王太子派閥の貴族と第二王子派閥の貴族だ。王太子派閥の貴族には王太子を傀儡にしようと目論む貴族や新興貴族が属している。そして、第二王子派閥には実力派の貴族が属している。歴史ある家柄の貴族は、「中立」という立場をとっている。


国の三代公爵家と呼ばれる「フィテァドール家」、「ウノズロイター家」、「スィーラルトン家」は其々、三つの派閥に属していた。

ウノズロイター家は王太子派閥に、スィーラルトン家は第二王子派閥に、フィテァドール家は中立派に属していた。十五年前までは…




♢♢♢




「陛下、殿下の婚約者は如何されますか?」


当時の宰相、ミナルイズ宰相が陛下に進言した。


「フィテァドール公爵家の令嬢だ。お前にも隠居してもらう。」


ミナルイズ宰相はとても老齢で引退しても良い年齢であった。


「隠居?何故にございますか?」


ミナイルズ宰相は答えがわかりきった様子であったが、陛下に問いかけた。


「フィテァドール・アレクロード公爵を宰相にする。」


「何故ですか?」


「私が敵国を作る隙を見せる訳が無かろう。フィテァドール公爵家を王家の側に置くことが今回の目的だ。」


「失敗してしまえば、独立の可能性が高くなります。」


「王家の黒い噂の終焉ともなるのだ。一石二鳥ではないか。」


王の纏う空気が変わった。


「分かったな。」


「…はい、承知致しました。」


暫くの問答が続いた末に第一王子の婚約者、

現宰相引退、次期宰相が決まった。これで、フィテァドール公爵家の属す派閥が中立派から第一王子派閥に変わり、第一王子が公爵家の後ろ盾を得て、王太子となった。



♢♢♢


金剛月のある日、王宮の庭園でお茶会が開かれていた。


「アレッシア・ウィルフレッドだ。オマエの名は?」


「フィテァドール・アリシアと申します。」


「2人ではなしたいから、下がってろ。」


「「はい。」」


(王家の使用人とはこういう方達で構成されているのですね。)


王家の使用人が下がると王太子は得意な顔をして、こう言った。


「アリシアか。オマエ、バカだな?」


アリシアは驚いた。


(この方が王太子?正直に言って貴方の頭の中が心配です。家庭教師は…付いている筈ですわよね?知能指数が低いと言いますか、考え無しと言いますか……)


「オレが天才すぎてことばもないのか?さすが、オレだな。」


このような調子のままお茶会が続いた。


(疲れました。レベルの低い者と話すのは疲れるのですね。)



♢♢♢



王都にある公爵家の屋敷にて。


「お母様、王太子殿下について知っている事はございますか?」


お母様と言われた女性は、微笑んで令嬢に問いかけた。

「王太子殿下についてね?」


「はい。」


「『頭が弱く、自惚れ心が強い。努力は無し。自分が世界の中心。』そのような方だと聞いているわ。」


「何故、私が王太子殿下の婚約者に選ばれたのですか?他にも有力候補者は居た筈です。」


令嬢は少し不満そうである。


「何故でしょう?貴女の考えを言ってみて。」


「国内では、第一王子派閥…王太子派閥に、ウノズロイター家が属しています。

しかし、王太子殿下の母君…王妃様の実家がウノズロイター家出身の方なので、ウノズロイター家に権力を持たせすぎない為にウノズロイター家から令嬢を選ばなかったのだと、私は思います。

そして、もう一つの公爵家のスィーラルトン家は令嬢が居ないからです。

これで、国内の貴族であれば私が最有力候補となった筈です。」


「そうね。」


女性は続きを促すように相槌を打った。


「国外では、隣国のディートヘルム国の王家が最有力候補ですが、王女の方達が拒否をしておりますのであまり、強く出れないのかと思います。」


「他にも貴女が選ばれた心当たりがあるのではなくて?」


「…はい。もう一つの理由としてフィテァドール家独立の可能性を潰したかったのだと思います。」


令嬢が女性の問いかけに答えると女性は、コロリと表情を変えて笑顔になり、こう言った。


「正解よ〜!よく分かったわね〜!流石、未来の王妃だわ〜!」


「煽てるのは止めて下さい。お母様。」


令嬢は苦言を呈した。


「うふふ、ごめんなさいね。でも、子の成長を見られて、親として嬉しいわ。

はあ、あの子にも周りを見て行動して欲しいわね。欲を言えば、学習意欲も出るようになって欲しいわ。貴女もそう思わない?」


女性には、令嬢の先程の苦言が全く響いていないようであった。


「あの愚弟に言うことはありません。」


「あら、そう。ねえ、リア。これは、母としての言葉。」


「無理をしすぎないでね。」


母親は娘を心配する目をしていた。



♢♢♢



時が経つのは早く、現代。


公爵家にて



「お母様!お姉様は何処に居られるのですか!まだ、見つからないのですか!」


まだ、幼さを残す令嬢がヒステリックを起こしながら、母を呼び、姉のことを聞いた。


「リカ。落ち着きなさい。リアは無事なはずですよ。」


母と呼ばれた女性は令嬢に諭すように言った。


「でも、我が家の騎士団を使っても探知魔法を使っても見つからないのですよ!」


「大丈夫、必ず見つかりますから。」


「分かりました。」


令嬢は顔を膨らませながら渋々理解した。




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