第四日
遅くなってしまい、申し訳ございません。
今回の話は短めとなっています。
少し文を編集致しました。
「すまんな。堅苦しいの嫌いなんだ。わしには向かんな。これだから外交は無理なんだ。じゃ、王宮は好きに使っていいぞ。」
(なんなのよ。あの豹変ぶり。びっくりしたじゃない。堅苦しい事が苦手なロッドの性格は陛下譲りなのかしら……)
♢♢♢
「申し訳ございません。フィテァドール公爵令嬢様。陛下も殿下達も性格が…失礼致しました。私はこの国で宰相をしているランダルク・ギルバートといいます。侍女に客室に案内させますね。」
「侍女長をしています。ルェノーシュ・ヴェランと申します。案内致しますね。」
(ヴェランね。ルェノーシュ家は東の辺境伯家ね。)
アーサー伯爵家が西の辺境伯家。南の辺境伯家はミルヴァーナ伯爵家。
(北の辺境伯家は高齢の前々騎士団長が治めていると聞いたわ。そして、その方も先月亡くなってしまった。…あら?確かその土地の名はブラッドリー。私…辺境伯爵家が治めてた土地に行くの!?…自己紹介してなかったわ。)
「アレッシア王国宰相フィテァドール公爵の娘。フィテァドール・アリシアと申します。こちらは、侍女のジーナと護衛騎士のソニアと言います。」
「こちらこそよろしくお願い致します。」
♢♢♢
「こちらが貴女の部屋のある宮になります。王宮には様々な者が出入りするので、貴女の存在がバレてしまったら如何なるのか分かったものではありません。ですので、離宮に部屋を用意させて頂きました。離宮は王族の方々の住居となります。此処、青の宮は第二王女のシャーロット様のお住まいの宮でございます。フィテァドール公爵令嬢が出入り可能な部屋は青の宮と蒼玉館だけでございます。王族の方々の許可を得ることができたのならば、他の宮に行かれても問題はございませんが、王宮へは陛下と王妃殿下の許可無しには立ち入りを禁止させて頂きます。青の宮と蒼玉館の説明は蒼玉士に聞いてください。では。」
「長い説明ありがとうございます。どうぞ。ご自分の仕事にお戻りくださいな。」
「礼は結構です。」
(随分私を下に見ているのね。あの侍女長。)
ディートヘルム王国第二王女は世では気難しい姫という認識で、『石楠花姫』と呼ばれている。それに、蒼玉士はロッド様の侍女のことを言う。青の宮と蒼玉館で働いている人々は『琉璃の者』と呼ばれている。そして、第二王女の希望により、蒼玉士は僅か三人しかいない。そして、その三人はいつも第二王女の起こした騒動の後処理に追われている。
「リア様!侍女長に痛い目を見せたいの。
協力してもらってもよろしいかしら?」
(丁度良いところに…)
「えぇ。勿論です。」