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7/8

その7 ~ゲーム本編~

全部でその8まであります。本日8/14はその7、その8を投稿する予定です。

その2がゲームのインスト、その4から実際にゲームが始まります。

 どちらも大臣の予想通り、小人カードでした。三枚のカードが緑色の炎に包まれて消えていきます。ワオンの顔が恐怖にゆがみます。


 ――だが、こいつらもどうやらバカじゃないようだな。ボドゲカフェだったか? そこでカードゲームをしていたんだろう。それだけあって、カンはいいみたいだな。このゲーム、本気で白雪姫カードと毒リンゴカードがそろうのを邪魔しようとなれば、白雪姫カードを持っているやつは、毒リンゴカードを持つやつの自滅を待つことができるからな――


 毒リンゴカードを持つ人が、1ターン目にそれを出して白雪姫カードといっしょにめくられなければ、その段階であとは白雪姫カードと小人カードだけになってしまいます。もちろん、小人カード同士がめくられることもあるでしょうが、少なくとも負けることはなくなるのです。


 ――だからこそあえて1ターン目に出すというのも戦略としてはあるだろうが、そもそも1ターン目に白雪姫カードと毒リンゴカードを出そうといったのはわしだ。それを覚えていれば、1ターン目になど怖くて出せないだろう。特に、あんな臆病なオオカミには――


 じっくりとワオンの顔を観察し、ルドルフ大臣は口ひげを指でいじりました。


 ――しかし、ならば2ターン目もやつは勝負をしかけず待っているつもりだろうか? そうすればもう1ターン、わしが自滅するのを待てる。それにやつらは、わしがサイコロの目を操れることは知らない。つまり、仮に3ターン目にわしが毒リンゴカードを出したとしても、サイコロの目によってはやつらが勝つ確率もあるのだからな。まぁ、それは当然黒魔女様の魔法で絶対起こりえないのだが――


 今度はルージュに顔を向けます。ルージュはまだカードを出してはいません。


 ――悩んでいるふりか? ふん、無駄なことを。白雪姫カードをあのオオカミが持っていることぐらい、誰だってわかるわい。だが、とりあえずはこのターンも様子見だろう。そしてそれは、わしにとっても好都合だ。3ターン目にサイコロの目を操れば――


 と、ルージュがわずかにほほえんで、それから2枚目のカードをテーブルにふせて出したのです。ルージュがちらりとワオンに視線を送ります。ワオンもその目を見て、それから口をきゅっと結びました。


 ――むっ、なんだこいつ――


 ワオンはカードをドンッとテーブルに叩きつけて、それから祈るように目をつぶったのです。ルドルフ大臣は目を丸くしてしまいました。


 ――なんだこいつは、この様子は、どう見ても白雪姫カードを出した感じじゃないか! まさか、このわしを引っかけようとしているんじゃ……? いや、そんなことはありえない。このオオカミはうそなどつけぬ、お人よしだ。これも素の反応に違いない。ならば、あのカードは――


 にぃっとほおをゆるめて、大臣はくくくとほくそ笑みます。


 ――あのカードは、白雪姫カードだな! バカめ、ならばわしもここで勝負に出よう! 毒リンゴカードを出して、黒魔女様の魔法であの小娘を親にするんだ。そうすれば小娘がわしとオオカミのカードをめくることになる。くくく、残念だったな! わしの正体に気づかれたときはあせったが、これで黒魔女様も復活し、わしも永遠の命をいただけるぞ――


 大臣は毒リンゴカードをテーブルの上にふせ、それからルージュにいいました。


「さて、それじゃあサイコロをふろうか。まずはわしからだ」


 サイコロを指でいじるふりをして、ゆっくりと魔力を注入していきます。サイコロがだんだんと熱を持ち、そして十分に熱くなったところでふります。出た目は1でした。


「チッ、1か。まぁいい。次はお前の番だぞ」


 今度はルージュにサイコロを渡します。ルージュはわずかにまゆをつりあげますが、なにもいわずにサイコロをふります。出た目は6でした。ルージュはそのままワオンにサイコロを渡し、ワオンもふります。2を出し、ルージュはにっこりしました。


「それじゃあわたしがめくるわね」

「くくく、いいだろう、めくるがいい! その瞬間、お前たちは黒魔女様に生贄としてささげられ、わしは永遠の命を与えられるのだ! ハーッハッハッハッ!」

「……それはどうかしらね」


 ルージュとワオンが目配せすると、やわらかな笑みを浮かべたまま、ルージュはカードをめくりました。


「どうだ、見たか! 毒リンゴと小人だ! 白雪姫は毒リンゴを食って死んだ! ハーッハッハッハッ……ハァッ? なんで、なんで小人カードなんだ!」


 どなり声をあげるルドルフ大臣に、ワオンがへへっと照れたように笑います。ハッとして、大臣はギリギリと歯ぎしりしながら、ワオンをどなりつけたのです。


「おのれっ、このオオカミめ、生意気にもこのわしをハメおったな! あの動きは、勝負カードを出そうとする動きだったのか!」

「そうさ、さぁ、大臣、これで毒リンゴカードはなくなったぞ! おいらたちの勝ちだ!」

「クッ……、ふん、なにをバカなことを。まだわしは負けておらん。次に小人カード同士をめくればいいだけじゃないか! ……小娘、さっさとカードをふせろ!」


 大臣にどなられても、ルージュは笑みを絶やさずカードをふせます。ワオンもふせて、大臣もバンッとテーブルにカードをたたきつけました。


「さぁ、それじゃあサイコロをふろうじゃないか。最後のサイコロをな」


 ぎゅうっとサイコロをにぎりしめて、ルドルフ大臣がサイコロをテーブルに転がします。出た目は……5でした。大臣は「くうっ!」と思わずうめき声を出します。


 ――まずい、もしわしが、もしくはあの小娘が親になったら、あのオオカミのカードが開かれてしまう! つまり、白雪姫カードと小人カードが開かれて、黒魔女様の像が砕け散ってしまう! そうなってしまえばおしまいだ――


 大臣の投げたサイコロを取って、今度はルージュがふりました。出た目はやはり5です。大臣の顔から血の気が引きます。


 ――頼む、頼む頼む頼む! オオカミよ、6を出してくれぇ――

その8は本日8/14の19:30あたりに投稿する予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後にワオン頼み……。 大臣、それは、ちょっと(笑)。
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