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突然の告白

「颯太の事、興味ないって言ったよね!嘘だったの!?」


私「え?嘘じゃないよっ!私、乾くんの事何も思ってないよ?」


私は、猫宮 ひなた(ねこみや ひなた)高校二年生。

私は、今まで普通に生活してたのに今史上最悪の状況になっている。

しかも、教室で…。

朝のホームルームの前なので教室には沢山のクラスメイトが私に注目する中、私は今目の前にいるこの子、桜井(さくらい) (はな)に責められている!

別にはなとは、そこまで仲良いわけではない。

クラスが一緒になって席もたまたま近くだったから、よく喋るようになった子だ。

そんな、はなに私は今責められている。


はな「じゃ、何で昨日颯太と二人っきりで屋上行ってたの?」


私「えっと…それは…。」


それは、乾くんに告白されてたっ何てはなに言いづらかった。

だって、はなは乾くんが好きだから。

そんな子に自分が好きな人が違う子の事好きなんだよ!って私には言えない。

なのにっ!


はな「それは、何?私の事、応援してくれるって言ったじゃん…。それに颯太にも昨日の事、聞いたらひなたに呼ばれたんだよって言ってたよ!」


私「えっ!?」


私は、クラスメイトの(いぬい) 颯太(そうた)を見た。

乾くんは、私が見るなり目を逸らし友達と話し始めた。

コイツっ!


私「違うよ!私じゃなくて、乾くんが!」


はな「はぁ?じゃ、乾くんが嘘ついてるって言うの?そんな嘘つくメリットなんかあるわけ?」


私「メリットなんてあるかは、知らないけど。私は、乾くんに呼ばれて告っ」


ガタンッ


私が本当の事を言おうとした途端、乾くんが勢い良く立ち上がり、私の言葉を遮った。


颯太「ね、猫宮が俺に告白してきたんだ。」


私「ちょ、はぁ?何言ってんの?それはっ」


颯太「まぁ、断ったんだけどさぁ。」


またもや、私の言葉を遮り喋る乾くん。


コイツっ!

私のせいにしようとしてる!

フラれたから腹いせだろうか!

乾くんは、たくさん女子に告白されるぐらいイケメンで自分が好きになった人は、絶対落とせると思っているらしくフラれた事が自分のプライドが許せないんだろうな。


はな「最低!応援するとか言って。抜け駆けしようとしてっ!」


私「だから、違うって!」


はな「何が違うの?さっき、屋上行った理由言わなかったじゃん!振られて恥ずかしかったんでしょ!自業自得じゃんw」


はぁ。

もう、私がなに言っても信じない。

乾くんは、イケメンでクラスのムードメーカーみたいな存在だ。

運動しか取り柄のない、私よりムードメーカーの人の事を皆んなは、信じやすい。


かと言って、私に友達が居ないわけじゃない。


仲良い友達もいる。


でも、その友達は2年生に上がる時のクラス替えで離れてしまって、ここのクラスには友達がまだいない。


だから、ここには私を助けてくれる友達なんていない。


私「はぁ…。めんどくさい。はっ!」


ヤバっ!


私は、心に思ってた言葉が口に出てしまった。

慌てて口を塞いでももう手遅れだ。


はな「はぁ?めんどくさい?アンタが悪いでしょっ!」


と同時にはなの右手が上がった。


わぁっ!

ビンタされる!


私は、目を反射的に瞑ってしまった。


けど、はなの手が私の頬にあたる事がなかった。


目を恐る恐る開けると


私「えっ?」


そこには、はなの振り上がった右手を掴んで止めていた空野(そらの) 矢絵(やえ)がいた。


やえ「ちょっと、桜井さん暴力は駄目だよ〜?」


はな「ちょ、空野さんには関係ないでしょ?」


やえ「ん〜。それがあるんだよね〜。」


と困った表情をしながら答える空野さん。


はな「はぁ?何言ってんの!?ひなたと話してる所なんて見た事ないのに、何で関係あるのよ?」


はなの言う通り、私は空野さんと話した事もなければ目も合わせた事もない。

そんな、空野さんからその言葉が出てきた時は驚いた。


それに空野さんは凄く可愛くて男子にもモテていて女子にも人気な人だ。

頭も良くてスタイルも良い。

それに運動神経も良い更に優しいときた。

いつもニコニコしていてもう、完璧な人だ。


私とは、かけ離れてる存在で関わる事がないと思っていたからだ。


やえ「えぇ〜。聞いちゃう?」


はな「な、何よ?」


やえ「じゃ、教える前にちょっとだけ。」


と言いはなの手を離し乾くんの方へ歩きだした。


颯太「な、なに?」


やえ「乾くん、嘘は駄目だよ?」


と笑顔で言う空野さん。


颯太「はぁ?な、何が?」


やえ「屋上に呼び出したのは、乾くんでしょ?」


はな「え?」


颯太「ち、違う!猫宮だよ!」


やえ「え〜。私、その時屋上にいたんだよね〜」


私「えっ?」


乾くんの顔がだんだん青ざめるのが分かった。


颯太「いやいや。しょ、証拠あんの?」


やえ「そう言うと思った〜。」


と言うと空野さんは、制服のポッケからスマホを取り出し、動画を流した。


颯太(俺、猫宮が好きだ!付き合って欲しい。)


私(…ごめんなさい。私、付き合うとか好きとか興味ないから。)


と昨日の屋上の時の告白シーンが大音量で流れ出した。


それをクラスメイトがゾロゾロ集まり観ている。


颯太「!!!?」


やえ「駄目だよ。フラれたからって腹いせで相手のせいにしちゃ。もしかして、プライド〜?どっちでも良いけど、カッコ悪いよ〜。」


と笑顔で言い終えると空野さんは、こちらの方に近づき始めた。


やえ「それに〜」


私「ちょ、えっ!?」


空野さんは、私の手を引き自分の方に寄せ腕を組み言い放った。


やえ「私達、付き合ってんだよね〜。だから、この子が他の男子に目が行くわけないでしょ〜。」


はぁーーーーーーーーーー!?

何言ってんのこの人!?


クラスメイト達は、ざわめき始めた。


私「ちょっ、何言っ」


やえ「まぁ、良い機会だし皆んなに伝えとくね〜。」


私が話してる最中なのにまた話始める、空野さん。


やえ「この子をいじめるのも独り占めにするのも私だけだから、皆んな取らないでねっ。」


と満面の笑みで言い、また私の手を引き教室を出た。


私は、頭が真っ白になった!

話した事もない子が私と付き合ってると面前の場で告白したのだからっ!

それに私は、誰とも付き合った事もなければもちろん空野さんとも付き合った覚えもない。

なのに空野さんは、私と付き合ってると言う。


もう、意味が分からなかった。



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