#3 招待
「おうよ、んでよ、5人の魔女で、そこにある5つの魔石へ一斉に触れて、暴走させるわけよ」
「それはすごいですにゃん」
「ふぎゃあ、なんかすごいんだよぅ」
「ふぎゃーっ、すげえんだよぅ」
「だーっ!」
ど3人の獣人族に囲まれて、レティシアは特殊砲撃の時の機関室の様子を語っている。ここでも、ユリシアはちゃっかり相槌要員として活躍している。
戦闘の翌日、僕とレティシア、リーナ、それにそれぞれの子供のユリシアとエルネスティは、例の手羽先屋に来ている。いや、ここは手羽先の専門店というわけではないのだが、手羽先しか勧めない店員がいるおかげで、僕らの中では事実上、手羽先屋ということになっている。
「そういえばレティシア、その戦魔女団はどこにいるんだ?」
「おう、あいつらか。もうすぐここに来るはずだぜ」
僕は何気なくレティシアに尋ねたこの一言に、突っかかるやつがいる。
「ちょっと提督! どうして戦魔女団のことが気になるんですか!」
グエン中尉だ。娘のホアちゃんを抱えて、こちらを睨みつけてくる。なぜこいつまでここにいるのか。にしても、相変わらず、僕はこの士官から信用されてないなぁ。
「いや、今回の戦いで初めて実戦を経験したばかりだ。もし会う機会があれば、ねぎらいをだな……」
「ほんとですかぁ? まさか、3人目の奥方を考えているんじゃないでしょうね」
などと言いながら、グエン中尉は僕の隣にいるリーナの方に目を向ける。
「まったく……息子さんまでが、父親のこの性格を受け継いでなければいいんですが」
そして、この辛辣な一言を言い放つ。うーん、残念ながら、それはちょっと心配のし過ぎじゃないだろうか。僕よりもリーナの性質を受け継いでる気がしなくもない。
が、この一言を聞いた我が息子エルネスティが突如、泣きわめく。
「うわあぁぁぁん!」
まさかあの一言を理解して泣き出したとは思えない、おそらくは別のことがきっかけなのだろうが、これに慌てたのがグエン中尉だ。
「えっ!? あ、いや、そういう意味で言ったのでは……」
などと言いながら、エルネスティのそばに駆け寄り、それをあやすリーナの横であたふたしている。うん、なんだろうな、この「してやった」感は。僕はいつも言われっぱなしだが、赤子となればさすがのグエン中尉も慌てふためく。うん、我が息子ながら、実に上手く反応したものだと感じてしまう。
「うむ、この子は感情の起伏が激しいな。そういえば私の幼き頃も、普段は大人しいが、時折烈火の如く騒ぎ出すと父上が申しておったな」
「えっ? じゃあエルネスティは、リーナに似たのか?」
「いや、カズキ殿の幼き頃を知らぬゆえ、あながち私とも限らぬとは思うがな。そういえばカズキ殿はどうであったか?」
「いや、聞いてないな……フタバはよく泣いたとは聞いたことがあるが」
うーん、言われてみれば、自分が赤ん坊だった時のことなんて、ほとんど聞いたことがない。が、今の話を聞く限りでは、リーナに似たのだろう。声の大きさも、正義感の強さも。ただ、胃袋までは受け継いで欲しくないものだが。
「うーん、元気いいねぇ。やっぱり手羽先食べてると、子供が元気になるんデスねぇ」
などと強引すぎる手羽先の効能をでっち上げてくるのは、あの店員、アンニェリカだ。スウェーデン系で、ナゴヤ育ちの手羽先推し。何をどうしたらそういう人物が育つのか、不思議でならない。
などと思いつつも、手羽先の小骨を取りスルッと身を剥ぎ、残った小骨を器に入れる、この食べ物独特の食事作業を繰り返していると、テーブルの脇に軍服姿の4人が現れる。
その4人は、僕の方を向いて直立、敬礼する。僕は慌てて持っていた手羽先を皿に置き、返礼で応える。
「提督! 戦魔女団4名、参りました!」
「うむ、ご苦労」
そこに、この旗艦のために結成されたあの集団がやってきた。その彼女らに、レティシアが声をかける。
「おう、堅えことは抜きだ、おめえらも座れ!」
「だーっ!」
「はっ、レティシア殿! では、お言葉に甘えて」
と言いつつ、4人はすぐ脇のテーブルに座る。
戦魔女団。怪力魔女ばかりで組織された集団。この戦艦オオスにつけられた5つの魔石に力を込めるために、地球760より集められた魔女達である。
レティシアを筆頭に、ヴィルテーユ、マリアンジュ、オリアンヌ、フェリシーの4人の怪力魔女で構成。4人いずれも、階級は上等兵。この5人をまとめて戦魔女団と呼ぶこともあれば、軍属ではないレティシアを除いた4人を指すこともある。いずれにせよ、レティシアが事実上、この5人の団長を務める。
「今回の活躍は見事だった。あの白い艦隊も、我々の攻撃をみてしばらくは手を出してこな……」
「おい、アンニェリカ! こいつらに手羽先だ! 早く持ってこい!」
「はいデス!」
ところでこの戦魔女団だが、レティシア以外は皆、背が低い。レティシアはの身長は175センチの僕よりやや低い168センチだが、他の4人はそれよりもかなり低い。
僕はあまり魔女に詳しくないのだが、怪力魔女とは一般的に背が低い者が多いらしい。理由は判明していないが、ともかく低い者が多いという。特にこの中で低いのは、僕の真横に座るヴィルテーユ上等兵で、身長は140センチ。
だが、そんな彼女はよく食べ、そしてもっとも怪力である。最大荷重量は50トン。ちなみにその食欲は、リーナの上をいく。
別に太っているわけではない。パッと見た目には童顔で、小柄な中学生くらいの少女にしか見えない。およそ成人とは思えない顔と外観だが、あれで重さ20トン超の人型重機を両手で2体、楽々と持ち上げる。
次いで怪力なのは、その横に座るマリアンジュ上等兵。彼女の身長は150センチほどで、最大荷重量は30トン。ただ、ヴィルテーユ上等兵とは違い大食いではない。
が、なんていうか……大袈裟な言葉遣いが多いというか、ちょっと意識が高過ぎるところがある。
「いやあ、私達ってやっぱ、この艦のインフルエンサーだよねぇ〜」
「へ? い、インフルエンサー??」
「だって、このスタレングスな艦のエンジンに力を与えるリソースなんだよ〜。それって、とってもプラウドじゃない?」
「そ、そうだね。でも、そういうのって普通、インフルエンサーって言わないような……」
「そうなのよ! 力こそパワー!」
こいつ時々、何を言っているのか分からないことがある。おそらく、本人もよく分かっていないのではないか。が、言動のわりには別に嫌味な性格ではないため、あれはあれで周りと上手くやっているようだ。
そんな意識高い系な魔女の向かいに座って受け答えしているのは、フェリシー上等兵。
彼女はなんというか、ぼんやりとした印象の魔女。最大荷重量は25トンで、身長は150センチ。その怪力に似合わず、まるで野に咲くたんぽぽの綿毛ようにふわふわしている印象だ。
が、あの顔で人型重機を軽々と持ち上げることができるんだよなぁ……手羽先をしゃぶるように食べながら、正面にいるマリアンジュと会話を試みている。
「まったく、マリアンジュさん、わけの分からない言葉ばかり使うものではありませんわ。提督の前ですよ」
「ふうん、オリアンヌ、そんなこと言って、提督の前でグッドなとこ見せて、アドバンテージをゲットしようとしてんじゃないのぉ?」
「あなたじゃあるまいし、私はそんなこと、するわけありませんわ」
「そうだよねぇ、オリアンヌはどちらかというと、可愛い系だもんねぇ」
「だだだ誰が可愛いですか! そういうのはあなた、フェリシーさんの方じゃなくて!?」
ややお嬢気味な言葉遣いをしているのが、最後の一人、オリアンヌ上等兵だ。身長はこの4人では一番高く、155センチ。最大荷重量は15トン。レティシアよりもやや強いくらいだ。人型重機は持てない。
「そうだよなぁ、オリアンヌのやつ、可愛いよなぁ」
「れれれレティシア殿! そのように私を揶揄うものではありません!」
「はぁ? 俺は別に揶揄っちゃいないぜ。ただ、事実を言ったまでよ」
おかげでこの通り、レティシアのいい揶揄い相手だ。こういうのをいじるのが大好きだからな、レティシアは。
そんな3人を横目に、黙々と手羽先を食べ続けるヴィルテーユ上等兵。通常なら手羽先の端の小骨を取ってから身をほぐすのだが、こいつは小骨など取らずに食べている。しかも、2、3個まとめて口に入れて、一気に引き抜く。口の中ではバリバリと小骨ごと砕く音がする。それを、中学生と見間違えるほどの小柄な娘がやっている。これには手羽先推しの店員アンニェリカもドン引きだ。
「おい、アンニェリカ! あと3皿持ってこい!」
「ついでにあたしにも、あと5皿!」
「はーい、了解デス!」
その小柄魔女は、まさにリーナと争うように手羽先を追加注文している。しかしこの2人、よく食べる。
いや、よく見るとその奥のテーブルにもたくさんの皿を積み上げて、黙々と食べている奴がいるな。なんだカテリーナ、お前もいたのか。いつものように、ナイン大尉と向かい合わせで座って手羽先を食べる。
しかし、どうしてここでは皆、手羽先しか食べないのか。手羽先以外にも食べるものはあるんだが。
「おい、このペースで食べ続けたら、手羽先が底をつくんじゃないのか?」
僕のこの一言に、後ろのテーブルから反論が聞こえてくる。
「いえ、大丈夫ですよ提督。私の補給作戦は、完璧ですから」
振り向くとそこには、ブルンベルヘン少佐がいた。我が艦の兵站担当。そのお向かいには、少佐の相方であるヴァルモーテン少佐がいる。
「まったくですよ、提督。我が夫は地球001で最速の兵站作戦を履行可能で、戦艦ゴンドワナでは最速給仕と呼ばれ崇められたランス、いや、ブルンベルヘン少佐ですよ? この程度のバカ喰いが4、5匹いたくらいで、この艦の食糧が逼迫するなんてこと、ありえませんね」
うーん、それはつまり、リーナもその中の「1匹」だと言いたいのか。こいつもマリカ少佐といい勝負の毒舌軍人だな。にしても、最速給仕って……多分それ、あまりいい意味で使われてる二つ名ではないと思うぞ。
「ああ、閣下、やはりここにいらしたのですか」
と、そこに、一人の士官が現れる。戦艦オオスの通信士と思われるが、その士官が僕に敬礼しつつ、ここにやってきた。僕は返礼しつつ、尋ねる。
「ご苦労。何の用だ?」
「はっ、ヤブミ閣下宛てに、通信が届いておりまして」
「通信? どこからだ」
「はっ、地球065防衛艦隊司令官、レイヴィネン中将からです」
「えっ? レイヴィネン中将だって?」
「はっ、内容は……」
「待て待て、ここは民間施設内だぞ。軍関係の電文を、ここで読むのか?」
「いえ、平文で送られてきた、秘匿性のない内容なので」
「平文? まあいい、読み上げよ」
「はっ、読み上げます。『ヤブミ少将殿へ、今回の戦勝祝賀のため、我が地球065、ユニヴァスキュラ港へ招待したい、返信されたし。宛て、地球001、第8艦隊司令官、ヤブミ少将、発、地球065防衛艦隊、レイヴィネン中将』、以上です」
んん〜? 僕に連盟の星へ来いっていうのか? しかも、この270年もの間ずっと宿敵として戦い続けてきた地球001出身の僕を、地球065へ?
「……で、貴官はそれを伝えるためだけに、わざわざここまで来たのか。電話で知らせればよかったのでは?」
「はっ、おっしゃる通りですが、なかなか電話に出ていただけなく、艦長がおそらくこの店にいるだろうから、と……」
その士官に言われて、僕はスマホを見る。うん、確かにたくさん着信が入っているな。全然気づかなかった。
しかし、だ。どう考えてもその話、悪い予感しかしない。なにせ僕はこの星からすれば長年の敵、しかも過去の戦闘にて、特殊砲撃でこの星の艦艇を多数、沈めているかもしれない。このままのこのこと出向くのは、自殺行為ではないか。
「おう、面白そうだな。行こうぜ」
ところがそれを聞いて、賛成する奴がいる。レティシアだ。
「いや、レティシア。相手は連盟のだな……」
「何言ってやがる、いい話じゃねえか。こうして敵だった相手がわざわざ招待してくれてんだ、行こうぜ」
「だーっ!」
なんて能天気な親子だ。いや、ユリシアはまだ理解しておらず、ただ相槌を打っているだけだからいいが、レティシアよ、お前は分かって言ってるだろう。
「うむ、そうだな。レティシアの言う通りだろう」
と、そこにさらに賛同者が一人、増えた。
「あのなあ、リーナよ。相手は長年の敵であって、その星に飛び込むのはだな……」
「大丈夫であろう。この情勢下で、カズキ殿を謀略にかけるなど考えられない。それをやれば、あちらが不利になるだけのこと。敢えてかつての敵地に踏み込むことで、我らはむしろ、信頼と好印象を与えることができるのではないか」
さっきから手羽先を一心不乱に食べ続けるリーナが、まともな見解を述べる。さすがは一度、死地に追い込まれた経験を持つ元指揮官だ。この言葉に僕は、同意せざるを得ない。
が、僕はこれでも艦隊司令だ、さすがに、敵地に乗り込むなど……
『いいじゃないか、敵地訪問』
と、この話を恒星間通信を介して、第1艦隊総司令官のコールリッジ大将に報告したところ、こう返されてしまった。
「ですが閣下、連盟の星ですよ?」
『すでに貴官は、何人かの連盟の士官や将官と接触し、連盟側の戦艦にまで赴いているではないか。今さら、何を躊躇うことがあろうか』
「ですが……」
『いいから、行ってこい。リーナ殿の言う通りだ、この情勢下で下手なことはすまい』
と、事実上の僕の上司であるコールリッジ大将がそうおっしゃるので、結局、レティシアとリーナの意見通り、地球065へ出向くことに決めた。
「出航準備よし、繋留ロック解除、微速後進、駆逐艦0001号艦、発進する」
「繋留ロック解除、微速後進!」
翌日になり、僕は旗艦オオスを離れ、この艦に接続された駆逐艦0001号艦に乗り込む。目指すは、地球065、ユニヴァスキュラ。
と言われても、270年以上もまったく交流のなかった星だ。その都市がどこにあるのか、分かるはずもない。が、まだ宇宙が2つに分かれる前の地球065の地形データが、我が地球001のサーバー上に残されていた。270年以上も前のそのデータを頼りに、このユニヴァスキュラという場所を目指す。
どうやらここは、かなり南にある半島の上の都市のようだ。南といっても、その緯度は70度以上、つまり南極側のかなり寒い地域だ。この星の南極は、我々の地球001の北極側に似ていて、大陸に囲まれた閉ざされた海、という具合のところだ。
その大陸の一つから大きく突き出た半島、その上にある都市が、このユニヴァスキュラというところだ。
なんでもこの都市が、この星で最大の都市らしい。この地はかつて、その半島につながる大陸と、海を隔てたもう一つの大陸とを支配していた国が存在していた。この地球065の3分の1を支配していたと、そのデータには記されている。
なるほど、つまりこの星の本拠地というわけだ。そんな場所に、今もまだ敵方としている連合の、しかもその中で宿敵とも言える地球001の人物を招くというのだから、その寛大ぶりに舌を巻かざるを得ない。
もっとも、その裏にどんな思惑があるというのか……
「大丈夫でしょうか、提督」
と語りかけるのは、ジラティワット艦長だ。
「大丈夫だ、と言い切れるほど、僕も確証はない。が、連盟内でも3つの艦隊を抱え、地球023に次ぐ勢力と言われるこの地球065を目にすることができる絶好の機会だ。誘いにのらない手はないだろう」
「それはそうですが……よろしいのですか? この艦が停泊している間、連盟のやつらにこの艦の技術を晒すことになるのですよ」
「それはそうだが……といっても、この艦は魔石エンジンだし、通常砲しか搭載していない。暴かれてもさほど困るものはないし、滞在は10時間としている。この短時間であれば、調べ切れるものではないだろう」
「それはそうですが……」
ジラティワット艦長も、幕僚長だった時の癖が残っているようだ。心配性だからな。もっとも、僕もその点は心配でならない。この艦には新型機関が搭載されているし、通常砲とはいえ、射程は彼らの1.5倍の、地球001のみが保有する砲だ。いくら旗艦のおまけのような駆逐艦といえど、彼らからすれば喉から手が出るほどの技術の塊でもある。
が、ユニヴァスキュラ港に入港後、ヴァルモーテン少佐が機関室とこの艦の出入り口とに「封印」を付けることにしている。この手の接触を想定して、連合と連盟との間に結ばれたこの宙域内での非戦闘条約に、この封印の件が記載されている。連合と連盟双方の機密に関わるところにこの封印をつけさえすれば、それをもう一方が破ることは条約違反となる。そんな危うい約束事と紙っ切れだけで、この船を守ろうというのだ。
「地球065まで、あと240万キロ。到着まで30分の予定です」
「了解、地球065側の動きは?」
「いえ、特には。周囲を軍民の艦艇が航行しておりますが、さしたる通信も干渉もありません」
「そうか。では、進路そのまま」
「はっ! 進路そのまま!」
招待をされたにしては、あまりにも無関心すぎる。歓迎される相手ではないことは自覚しているが、それにしてもあまりにも放置しすぎだ。仮にも我々は連合側、つまりこの星にとっての敵側の船だ。監視の船の一隻や二隻、付けて然るべきではないか
まさかこのまま無誘導でユニヴァスキュラ港に向かうことになるのか、と思い始めた頃、ようやく通信が入る。
「地球065より通信! ユニヴァスキュラ港への進入手順を送信する、当惑星の赤道面より進入し、アーゾス諸島管制の指示に従い、大気圏突入されたし、以上です!」
ここも宇宙進出を果たして、300年近くになる。我が地球001と同様、進入手順が複雑なようだ。
「了解した。直ちに返信、当管制の指示に従い進入する、と」
「はっ!」
ジラティワット艦長の指示を受け、すぐに通信士がその通信に対し返信を送る。それを横で聞きながら、僕は窓際へと向かう。
遠くに見える、青い光の点。あれが今向かっている地球であることは、すぐに分かる。
だが僕自身、初めて降り立つ連盟の星だ。連盟の船に行ったことはあるが、星に来たのは初めてだ。
あの青い点の上に、何が待っていることやら……不安しかない訪問先のあの星に、僕らは連合側の識別色である灰色の駆逐艦で向かった。