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3ヶ月後に自殺する話  作者: hal
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12日目


死んだように眠っていた気分だった。

ここ三日間天気のせいなのか何もすることがなく命を引き取るように眠っていた日々だった。

継続することをやめると、人は再び継続しようとすることはあまりないとどこかで聞いたことがあったので

誰に見られてるわけでもないのに、勝負をしているわけでもないのに負けたくない気持ちでまた書くことにした。


最近よく夢を見る。

普段はあまり見ないけれど、ここ二週間くらいは毎日夢を見るようになった。

大体が音楽を作る夢だ、作曲作詞、使う楽器、旋律を自分で作っていて、なかなかに綺麗。というかものすごくきれいな曲。

その楽曲をいざ目を覚まして文字に、音にしようとするけれど、一瞬であの綺麗な景色が崩れ去っていく。

跡形もなく、微かな記憶だけを残して。

それからか、あまり音楽を聴いても感動しなくなった。

これほど自惚れている私もおかしいけれど、夢の中の私の曲はあまりによくできている、ペンタトニックスケールだったのは覚えている。でもそれ以上に思い出せない。

もしかしたら、覚えていないから美しいと思うだけでもう一度聞いた時にはそこまでなのかもしれない。


作曲なんてそんな甘いものじゃないし、そう簡単に作れてしまったら音楽業界が不安定な職業なんて印象つかないから私の美しいと思った音楽はきっと万人には受けないものだと思う。

あぁ、だめだ、何も悪い方向性で考えてしまうのは私の短所だ。いいと思ったらそれでいいじゃない、私の人生なんだから他者の目を気にしたり評価をもらおうなんて考えなくていいんだよ。


心から笑えなくなった気がする、誰かと話していても、笑顔で振る舞っていても皮一枚挟んだ私の顔は虚無で埋め尽くされいてる。

乾いた笑いが感情を奪っていく。時間が過ぎていく。何も変わらないまま。

今日は何を捨てよう。

捨てなくてもいつの間にか失ってきてる。

失ったものはいくつかあるけれど、それがどれなのかはっきりとはわからない。

でも、必死に生きる努力、死ぬ努力をする気持ちはどんどんすり減っているのはわかる。

ただただ時間の中を彷徨って死期が来るのを待っている。

結局私の人生の使い方もそこらの人間と変わらなかった。特別でもなんでもなかった。


今日はここまでこれ以上は気に病むだけ。

明日は晴れますように。

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